ゲームをよくする人ほど先延ばしは多いのか?

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仕事や家事、勉強などやらなければいけないことをついつい先延ばししてしまうことに悩む人は多いと思います。ちゃんとした理由がある先延ばしであったり、疲れているときに先延ばししてしまう程度なら良いのですが、先延ばしが常習的になってしまうと色々と問題となってしまいます。

そして心理学の研究でわかっているのは、先延ばしは衝動性と関係があるということ。つまり、短期な利益の衝動的に飛びついてしまう人ほど先延ばしが多くなってしまうということですね。そして、現代でこの衝動を駆り立ててしまう要因の一つが、ゲームやSNS、インターネットといったメディアになります。勉強しなければいけないけど、ゲームやインターネットがやめられないという経験がある人も多いでしょう。

そこで、トロムソ大学の研究(*1)が

  • ゲームを多くやる人ほど、先延ばしが多くなってしまうのか?

ということ調べてくれていましたので、本稿ではその中身を見ていきましょう。

ゲームと先延ばし

この研究ではゲームのプレイ時間と先延ばしの傾向の関係を調べるために、2つ調査を行っています。これらの調査では、

  • 普段どのくらいゲームをプレイするのか?
  • どのような目的でゲームをプレイするのか?
  • 普段からどのくらい先延ばしをする傾向があるのか?
  • 長期的な利益をどれだけ安く見積もってしまうのか?

といったデータを総計で516人を対象に取得しています。

結果1:ゲームのプレイ時間と先延ばし

調査の結果わかった結論としては

  • 先延ばしの傾向のうち、ゲームのプレイ時間が説明する割合はわずか1.8%だけで、この2つにはすごい弱い関係しかない

ということ。

ゲームを多くする人ほど、だらしがなくて先延ばしも多いイメージがありますが、実際にはゲームは先延ばしをはほとんど関係がないということですね。

ただしポイントとしては、この研究は年齢の影響をしっかりと考慮していることです。もともと先延ばしには年齢が高くなるほど減る傾向が確認されています。そして仕事などで忙しくなるとゲームのプレイ時間も減ってしまうので、年齢が高くなるほどゲームのプレイ時間も減る傾向があることもわかっています。つまり、ゲームを長時間プレイする人は若い人が多く、同様に若い人ほど先延ばしが多いという関係があって、ゲームを多くプレイする人に先延ばしが多そうに見える真の原因はゲームではなく若さということなんですね。

結果2:ゲームをプレイする目的には注意

そしてもう一つ、ゲームをプレイする目的で面白いことがわかっていて、

  • ゲームをプレイする目的が、楽しみや休憩、ご褒美、友達付き合い、競争の場合はゲームのプレイ時間が多くなっても先延ばしは増えなかった
  • ゲームをプレイする目的が、現実逃避またはストレスの発散の人は、ゲームのプレイ時間が増えるほど先延ばしが増えてしまった

ということ。

ゲームをプレイする目的によって先延ばしの傾向が変わるということで、現実逃避やストレス発散でゲームをしがちな人は少し注意が必要かもしれないですね。もともと現実逃避やストレス発散が目的になる人は、高ストレスな状況に追い込まれている傾向があるので、それが真の原因である可能性はあります。なので、このような状況になってしまった時には、ゲームに逃げるのでなく、根本の問題を解決を目指した方が良さそうですね。

まとめ

本稿では「ゲームを多くプレイする人ほど、先延ばしが多いのか?」についてお話ししました。

ポイントをまとめると

  • ゲームのプレイ時間と先延ばしの多さには、すごく弱い関係しかないので、基本的には気にしなくて良い
  • しかし、ゲームを現実逃避やストレス発散を目的にプレイしている人は、先延ばしが増えてしまう傾向があるので注意

ということですね。

若い人ほど先延ばしも多くなりがちということなので、学生はゲームに限らず、インターネットやSNSなどにもハマりすぎないように注意はした方がいいかもしれないですね。私も受験シーズンにモンハンにはまってしまったのを覚えています(笑)。

以上、本稿はここまで。

[参考文献]

*1 : laying a video game is more than mere procrastination

Naoto

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