行動力をつけるには、やらなかった時の後悔を予測すると良いという心理学

最終更新日

Comments: 0

”行動を起こそうという気持ち”と、”実際に行動すること”の間には大きなギャップがあります。運動を習慣にしようでも、タバコをやめようでも、決意したり目標を掲げたりするのは簡単でも、いざ実践するとなってみるとなかなか行動できないものですよね。

心理学の研究では、この思いと行動のギャップを埋める方法が調べらています。目標達成でも習慣化でも、このギャップを埋めれうことは大切なポイントになります。そして、これらの研究の中に一つのサセックス大学らの研究(*1)では

  • 行動をしなかったときの後悔を予測することで、行動力が高まるのでは?

ということを調べてくれていました。本稿ではこの研究を参考に、新しい行動の実践力の高め方について学んでいきましょう。

後悔の予測と行動力

タバコをやめたいのに吸ってしまったとか、週3回運動すると決めたのにまだ1回も運動していないとか、自分の決めた行動に失敗すると「なんて自分は意思力が弱いんだろう」と後悔が生まれます。

そんな後悔は繰り返したくないものですから、事前に「この行動をしなかったらきっと後悔するぞ」と後悔の予測すれば、それは行動をするモチベーションにもなりますよね。

サセックス大学の研究では、この後悔の予測が本当に行動力を上げるのかを実験してくれています。どんな実験かというと、

  • 運動などの健康に関する行動を決めてもらう
  • 行動を決めた時点で、行動のやる気や、行動しなかっときの後悔を測定する
  • 2週間後に実際にどれだけ行動できたのかを分析する

という流れで後悔の予測の効果を確かめています。

結果:

早速結果を見てみると、

  • より大きな後悔を予測している人ほど、やる気と行動のギャップが少ない傾向があった
  • 特に行動のやる気と後悔の予測の両方とも高い人は、相乗効果で行動力が高まっていた

ということ。つまり、後悔の予測は確かに行動力を上げてくれ、もともとの行動のやる気が大きいほどその効果も大きくなるということですね。

ちなみに、なぜ後悔の予測が行動力を上げてくれるのかをもう少し深く分析した結果も見てみると、

  • 後悔の予測をする人は、行動のやる気が長く持続しやすい傾向があり、それが行動力を高めてくれていた

ということ。最初はやる気満々で行動ができても、3日坊主で行動が続かない人も多いと思います。後悔の予測はこうしたをやる気の低下を防いで、持続的に行動していくのに役立つみたいですね。

参考:やらない後悔よりやる後悔

後悔については以前の記事「心理学に学ぶ、後悔しない生き方とは?」でもまとめています。こちらで取り上げた研究で分かっているのは、

  • 人はやったことの後悔よりも、やらなかったことの後悔の方が強く感じやすい

ということです。

面白いことに、何かまずいことをやってしまった経験は、後から振り返ってみると「それはそれでいい経験になったな〜」と学びに変わることが多いんですね。そのため、人はやらなかったことへの後悔の方が、将来引きづりやすくなっています。

このポイントを知っておけば、「やらなかったらきっと後悔するぞ」という予測が、もっと重く感じられて行動力をあげてくれるのではないでしょうか。

まとめ

本稿では「後悔の予測と行動力」についてお話ししました。

ポイントをまとめると、

  • 何かをやろうと思っても、実際には行動が伴わない大きなャップがある
  • 行動しなかったときの後悔を事前に予測することで、行動へのやる気が持続するようになり、思いと行動のギャップが少なくなる
  • 後悔の予測は行動へのやる気が大きいほど効果も高くなる

ということ。

目標を達成するには成功したときの良いイメージを思い浮かべようという話はよく聞きます。しかし、それだけでは現実味が足りないので、行動に失敗した時の後悔も一緒に考えるようにしましょう。そうすれば、行動へのやる気が持続しやすくなり、行動も続きやすくなるでしょう。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1 : Acting on intentions: The role of anticipated regret

Naoto

シェアする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

コメントする