プチ断食で腸内環境も改善されるのか?を分析した研究

プチ断食とは、カロリーのあるものを食べてはいけない断食時間を作るダイエット方法のこと。
- 1日のうち8時間は食べていい時間で、残りの16時間は断食する
(朝7時に朝食を食べたら、3時までは食べて良い) - ほとんどカロリーを摂取しない日と好きに食べて良い日を交互にする
とかが有名な方法ですね。
それでプチ断食には様々な良い効果が確認されていて、
- 体重が減る
- インスリン抵抗性が下がる
- 心臓代謝性疾患のリスクが減る
など、体重が減るだけでなく、それ以上に健康も促進してくれることが分かっているんですね。
そこで本稿では、プチ断食が健康を促進する効果として
- プチ断食をすると腸内環境が改善されて、それが健康を向上しているのは?
ということを調べてくれた研究を見ていきましょう。
プチ断食と健康効果
プチ断食は食べる時間を制限するので、摂取カロリーの低下につながります。しかし、プチ断食のすごいところは、摂取するカロリー量を同じにした場合でも、1日3食満遍なく食べるより、時間を制限して食べる方が健康効果が高いということです。つまり、プチ断食はカロリー制限以上の健康効果を生み出しているんですね。
それでは、なぜプチ断食がカロリー制限よりも効果が高いのか?はまだ詳しく分かっていないようですが、三つの説が考えられているようです。
- サーカディアン・リズム説
夜中に食べると眠りにくくなるように、一日中何かを食べると体内時計にリズムが狂ってしまう。プチ断食で食べる時間を制限すると、体内の1日の活動リズムを整えることができて健康になるという説 - ライフスタイル説
食べる時間を制限すると、その人のライフスタイルが変化する。例えば、夜遅くまでお酒を飲むことが減るなど。そうしたライフスタイルの変化が健康を促進しているという説 - 腸内環境説
プチ断食を行うと腸内環境が改善されて、それが健康を促進するという説
今回見ていく研究では三つ目の腸内環境説に注目していて、本当に断食で腸内環境が改善するのかを測定しています。この研究ではラマダンに参加する27名の腸内環境の変化を分析したんですね。ラマダンとはイスラム教の断食期間のことで、1ヶ月間だけ日の出から日の入りまでの約16時間は何も食べてはいけないという決まりになっています。この研究では
- ラマダンの開始前
- ラマダンの途中の15日目
- ラマダンの最終日の30日目
- ラマダンが終了してから30日後
の四つのポイントで腸内環境の変化を追っています。
結果:断食と腸内環境の変化
早速分析の結果を見てみると、
- 断食に参加していない人の腸内環境に変化はなかったが、断食に参加した人は確かに腸内環境が改善していた
- 断食に参加した人は、体重も3.45%ほど落ちていた
ということ。
具体的に腸内環境がどのように変わったのかというと、
- 断食に参加した人は、腸内細菌の多様性が向上していた
- 特にラクノスピラ科の細菌とルミノコッカス科の細菌が断食後には増えていた
となっています。腸内細菌は多様性が高まるほど健康に良いことが知られているので、断食により腸内細菌が改善していると言えるわけですね。
ただし、1点だけ注意が必要で、
- 改善した腸内環境は、断食をやめて1ヶ月後には元に戻ってしまっていた
ということ。
なので、断食の健康効果を得るためには、断食を続けていくことが必要なのかもしれません。
まとめ
本稿では「断食で腸内環境が改善するのか?」についてお話ししました。
ポイントをまとめると
- 断食をすると腸内細菌の多様性が向上して、腸内環境が改善する
- ただし、断食をやめると腸内環境も元に戻ってしまうので、継続する必要がある
ということ。
プチ断食は1日3食を1日2食にするだけでも簡単に実践ができるおすすめのダイエット方法です。最初は空腹感をつらく感じるかもしれませんが、慣れれば1日2食も当たり前のようになるので、プチ断食を習慣として試してみてはいかがでしょうか。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]
*1 : Remodeling of the gut microbiome during Ramadan-associated intermittent fasting