報酬やプレッシャーによるモチベーションのコントロールは、ちゃんと学業成績の向上につながるのか?

最終更新日

Comments: 0

子供が勉強を進んで行うようにするには、勉強へのモチベーションを高めてあげることが大切です。しかし、モチベーションにはいくつかの種類があって、種類によりモチベーションの質の良し悪しがあるので、どのようにモチベーションを上げるのかが大切なポイント。

そこで、本稿ではモチベーションの分類として次の二つの種類のモチベーションに注目していきます。

  • 自発的なモチベーション
    自ら進んで勉強したいという自分の内側から発せられるモチベーション
  • コントロールされたモチベーション
    報酬のためだったり、怒られるプレッシャーだったりと、子供に勉強してもらうために外からコントロールされたモチベーション

この二つでは当然自分から進んで行う自発的なモチベーションの方が質の良いモチベーションになり、このようなモチベーションを持っている子供の方が成績も良いことが分かっています。

本稿ではさらにこの二つのモチベーションの相互作用について注目し、

  • 自発的なモチベーションが高い人に、さらに報酬などのコントロールされたモチベーションも与えたら、学業成績はもっと良くなるのか?

について調べたビルケント大学の研究を見ていきたいと思います。

モチベーションの相互作用

ビルケント大学らの研究では、3000人を超える学生のデータを用いて、

  • 自発的なモチベーションの高さ
  • コントロールされたモチベーションの高さ
  • 学業成績の高さ

の関係を分析しています。この研究には分析の仕方に工夫がされていて、

  • モチベーションと学業成績の関係を二次曲線のモデルで分析

しています。多くの研究ではモチベーションが向上した時の成績の向上を線形モデルの直線の傾きで評価していますが、この研究ではより複雑な二次曲線で二つのモチベーションの相互関係を分析してくれているんですね。

結果

早速結果を見てみると、次のグラフのようになっています。

このグラフの赤い部分が成績が高い人で、自発的なモチベーションが高くて、かつコントロールされたモチベーションが低い方向へ、成績はグングンと伸びていることが分かります。

他にもこの研究から分かったポイントをまとめると、

  • コントロールされたモチベーションには後々の成績を予測する効果はなく、成績の向上につながっていたのは自発的なモチベーションだけだった
  • 自発的モチベーションとコントロールされたモチベーションの両方を持つことは効果がなく、むしろ自発的モチベーションが高い場合にはコントロールされたモチベーションは低い方が成績が良かった
  • 自発的モチベーションのみが高い場合には、成績は二次曲線的にグングンと向上していた

ということです。

つまり、本当に成績を伸ばしたいのであれば、報酬や強制力といった質の悪いモチベーションを高めるのは逆効果で、自分から勉強が好きになるような質の良いモチベーションを育むことが大切ということですね。

まとめ

本稿では「モチベーションの種類と成績の向上」についてお話ししました。

ポイントをまとめると、

  • 成績の向上には自発的なモチベーションが何よりも大切である
  • 自発的モチベーションの成績向上は二次曲線的にグングンと伸びていく
  • 報酬や強制力といった質の悪いモチベーションは自発的なモチベーションの効果を阻害してしまう

ということ。

自発的なモチベーションを高めるには、子供が自身で勉強をコントロールしている感覚を持つことが大切だと言われています。あれやれこれやれと外から子供をコントロールしようとせずに、目標や勉強の進め方を子供自身に決めさせてあげて、途中でつまずかないようにサポートしてあげると良いでしょう。

以上、本稿はここまで。

[参考文献]

*1 : It is autonomous, not controlled motivation that counts: Linear and curvilinear relations of autonomous and controlled motivation to school grades

Naoto

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

コメントする