知的謙遜が知識の習得につながるのはなぜかに関する研究

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知的謙遜とは、自分が知識の限界を把握していて、まだまだ知らない知識があることを認識できること。知的謙遜が高い人は、自分の意見は絶対に正しいと確信することがなく、もしかしたら自分の知識は間違っていて、もっと良い意見があるかもしれないと考えることができるんですね。

そして、知的謙遜で自分の知識の限界を知ることは、新しい知識をどんどん吸収していくことにつながるので、変化の激しい今の時代にとって最も大切な資質の一つとして挙げられます。知的謙遜はGoogleが採用で最も重視する資質としても知られていますよね。

そこで本稿では、この知的謙遜について、

  • 知的謙遜が高い人は、どうして新しい知識をどんどん取り入れていくことができるのか?

について調べてくれたペパーダイン大学らの研究を見ていきましょう。

知的謙遜と知識の習得

ペパーダイン大学の研究では、知的謙遜が高い人にはどのような特徴があるのかを合計1189人を対象に調べています。

この研究では

  • 知的謙遜が高い人ほど、知識が多いのか?
  • 知的謙遜が高い人ほど、自分の知識レベルを正確に認識できているのか?
  • 知的謙遜が高い人は、どんな考え方や目的意識の持ち方をしているのか?

といったことを分析しています。

結果1:知的謙遜と知識・認知能力

まず最初に知的謙遜と知識レベルに関する結果を見てみると、

  • 知的謙遜が高い人ほど、一般的な知識が多い傾向があった
  • 知的謙遜の高さは、認知能力とは関係がなかった
  • 知的謙遜が高い人ほど、学業成績(GPA)は少し低い傾向があった

ということ。

やはり知的謙遜が高い人は知識の量も多いようです。しかし、今まで溜め込んだ知識が多いことは確かですが、脳の認知能力そのものは他に人と変わらないみたいです。また、知的謙遜が高い人ほど学業成績(GPA)は少し低くなるという想定とは違う結果が得られています。しかし、これには成績が良ければ自分の知識に自信を持ちやすくなるというバイアスも考えられるので、単純に知的謙遜がGPAを下げてしまっているとは言い切れないということです。

結果2:知的謙遜とメタ認知

次に知的謙遜が高い人が自分の知識レベルをどう認知しているのかの結果を見てみると、

  • 知的謙遜が高い人ほど、自分の知能テストの結果を正確に予測していた
  • 知的謙遜が高い人ほど、自分の問題解決能力の高さを正確に予測していた

ということ。つまり、知的謙遜が高い人は、自分の能力を過大評価することが少なく、より正確に自分の知識レベルを把握しているということですね。

しかし、この点について注意点も一つわかっていて

  • 知的謙遜が高い人は、自分の能力を過小評価してしまう傾向もあった

ということ。なので、知的謙遜のしすぎは、自分を過小評価して自信を失ってしまったりとか、ネガティブな結果につながってしまうこともあり得るので注意しましょう。

結果3:知的謙遜と考え方や目標の持ち方

最後に知的謙遜が高い人の考え方や目標も持ち方の結果を見てみると、

  • 知的謙遜が高い人ほど、より頭を使うタスクを好んでいた(8.2%)
  • 知的謙遜が高い人ほど、議論や複雑な問題、抽象的な考えにより強い関心を持っていた(8.7%)
  • 知的謙遜が高い人ほど、好奇心が強くて新しい情報を探していた(4.8%)
  • 知的謙遜が高い人ほど、新しいトピックや新しい経験にオープンだった(15.7%)
  • 知的謙遜が高い人ほど、自分と違う考えにオープンだった(30%)
  • 知的謙遜が高い人ほど、良い成績を取るよりも、知識を習得することを目標にしていた(7.3%)

ということ。

ずらっと結果を並べてみましたが、知的謙遜が高い人が、頭を使うタイプの仕事により有益な考え方をしていることがよく分かりますね。

まとめ

本稿では「知的謙遜と新しい知識の習得」についてお話ししました。

ポイントをまとめると

  • 知的謙遜が高い人ほど、認知能力が高いわけではないが、一般的な知識レベルは高い
  • 知的謙遜が高い人ほど、自分の知識や能力のレベルを過大評価せずに正確に把握している
    (ただし、過小評価につながってしまうこともあるので注意)
  • 知的謙遜が高い人ほど、困難な問題や新しい知識、自分と違う考えを好んでいて求める傾向がある

ということ。

「簡単なタスクをこなす人ほど、自分の能力に自信過剰になりやすい」という研究結果もあります。知的謙遜を高めるには、より困難な課題に挑戦したり、自分よりもっとすごい人のレベルを知るようにしましょう。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1 : Links between intellectual humility and acquiring knowledge

Naoto

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