オンライン学習はどんな学習スタイルの人に特に効果的なのか?

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最近ではコロナの影響により、大学の講義がオンラインで行われたり、企業の研修でもe-Learningというオンラインの学習形態が増えてきています。しかし、オンラインの学習と教室に集まって授業を受ける形式のどちらがいいのかは意見が分かれるところ。なんせオンライン授業には、時間や場所の自由度が向上するというメリットがある反面で、友達や同級生とグループで学習する感覚が損なわれてしまうなどのデメリットもあるんですね。

そして、オンライン授業を好むか好まないかには、生徒一人一人の学習スタイルの好みも影響します。マンツーマンで先生に直接指導をしてもらいたいタイプの人にはオンライン授業は苦手に感じますし、元々ネットで情報を検索して学習するのが得意な人はオンライン授業はウェルカムでしょう。

そこで本稿では、

  • オンライン授業と教室の授業で成績や満足感に差は出るのか?
  • オンライン授業で成果を出す人はどんな学習スタイルの人が多いのか?

を調べてくれた研究を見てみましょう。

学習スタイルの4つのタイプ

コルブ博士の提唱する学習スタイルのモデルでは、

  • 具体的な事象を好むか、抽象的な概念を好むか
  • 直接的な経験を好むか、観察的な学びを好むか

の組み合わせで、学習スタイルを次の4に分類しています。

  • 適応型(Accommodating)
    直感に従って、とりあえずやってみて覚えるタイプ。
    直接的な経験から具体的な学びを得ることが多い。
  • 収束型(Converge)
    抽象的な概念で感えるが、直接的な経験を好むタイプ・
    理論を実践して問題解決するなど、技術的な問題に取り組むのを好む。
  • 発散型(Diverge)
    想像力豊かで様々な角度から考えることができるタイプ。
    観察を通じて具体的な事象の学びを得ることが多い。
  • 同化型(Assimilatin)
    抽象的な概念や熟考的な観察を好むタイプ。
    直接的な経験よりも観察を好み、観察から抽象的な概念や理論を学ぶ。

実験:オンライン学習はどんな学習スタイルにマッチするのか?

140人の大学生を対象にした実験では、

  • 授業にオンラインを取り入れる場合
    最初の8週間の講義を教室で行って、最終課題に挑む残りの3週間をオンラインのプラットフォームで行う。このオンラインプラットフォーム上では、課題に対する進捗共有やディスカッションなどができる
  • オンラインを取り入れない場合
    最初の8週間の講義を教室で行って、最終課題に挑む残りの3週間は顔を合わせた直接のミーティングで行う

の2つに分けて、まずオンラインと直接会う形式のどちらの方が成績や満足感が高いのかを測定しています。

さらに、参加者の学習スタイルが4つのうちのどれなのかも測定がされていて、

  • オンライン授業の恩恵を最も受けているのはどの学習スタイルの人なのか?

まで分析をしています。

結果①:オンラインと教室の違い

まず最初に、オンラインと直接会う形式の違いとしては、

  • オンラインの方が最終課題のスコアが高かった(81.37 vs 68.90)
  • オンラインの方が授業への満足感が高かった(85.13 vs 81.62)
  • オンラインの方がチームへの所属意識を強く感じていた(75.26 vs 71.17)

ということ。

3つ全てでオンラインの方が良い結果が得られています。直接会っていないのにチームの所属感まで高いのは意外です。授業は週1回の頻度ですが、オンライン上であればいつでもチームメンバーの進捗確認や情報共有ができるので、その点が有利に働いたのかもしれませんね。

結果②:オンライン学習と学習スタイル

次にオンラインで学習する場合に、4つの学習スタイルがそれぞれ最終課題のスコアにどのように関係していたのかの分析結果を見てみると、

適応型(具体的思考×直接経験で学習)9.22
収束型(抽象的思考×直接経験で学習)7.73
同化型(抽象思考×観察で学習)5.00
発散型(具体的思考×観察で学習)4.17

ということ。

適応型で直感に従って具体的な経験をどんどんしていこうというタイプの人は、オンラインになると特に成績が良くなっています。これは数学で言えば、どんどん具体的な練習問題を自分で解いて学んでいこうというタイプ。このようなタイプはオンラインで共有された情報を使って、それをどんどん自分で実践していくので、学習が速いということなのでしょう。

まとめ

本稿では「オンライン学習と学習スタイル」についてお話ししました。

ポイントをまとめると、

  • 新しく知識などを自分でどんどん実践していく適応型の学習スタイルの人は、オンライン学習になると特に成績は向上しやすい

ということ。

オンラインのe-Learningでは、ついつい講義の動画を見るなど受け身の学習になってしまいがちです。しかし、オンライン学習の効果を上げるには、適応型の学習スタイルが大切ということなので、学んだ知識を積極的に実践していくようにしましょう。


[参考文献]

*1 : Learning style, sense of community and learning effectiveness in hybrid learning environment

Naoto

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