ダイエットで一番大切なのは、糖質や脂質よりもタンパク質なのでは?という研究

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ダイエットには三大栄養素である炭水化物・脂質・タンパク質のバランスを制限するタイプのものが有名です。例えば、炭水化物を減らす糖質制限ダイエットや、脂質を減らす低脂質ダイエット、炭水化物を断ち切って脂質の燃焼モードに入れるケトジェニックダイエットなどですね。

それで、糖質制限も脂質制限のどちらがいいとかが言い合いになることもありますが、どちらもちゃんとダイエット効果があることは確認されています。そうなると気になるのがタンパク質で、実は糖質を制限した場合でも、脂質を制限した場合でも、タンパク質には制限はかからないので、両者でタンパク質の割合は向上しています。つまり、糖質制限と脂質制限の両者に共通するタンパク質の割合の向上が実はダイエットにとって重要なのでは?とも考えられるんですね。

そこで、ワシントン・スクール・オブ・メディスン大学らの研究(*1)では

  • 高タンパク質ダイエットは体重の減少や空腹感にどのように影響するのか?

を実験してくれています。本稿ではこの研究を参考に、ダイエットにおけるタンパク質の役割を理解していきましょう。

高タンパク質ダイエットの効果

この研究では、19名の参加者を集めて、高タンパク質ダイエットを実践してもらっています。実験は3つの期間に分かれていて、

  • ①通常タンパク質期間(2週間)
    タンパク質15%、脂質35%、炭水化物50%の割合で総摂取カロリーは2400kcalに調整された準備期間。
  • ②高タンパク質期間(2週間)
    タンパク質30%、脂質20%、炭水化物50%の割合で総摂取カロリーは2400kcalに調整された期間。
  • ③高タンパク質の自由食事期間(12週間)
    タンパク質30%、脂質20%、炭水化物50%の割合を維持すれば、カロリー制限は特になく、自分の好きな食事をしていい期間

となっています。

そしてダイエットの結果としては体重・体脂肪・空腹感・満腹感・レプチンの分泌量などが測定されています。レプチンとは満腹感に関係するホルモンのことですね。

結果1:体重と体脂肪率の減少

まず最初に16週間のダイエットでどれだけ体重と体脂肪が落ちたのかを見てみると、

  • 高タンパク質ダイエットで体重は平均で4.9kg落ちた
  • 高タンパク質ダイエットで体脂肪は平均で3.7kg落ちた

ということ。体重の変化をグラフで見ていると、下側の折れ線グラフのようになっています。

このグラフから分かるのは

  • 実験期間1〜2では体重の減りはほとんどなく、高タンパクで自由に食事をしていい実験期間3で体重はどんどん落ちていった

ということです。自由に食べていいとなると太ってしまいそうですが、なんと痩せているんですね。これがなぜなのかは空腹感と摂取カロリーの結果を見ることで解き明かされます。

結果:高タンパク質と空腹感

空腹感・満腹度の変化を見てみると、次のグラフのようになっています。

上の線が満腹感、下の線が空腹感になります。この結果をざっくりと説明していくと

  • ①通常タンパク質期間
    満腹感が45前後、空腹感は25前後になっている。
    (これが普通の食事の満腹感・空腹感の基準)
  • ②高タンパク質期間
    満腹度が50強に向上し、空腹感は10前後まで下がっている
    2400kcalを維持したままタンパク質の割合を増やしたので、かなりの満腹感の向上効果が得られている模様。脂肪の多いもも肉と脂肪がない胸肉で同じカロリーを食べようとすると、カロリーの少ない胸肉の方がかなりボリュームが増えるようなものですね。
  • ③高タンパク質の自由食事期間
    満腹度が45弱、空腹感が25前後に戻っている。
    これがなぜなのかというと、自由食事になって摂取カロリーが約440kcal減ったから。つまり、高タンパク質な食事は、通常自分が満足する満腹感・空腹感のレベルまで食べても、カロリーは440kcalも低く抑えられるということですね。

ということ。ちなみに、満腹感に関係するレプチンというホルモンの量も、期間③で大きく向上していたという結果も得られています。

体重の減少が期間③から減り始めたのも、おそらく期間③で摂取カロリーが大きく減ったからでしょう。逆を言えば、期間②で高タンパクなのに痩せなかったのは、これまで通りのカロリーをとっていたからだとも言えます。なので、

  • 高タンパク質な食事にすると、満腹感が向上して総摂取カロリーが減り、その結果として痩せる

というのがポイントで、普段通りの食事にタンパク質を上乗せするだけでは痩せない点に注意しましょう。

まとめ

本稿では「ダイエットにおけるタンパク質の大切さ」についてお話ししました。

ポイントをまとめると、

  • 糖質制限や脂質制限など、ダイエットでは糖質や脂質に注目されがちだが、タンパク質も重要な役割を担っている
  • 高タンパクな食事にすることで満腹感が高まり、摂取カロリーを減らすことができる

ということですね。

カロリーの高い食品を高タンパクな食品に置き換えることで、お腹は満腹にしつつつ低いカロリーに抑えることができます。例えば、脂質の多い肉を、鶏ムネ肉や赤身肉などの脂質の少ない肉に置き換えだけでも随分とカロリーは変わってくるでしょう。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1 : A high-protein diet induces sustained reductions in appetite, ad libitum caloric intake, and body weight despite compensatory changes in diurnal plasma leptin and ghrelin concentrations

Naoto

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