選択は時間をかけて悩むほど満足感が低下してしまうという心理学の研究

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夕飯に何を食べるかの選択であったり、どの会社に就職するのかの選択であったりと、大なり小なり人生は選択の連続となっています。そのため心理学の研究でも、どうすれば良い選択ができるのかが調べられています。

本稿ではこうした研究の中から、

  • 大学の専攻や仕事のキャリアの選択は、時間をかけて最も良い選択肢を考え出そうとすると、逆に満足感は低下してしまうのではないか?

ということを調べてくれたニュージャージー大学の研究(*1)を見ていきたいと思います。

選択の仕方の2種類のタイプと満足感

心理学の研究では、人の選択の仕方を次の2種類の分類しています。

  • マキシマイザー
    全ての選択肢の中から最も良い選択肢を選び出そうとする人のこと。このタイプの人は全ての選択肢を吟味して、時間をかけて選択をする傾向がある。
  • サティスファイザー
    選択肢の中から、自分の決めた基準さえ満たせば、どれでもいいと考える人のこと。このタイプの人は、最初に出会った基準を満たす選択肢でいいやと考え、それ以上の選択肢を探ろうとしない傾向がある。

心理学では、この2つのタイプと選択への満足感や後悔が研究されています。普通に考えれば最も良い選択肢を考えるマキシマイザーの方が、自分がした選択に満足感を感じやすく、後悔も少ないと思えます。しかし、これが逆であることが分かっていて、人は時間をかけて選択に悩むほど、その選択への自信や満足感は低下して、後悔も大きくなってしまうというんですね。

キャリアの選択と選択のタイプ

そこで、ニュージャージー大学の研究では、

  • 大学の専攻の選択や、仕事のキャリアの選択でも、マキシマイザーは選択への満足感が低下してしまうのか?

を調査しています。

夕飯に何を食べるのか?のような小さな選択だったら、少しくらい失敗してもなんともありません。しかし、キャリアのような大きな選択では、失敗の後悔も大きくなりやすいですし、何よりも大きな選択ほど悩みやすいもの。そのため、今回の研究結果は大きな選択をするときに非常に役に立つんですね。

結果1:大学の専攻の満足感

まず最初に、126人の大学生を対象に、その人の選択のタイプと自分の専攻への満足感などを調査した結果を見てみると、

  • マキシマイザーは、不安や悩みなどのネガティブな感情を多く感じていた(0.26)
  • マキシマイザーは、自分の選んだ専攻への満足感が低かった(−0.20)
  • マキシマイザーは、選んだ専攻と自分のフィット感をあまり感じていなかった(−0.21)
  • マキシマイザーは、今の専攻を辞めたいという気持ちが強かった(0.19)
  • マキシマイザーは、自分の選択する能力への自信が低かった(−0.22)

ということ。

どの項目でもマキシマイザーは選択への満足感が低く、サティスファイザーの方が満足感は高いという結果になっています。やはり大学のような大きな選択であっても、悩めば悩むほど選択に自信が持てなくなってしまうようですね。

結果2:仕事のキャリア選択の満足感

続いて、139人の社会人を対象に、その人の選択のタイプと自分の専攻への満足感などを調査した結果を見てみると、

  • マキシマイザーは、不安や悩みなどのネガティブな感情を多く感じていた(0.33)
  • マキシマイザーは、仕事の満足感が低かった(−0.27)
  • マキシマイザーは、仕事と自分のフィット感をあまり感じていなかった(−0.24)
  • マキシマイザーは、今の仕事を辞めたいという気持ちが強かった(0.29)
  • マキシマイザーは、自分のキャリアの満足感が低かった(−0.32)

ということ。

仕事の場合でもマキシマイザーは選択への満足感が低く、サティスファイザーの方が満足感が高くなっています。数値を見ると、大学の専攻よりも仕事のキャリア選択の方がこの傾向は若干大きくなっていますね。

まとめ

本稿では「仕事や大学の選択でも、マキシマイザーは選択への満足感が低下してしまうのか?」についてお話ししました。

ポイントをまとめると

  • 選択の仕方には、最も良い選択を見つけるマキシマイザーと、一定の基準を満たせばなんでも良いサティスファイザーの2通りの人がいる
  • 大学や仕事のキャリアの選択においても、マキシマイザーほどその後の満足感は低く、サティスファイザーの方が自分の選択に満足しやすい

ということ。

仕事の選択でも大学の選択でも、真剣に選択することは大切ですが、あまり悩みすぎないように注意しましょう。将来はどうなるか分からないものですから、思い切って選択する勇気が大切なのかもしれませんね。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1 : Detrimental Relations of Maximization With Academic and Career Attitudes

Naoto

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