貯金できる人とできない人の違いは何か?どんなテクニックを使っているのか?

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運動や食生活の改善と同じように、貯金をすることも人生を変える大切な習慣の一つ。しかし、缶コーヒーなどの細かな出費が抑えて貯金しようすることは、それを我慢する意志力が必要でなかなか大変なものです。私もふらっとコンビニに寄ったときの無駄な買い物を止めようと思っても、新商品が目に入るとついつい買ってしまったりします。

そこで、本稿では

  • 貯金に成功している人と失敗している人では、やり方にどんな違いがあるのか?

ということを調べてくれたエクセター大学の研究(*1)を見てみましょう。

貯金を考える3つのポイント

エクセター大学の研究では貯金を成功させるには、次の3つのポイントが大切だと考えています。

  • 時間の範囲
    毎日缶コーヒー1本を節約しようという短期的な見方だけでなく、10年後にいくらの貯金額を目指して毎月いくら貯金するのかという長期的な視点があるか。
  • 実践方法
    どのように貯金を実践するのか。例えば、無駄な消費を減らす方法、月初にまとめて生活費をおろす方法、クレジットカードを持ち歩かない方法、自動振り込みを活用する方法などなど
  • 実践の難易度
    貯金を実践するのにどれくらいの難易度を感じていて、成功させる自信がどれだけあるのか。難易度が高すぎると心理的な壁を感じて実践力が落ちてしまう。

貯金に成功する人の特徴とは?

エクセター大学の研究は上記の3ポイントの有効性を確かめるために、オランダとベラルーシのデータをもとに、貯金を計画通りに達成した人と、計画はしたけど失敗した人の違いを分析しています。このデータは貯金に関する意識や実績を6年間にわたって取得したものとなっています。

先程の3つのポイントの順で貯金に成功する人の特徴を見てみると

  • 成功する貯金の時間範囲
    貯金計画の時間の範囲が長い人ほど、貯金に成功しやすい傾向があった。例えば、1ヶ月の貯金の計画だけの人よりも、5〜10年の貯金計画をきちんと立てている人の方が貯金の実行率が良かった。長期的に計画を考えることには、短期的な視野から抜け出して目先の誘惑に負けにくくなる効果と、将来の出費をリアルに考えることでお金の大事さが身に沁みる効果があるようです。
  • 成功する貯金の実践方法
    貯金に成功する人が使っていたテクニックは、貯金口座に自動振り込みを行うというもの。この方法の良いところは、意志力が全く必要ないので、実行に失敗する可能性がないことです。また、メンタル・アカウンティングと言って、同じお金でも貯金口座にあるお金と生活費の口座にあるお金では、心理的な捉え方が大きく変わります。なので、気軽に使ってはいけない貯金口座にお金を閉じ込めることは、無駄な引き下ろしの防止にもつながるんですね。
  • 実践の難易度は効果あるか不明
    貯金の実践の難易度やそれに対する自信はどれだけ効果があるのかよくわからなかったということ。なにしろ、半分のデータセットでは効果あり、もう半分では効果なしになっていて、白黒つけられなかったんですね。

ということで、貯金の成功率を上げるには、長期的な貯金プランを立てて、自動で貯金が実施される方法を取ることが良いみたいですね。5年間で500万貯めたいなら、毎月5万円+ボーナス20万円を自動で口座に振り込むように設定すればいいわけです。あるいは財形貯蓄みたいな給料天引きのプランに加入するのもいいでしょう。

ちなみに、失敗しやすい人の特徴として分かったのは、

  • 貯金に失敗しやすい人は、毎日の出費を我慢するなど、意志力が必要な方法を使っていた

ということ。計画を立てる段階では頑張れそうと思っても、やってみると意志力が発揮できずに失敗なんてのは、典型的な計画の失敗パターンです。意志力を使わなくて良いように、節約して浮いたお金を貯めるのではなく、先に貯金して残ったお金で頑張ってやりくりするのが良いでしょう。

まとめ

本稿では「貯金に成功する人の実践方法」についてお話ししました。

ポイントをまとめると、

  • 長期的な貯金計画を立てる方が貯金は成功しやすい(5年とか10年とか)
  • 自動振り込みなどを使って、意志力を使わずに貯金をする方法が成功しやすい
  • 逆に意志力を使って毎日の出費を減らすような方法が失敗しやすい

ということです。

私も毎月定額を貯金口座に自動振り込みする機能を1年間使ってみたことがありますが、なんの苦もなく貯金ができました。意志力が必要なことを自動化して実践するというのは、貯金以外にも使える重要な観点なのかもしれませんね。例えばルンバを使えば掃除が自動化できて、部屋が汚いストレスとはおさらばです。

以上、本稿はここまで。

[参考文献]

*1 : Filling the gap between planning and doing: Psychological factors involved in the successful implementation of saving intention

Naoto

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