仕事の退屈を減らすには、仕事にどんな特徴を与えればいいのか?

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なかなか結論が決まらない会議や、やる意味を感じない無駄な作業などで、仕事に退屈感を感じてしまうこともあるでしょう。本稿ではこの仕事の退屈感について見ていくのですが、まず仕事の満足感や働きがいとは少しニュアンスが異なっています。満足感や働きがいは急激に変わりづらい反面で、仕事の退屈感はその日にやる仕事の内容で変わったり、同じ仕事でも長時間やっていると飽きて退屈になったりと、日々の変動が大きいんですね。

そこで本稿では、

  • 仕事の退屈感はどんな仕事で高まりやすいのか?
  • 仕事で感じた退屈感は次の日に悪い影響を及ぼしてしまうのか?

を調べてくれたラドバウド大学の研究(*1)を見ていきましょう。

退屈な仕事を分析するための二つの理論

ラドバウド大学の研究では、退屈な仕事の特徴とそのメカニズムを調べるために、職務特性モデルと自己決定論という二つのモチベーションに関する理論を切り口に分析を行っています。

職務特性モデル

職務特性モデルとは、仕事の特徴によってモチベーションや退屈感が変わるというもので、

  • 仕事で必要なスキルの多様性
    種類の異なる様々なスキルが必要とされる仕事である
  • 仕事の重要性
    チームの他の人や組織の外の人への影響度の大きい仕事である
  • 仕事の同一性
    一つの仕事を初めから終わりまで担当することができる
  • 仕事での自律
    スケジュールや仕事の進め方などを自分で自由にコントロールできる
  • フィードバック
    自分の成果について明確なフィードバックが得られる

の五つがモチベーションに関係する仕事の特徴として取り上げられています。

自己決定論

自己決定論とは、内発的モチベーションや外発的モチベーションに関する理論で、

  • 内発的モチベーション
    仕事が好きだという心の内側からくるモチベーション
  • 同一化的モチベーション
    好きというほどでもないけど、自分にとって必要なことだと感じられるからやるモチベーション
  • 取り入れ的モチベーション
    やらなければ恥ずかしいなど、義務感を感じるからやるモチベーション
  • 外発的モチベーション
    給料や昇格のためなど心の外にあるものからくるモチベーション

と、モチベーションを4段階に分けるものです。上のモチベーションほど内発的動機付けに近い良いモチベーションとなっています。

どんな仕事が退屈なのか?

ラドバウド大学の研究では上記の二つの理論の切り口から、115人を対象にした仕事の退屈感の測定と、90人を対象にした5日間連続での仕事の退屈感の変化の測定を行っています。

これらのデータの分析から分かったポイントとしては、

  • 仕事の自律により内発的モチベーションが向上していた(.22)
  • 仕事の同一性により内発的モチベーションが向上していた(.22)
  • スキルの多様性により内発的モチベーションが向上していた(.30)
  • 仕事の重要性とフィードバックは特に内発的モチベーションを向上してくれなかった

さらには、

  • 外発的モチベーション、取り入れ的モチベーション、同一化的モチベーションは仕事の退屈感を減らしてくれなかった
  • 唯一、内発的モチベーションだけが仕事の退屈感を減らしていた(−.27)

ということ。

つまり、仕事の自律・同一性・スキル多様性を向上すれば、仕事への内発的モチベーションが高まって退屈感も薄れるということ。報酬のためといった外発的モチベーションでは、いくらモチベーションを上げて頑張っても退屈感は減らないようです。やはり、退屈感を減らすには、その仕事が楽しいと心の内側から思えることが大切なわけですね。

退屈感は次の日に影響するのか?

次に、退屈感の変化を5日間にわたって測定した結果を見てみると、

  • 仕事の退屈感は、翌日の仕事が始まる前の気分をネガティブにしていた(−.15)
  • 仕事前の気分がネガティブになると、内発的モチベーションが低下していた(−.27)
  • 内発的モチベーションが低下すると、仕事の退屈感が向上してしまった(.47)

ということ。

退屈感は日々変動しやすいようですが、仕事の退屈感は翌日の退屈感を若干高めてしまう傾向もあるということ。ヘタをすると退屈感が日に日に強まっていってしまうような、負のスパイラルもありうるので注意が必要なようです。これを防ぐためには、新しいスキルが必要な仕事を挟むなど、スキルの多様性・自律・同一性の三つの観点から対策をすると良いでしょう。

まとめ

本稿では「仕事の退屈感」についてお話ししました。

ポイントをまとめると

  • 仕事の退屈感を減らすには、スキルの多様性・自律・仕事の同一性を高めることが大切
  • 仕事の退屈感は、翌日の退屈感や内発的モチベーションの低下にもつながってしまうので注意

ということ。

例えば、流れてくる部品にただネジを締める仕事だと、同じスキルしか使わない、作業マニュアル通りで自律感もない、切り取られた一部分の仕事しかできないの3拍子でとても退屈に感じることでしょう。新しいスキルを開発して自分で問題解決に創意工夫することが退屈感を減らす1番のポイントということですね。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1 : Boredom at work: towards a dynamic spillover model of need satisfaction, work motivation, and work-related boredom

Naoto

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