ロゴの色でブランドイメージはどのように変わるのか?の研究

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情熱的な赤色、クールな青色、自然を連想させる緑色、色にはそれと結びついたイメージがありますよね。

本来この色とイメージの結びつきは、「赤色は刺激的で危険だ」のような生存に必要な判断を素早くするためのもので、それゆえ幼い頃から備わっています。しかし、色のイメージは生存に必要な判断に留まらずに、人の性格の判断や、商品の購入判断など様々な場面に影響するもの。そのため、マーケティングの世界でも色は重要な要素になっていて、レストランで食欲をそそる赤系の色が多く使われているとかは有名な話ですよね。

そして、商品の色、商品のパッケージの色、お店の内装の色、店員の服装の色など、様々な色がそのブランドのイメージを作るのですが、ノーザンイリノイ大学の研究(*1)では

  • 会社のロゴの色もブランドイメージを作るのに大切なのでは?

ということに注目しています。コカコーラの赤色に対抗して、ペプシでは青色をイメージカラーにしていたりと、ロゴの色でブランドイメージを作ることは戦略的にも大切なんですね。

ロゴの色とブランドイメージ

この研究では、ロゴの色がどんなブランドイメージを作るのかを確かめるために、279人に下の図のロゴを見てもらって、どんな印象を持ったのかを答えてもらっています。

その結果として分かったことは、

  • ブランドの誠実さは、黄色・ピンク・白で高かった
  • ブランドの刺激さは、赤色・オレンジで高かった
  • ブランドの優秀さは、青色で高かった
  • ブランドの洗練さは、紫色・ピンク・黒で高かった
  • ブランドの頑丈さは、茶色で高かった

ということ。

やはり、会社のロゴの色によって、得られるブランドイメージも様々であることが分かります。なので、自分でブランドを立ち上げる機会があるときは、欲しいブランドイメージにあったロゴの色を選ぶことが大切になります。

ロゴの鮮明さとブランドイメージ

次のこの研究では色の彩度と明度の違いがブランドイメージにどのように影響するのかを調べています。

使われたロゴは下の図の通りで、左の列から順番に

  1. 彩度高い+明度低い(濃くて暗い)
  2. 彩度高い+明度高い(濃くて明るい)
  3. 彩度低い+明度高い(薄くて明るい)
  4. 彩度低い+明度低い(薄くて暗い)

となっています。

そして、結果としてブランドイメージがどう変わったのかというと

  • 誠実さは、彩度が低めで明度が高めが良かった(薄くて明るいロゴ)
  • 刺激さは、彩度が高めで明度は関係なかった(濃いロゴ)
  • 優秀さは、彩度が高めで明度が低めが良かった(濃くて暗いロゴ)
  • 洗練さは、彩度が低めで明度が高めが良かった(薄くて明るいロゴ)
  • 頑丈さは、彩度が高めで明度が低めが良かった(濃くて暗いロゴ)

ということ。

先程の赤色とか青色とかのイメージに加えて、色の濃さや明るさによってもブランドイメージを作れるわけですね。例えば、めちゃくちゃ刺激的なブランドイメージが欲しければ、赤くて濃いロゴが良いでしょう。

ロゴの有無とブランドイメージ

ノーザンイリノイ大学の実験では、そもそもロゴが無い場合と比べて、ブランドイメージはどんな風によくなるのか?という疑問に応えるために

  • ロゴなしで会社名だけ見た場合
  • ロゴがあるけど白黒の場合
  • ロゴがあって正規のカラーの場合

で実在する有名企業100社のイメージがどう変化するのかを測定しています。

その結果を見てみると、

  • 白黒でもログが付くだけで、ブランドの刺激さや優秀さのイメージが向上した
  • さらにロゴにカラーが付くと、ブランドの頑丈さのイメージも向上した。
  • ブランドの好ましさや親近感の値も、ロゴがつくことで向上し、ロゴとカラーの組み合わせではもっと向上した

ということ。

なので、ブランドイメージを向上させたい場合は、ロゴとブランドカラーの両方を作った方が良いでしょう。

まとめ

本稿では「ロゴのカラーとブランドイメージ」についてお話ししました。

ポイントをまとめると

  • ブランドはロゴやブランドカラーがあった方が、ブランドイメージが向上しやすい
  • どんな種類の色を使って、濃さや明るさをどの程度にするのかによっても、ブランドイメージは変わる
  • ブランドイメージを高めたければ、それに相応しいロゴやロゴの色にこだわろう

ということですね。

色のイメージは感覚的に判断してしまいがちですので、今回の研究のようにしっかりとデータに基づいて分析してくれたエビデンスはありがたいですね。会社のロゴに限らずに、ブログのロゴとか、SNSのアイコンとか、色が第一印象を作る場面は結構あると思います。そんなときにもこの研究は参考にして、自分のブランドカラーにこだわってみてはいかがでしょうか。

以上、本校はここまで。


[参考文献]

*1 : Exciting red and competent blue: the importance of color in marketing

Naoto

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