お金に困るほど経験よりも物にお金を使いやすくなってしまうという心理学

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お金の使い道は幸福にも関係する大切なポイント。心理学の研究では、高級車やブランド物のバッグなどの「物」をたくさん買っても人は幸せになりにくいことが分かっています。それでは幸福感を向上する買い物は何かというと、それは「経験」。旅行をするとか、イベントに参加するなどの経験を買うことは、将来良い思い出となって幸福感を支えてくれるんですね。

しかし、物と経験の選択について調べた南カリフォルニア大学の研究では、

  • 金銭的に余裕を感じていない人ほど、経験よりも物を優先して買ってしまうのでは?

ということを指摘しています。これが本当だとすると、金銭的に余裕がない人ほど、不幸な買い物を多くしてしまうわけですね。本稿ではこの研究を参考に、物欲に囚われずに幸せになれる買い物をするための注意点を見ていきましょう。

物と経験の選択

南カリフォルニア大学の研究では、物と経験のどちらを買うのかを選択する7つの実験を行い、買い物の選択に金銭的な制限がどのように影響するのかを多面的に調べています。

この研究がいう金銭的な制限とは、貧困のような絶対的な貧しさではなく、「自分が望んでいる豊かな生活に対して、お金が足りないせいでどれだけ制限がかかっているか」になります。つまり、自分の理想の生活に対してどれだけお金が足りないかの問題で、理想が高い人ほど金銭的な制限も感じやすいわけですね。

この研究が金銭的な制限を感じている人ほど、経験よりも物を買いやすいと考える根拠には、物・経験の長期的な持続性があります。人は経験はすぐに無くなってしまうけど、物は持っている限り長く続くと考えてしまいがち(実際には経験は思い出になるので、経験の方が長期的に幸せにしてくれる)。なので、金銭的な制限を感じている人は、短期的な経験でお金を失うよりも、長期的な物を選びやすいだろうというわけです。

結果:お金に困るほど物を買いやすいのか?

早速、実験の結果を見てみると、

  • 金銭的な制限を感じている人ほど、買う物が経験がどれだけ好きかよりも、その物や経験がどれだけ長く続くかを気にする傾向があった
  • その結果として、金銭的な制限を感じている人ほど、経験よりも物を選びやすい傾向があった

ということ。

想定通り、お金に困るほど物を選びやすくなってしまうという結果になっています。一番幸福になれないパターンは、理想の生活が高くて金銭的な制限を感じやすいのに、その差を物を買うことで埋めようとしてしまうことなのかもしれません。まさに、お金持ちが高級な物を集めても幸せになれないがこのパターンですね。

結果2:その他のわかったこと

この研究では7つも実験をしているので、もう少し細かいことも分かっていて、

  • 金銭的な制限を感じていても、一度しか使えないような短期的な物の場合には、逆に物は選びにくくなった。つまり、金銭的に制限を感じている人は、物だから買っているのでなく、長期的に続くと感じるから買っている。
  • 実験の参加者に、意図的に自分がお金が足りない状況を思い出してもらうと、その後の買い物で物を選びやすくなった。
  • 経験も思い出になって長く続くということを教えてあげても、金銭的な制限を感じている人は物を選ぶ傾向が消えなかった

ということ。

人は金銭的な制限を感じているときは、長期的に続く物に強く惹かれてしまうようで、これは経験が将来的に良い思い出になることを知っても避けられないようです。う〜ん、なかなか難しい問題ですね。

まとめ

この研究では「人はお金に困るほど物にお金を使ってしまう」というお話をしました。

ポイントをまとめると

  • 人はお金が足りないと感じると、経験よりも物を買いやすくなってしまう
  • なぜなら、人は経験はすぐに消えるけど、物は長く続くと思い込んでいるから
  • しかし、実際には経験も思い出となって長く続くし、経験の方が将来の幸福感を向上してくれる

ということ。

「幸せを高めたいなら物よりも経験を買う」このポイントを忘れないようにして、余計な物欲に囚われないようにしましょう。

以上、本稿はここまで。

[参考文献]

*1 : Seeking Lasting Enjoyment with Limited Money: Financial Constraints Increase Preference for Material Goods Over Experiences

Naoto

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