リモートワークの4つの問題点と、リモートワークを改善する4つの注意点の研究

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コロナの影響もあり世界的にリモートワークの導入が進んでいます。最近ではオフィスを持たない企業もあり、自宅からリモートで働いている人も増えています。今後の働き方としてリモートワークは欠かせないものになっていくことでしょう。

しかし、リモートワークを実践するにつれて、会社へ通勤する時間がなくて良いといったありがたい点もあれば、コミュニケーションが薄れて孤独感が増してしまうなどの問題点もあることが分かってきています。

そこで本稿では

  • リモートワークを実践する人が感じている4つの問題点と、リモートワークをより良いものにする4つのポイント

について調べてくれた研究を見てみましょう。

リモートワークの4つの利点と問題点とは?

リモートワークの4つの問題点

まず最初にリモートワークの4つの問題点を見てみると、次のようになっています。

  • 仕事と家庭の干渉
    在宅で仕事をしていると、仕事中に家族に話しかけられて仕事の邪魔をされることがある。また、仕事と家庭の区切りが曖昧になって、家庭の時間に仕事が食い込んでしまうこともある。このように、仕事と家庭の時間がお互いに干渉して、仕事のパフォーマンスを低下してしまう
  • コミュニケーションの低下
    リモートで働いていると、職場の人とコミュニケーションを取る機会が減ってしまう。そのためチームの情報共有が減ってしまったり、チームワークが低下したりといった悪影響が出てしまうことがある。
  • 先延ばし
    リモートワークで働くと、だらしない人は自分の仕事を先延ばしにしてしまうことが増える。近くに上司の目がなかったり、仲間とのチームワークが薄れることから、自分を甘やかしてしまうことが増えてしまうわけですね。
  • 孤独感
    リモートで働くと周りに同僚が一人もいないので孤独感がどうしても高まってしまう。ウェブ上でコミュニケーションを増やすことも有効だが、やはり実際に会うのに比べてしまうと孤独感は感じやすくなってしまう。

以上がリモートワークの実践者が感じている4つの大きな問題点ということ。コミュニケーションの問題や仕事への集中の問題など、やはり在宅では仕事にとって不利な面もあるということですね。

リモートワークで欠かせない4つのポイント

続いてリモートワークをより良い働き方にするために欠かせないポイントとして、以下の4つが挙げられています。

  • ソーシャル・サポート
    困っているときに相談できる相手がいたり、仕事を助けてくれるチームメンバーの安心感があったりと、仕事をサポートしてくれる体制は、コミュニケーションの薄れやすいリモートワークでは特に重要になってくる。
  • 仕事の自律
    仕事を指示通りにやらせるのでなく、自分で考えて自分で行動すること。特にリモートワークでは一人での作業が多くなるので、自分で仕事の進め方を決めたり、自分からチームに情報を共有したりと、自分から積極的に仕事に取り組む姿勢が大切になる。
  • モニタリング
    部下がちゃんと仕事をしてるのかモニタリングをすること。モニタリングが少な過ぎると仕事をサボる人が出てきてしまうし、逆に過度にモニタリングをし過ぎると、監視されている感が出て自律感が低下してしまう。なので、適度なモニタリングを行うことが大切
  • 仕事の負荷
    仕事の負荷がちょっとした挑戦レベルのちょうど良いものなら、仕事へのモチベーションも高まる。仕事の負荷が軽過ぎるとダラダラと先延ばしが増えてしまうし、仕事の負荷が重過ぎるとストレスになってしまうので、リモートワークでも仕事の負荷の調整は大切。

4つ問題点と4つのポイントはどう影響しているのか?

続いて、上記で述べた4つの問題点と4つのポイントが、どのように仕事のパフォーマンスや疲労感などに関わっているのかを分析したデータを見てみると、

  • リモートワークで4つの問題点が多いほど、仕事のパフォーマンスは低下し、疲労感が増し、人生の満足感も低下した
  • リモートワークで4つのポイントが多いほど、仕事のパフォーマンスが向上し、疲労感は軽減し、人生の満足感も向上した
    (特にソーシャルサポートと仕事の自律の影響が強かった)

ということ。

もう少し細かい実用的な分析結果も見てみると、

  • 自制心の低い人は、ソーシャルサポートが充実していると先延ばしが減った
  • 仕事の負荷が重めの方が、先延ばしは減った
  • モニタリングが多いほど、モニタリングされた人の幸福感は低下してしまった
    (しかも、先延ばしは減らなかった)
  • 仕事の自律が高まると、孤独感も減るという意外な関係もあった

ということ。

リモートワークでは、ソーシャルサポートを充実させることと、あまり深くモニタリングせずにその人の主体性に任せるという2点が特に重要みたいですね。

まとめ

本稿では「リモートワークの4つの問題点と4つの欠かせないポイント」についてお話ししました。

ポイントをまとめると、

  • リモートワークには、仕事と家庭の干渉、コミュニケーションの低下、仕事の先延ばし、孤独感の4つの問題点があり、これらは仕事のパフォーマンスの低下や疲労感の増加、幸福感の低下につながってしまう
  • リモートワークに欠かせないポイントとして、ソーシャルサポート、自律、モニタリング、仕事の負荷の4つがあり、これらをうまく調整すれば、仕事のパフォーマンスの向上、疲労感の軽減、幸福感の向上が得られる

ということ。

これらの8つの点に注意してリモートワークをより良い働き方に改善していきましょう。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1 : Achieving Effective Remote Working During the COVID-19 Pandemic: A Work Design Perspective

Naoto

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