ゲームは幸福感にとってプラスなのかマイナスなのか?
テレビを見る時間が長いほど幸福感が低下してしまったり、特定のSNSの使う頻度が多い人ほど幸福感が低かったりと、最近になって出てきたデジタルツールは幸福感に悪いことがあります。
テレビやスマホに並ぶデジタルツールといればゲーム。家庭用のコンシューマーゲームからスマホアプリまで、最近ではゲームをプレイしたことのない子の方が珍しいでしょう。
そこで本稿では
- ゲームは幸福感を向上してくれるのか?
について調べてくれた研究を見ていきましょう。
ゲームと幸福感
この研究では、ゲームのプレイ時間と幸福感の関係を次の2種類のゲームを使って測定しています。
- プラント vs ゾンビ
- どうぶつの森
一つ目のプラントvsゾンビは、キノコやひまわりなどの植物を模したキャラクターを使って、襲いかかってくるゾンビを倒すアクションゲーム。どうぶつの森は任天堂から発売されているゲームで、さまざまな動物と一緒の村に住む、ほのぼの生活ゲームですね。
それでこの研究ではゲームのプレイ時間を測定するのに、ログインやログアウトの時間を活用した客観的な測定方法を採用しています。ゲームのプレイ時間やテレビの試聴時間は、本人に聞いても正確に答えられる人が少なく、誤差が含まれてしまうため、ゲームシステムを活用してより正確なプレイ時間を算出しています。
そして幸福感の指標としては、
- 有能感を感じたか?
- 自由だと感じたか?
- 人間関係が充実していることを感じたか?
などが測定され、加えて
- ゲームを楽しむためにプレイしたか?
- ゲームを現実逃避としてプレイしたか?
も測定されています。
結果:
早速結果を見てみると、
- ゲームのプレイ時間は幸福感にとってプラスだった
- 10時間プレイ時間が増えるごとに、幸福感は標準偏差の0.02〜0.18ほど向上していた
ということ。
面白いことにテレビやSnsと違って、ゲームは幸福感にとってプラスとなっています。ゲームはアクティブにプレイするもので、テレビのように完全な受け身にはならないので、幸福感への影響も違っているのかもしれませんね。
しかし、効果の大きさとしては標準偏差の0.02〜0.18で小さめの値となっています。例えば、標準偏差の0.5の幸福感の向上効果を得たければ、必要なゲームのプレイ時間は約80時間と膨大な時間がかかってしまうようです。なのでゲームは幸福感にとってマイナスにはならないけど、幸福感を向上させる方法としてはコスパは悪いと覚えておきましょう。
まとめ
本稿では「ゲームは幸福感を向上するのか?」についてお話ししました。
ポイントをまとめると、
- ゲームは幸福感にとってプラスである
- しかし、その効果は10時間で標準偏差の0.02〜−0.18で小さいもの
ということ。
ゲームをやり過ぎてマイナスになるという結果も今回の研究からは得られていませんが、いかんせん幸福感にとってコスパは悪いです。なので、やりたいゲームがあればやるのは全然良いことですが、ゲームばかりやって他の楽しみの機会を失ってしまうことには注意した方が良いかもしれませんね。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]
*1 : Video game play is positively correlated with well-being