ネガティブな感情は過去へのマインドワンダリングを増やしてしまうという研究
車を運転しているときや、本を読んでいるときなどに、頭の中で全く別のことが浮かんできて集中力が奪われてしまうことがあります。これはマインドワンダリングと言って、まさに思考がふらふらとさまよってしまっている状態のことを言います。
マインドワンダリングは本来の活動のパフォーマンスを低下させてしまいますし、マインドワンダリングが幸福感をも低下させてしまうという研究結果もあったりします。そのため、本来の活動に集中して幸福感を高めていくためにも、マインドワンダリングを減らしていきたいものです。
そこで本稿では、このマインドワンダリングについて
- 人はどんなときにマインドワンダリングが増えてしまいやすいのか?
を感情面から切り開いてくれたカリフォルニア大学らの研究(*1)を見ていきましょう。
マインドワンダリングが起きやすい感情
カリフォルニア大学の研究では、どんな感情の時にマインドワンダリングが起きやすいのかを調べるために、
- ポジティブ感情
- ネガティブ感情
- ニュートラル
の三つの感情グループを作って、タスクを行っている間にどれだけマインドワンダリングが起きるのかを測定しています、
感情の作り方として2通りの実験を行っていて、
- 感情を引き起こす映像を見る方法
- 感情を引き起こす文章を読む方法
のパターンが行われています。
さらにマインドワンダリングの種類としても
- 今朝のことを思うマインドワンダリング
- 遠い過去のことを思うマインドワンダリング
- 近い過去のことを思うマインドワンダリング
- 将来のことを思うマインドワンダリング
と時間区分でマインドワンダリングの種類を分割して測定しています。
結果:
早速結果を見てみると、
- ポジティブな感情では特にマインドワンダリングは増えていなかった
- ネガティブな感情では過去に関するマインドワンダリングが有意に増えていた
(ちなみに、近い過去よりも遠い過去のマインドワンダリングの方が多かった)
ということ。
ネガティブな気分の時には昔を回顧するようなマインドワンダリングが増えてしまうようですね。もちろんですが、ネガティブな気分でマインドワンダリングが増えてしまった人は、タスクのパフォーマンスも低下してしまったという結果も出ています。なので、ネガティブな気分になってしまった時にはマインドワンダリングに注意して、気分転換するなどの対策をすると良いでしょう。
まとめ
本稿では「ポジティブ感情・ネガティブ感情とマインドワンダリング」についてお話ししました。
ポイントをまとめると
- 人はポジティブな感情の時はマインドワンダリングは特に増えない
- 人はネガティブな感情の時に昔を思うマインドワンダリングが増えてしまう
ということ。
マインドワンダリングの対策としては、やっぱり瞑想とかが良いでしょう。瞑想はネガティブな感情の対策にも、マインドワンダリングの対策にもなるので、一石二鳥で役に立つと思います。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]
*1 : Imprisoned by the past: Unhappy moods lead to a retrospective bias to mind wandering