【勉強のやる気を保つ】メタ認知・興味・自制心のどれが勉強のエンゲージメントを上げるのか?の研究

最終更新日

Comments: 0

勉強のやる気は最初にガッと高まっても、なかなか維持することが難しいものです。友達の誘いや、ゲーム、YouTubeだったりと、勉強をやりたくなくなる誘惑は数えきれませんよね。

そのため、勉強をコツコツと続けていくためには、勉強への”興味”を高めたり、誘惑に打ち勝つ”自制心”を身につけることが大切になります。そして、心理学の研究では勉強うまい人の特徴として、”メタ認知”が上手いことも分かっています。

そこで本稿では、

  • メタ認知・興味・自制心の3つはどのように勉強のやる気につながっているのか?

を分析してくれたピッツバーグ大学らの研究を見てましょう。

研究:数学のやる気を4年間維持できる子はどんな子か?

ピッツバーグ大学らの研究では、11歳〜15歳の学生2,325人を対象に、数学のやる気がどのように変わっていくのかを測定しています。測定の期間としては、

  • 1年間隔の測定で4年間
  • 毎日の測定で3週間(こちらは207名に絞って実施)

となっていて、長期的な変化と日々の短期的な変化の両方を捉えています。

そして、この研究では、数学のやる気に影響する生徒の特徴として次の3つの測定も行なっています。

  • メタ認知
    客観的に自分の能力を把握しながら、自分に必要な勉強を計画的に進める能力のこと。
    例えば、測定のポイントとしては次のようなもの。
    ・自分が間違ったところを、きちんと振り返って理解しているか?
    ・わからない点を先生に質問しているか?
    ・前回の授業で習ったことを、次の授業で活かしているか?
  • 興味
    数学に対して興味を持っているかどうか。
    測定のポイントとしては
    ・数学の授業中は気分が良いか?
    ・数学の授業で新しいことを学ぶのが楽しいか?
    ・数学の授業を楽しみにしているか?
    といったこと
  • 自制心
    誘惑に負けずに数学の勉強に集中する能力のこと。
    測定のポイントとしては、
    ・数学の授業中に気が散ってしまうことがあるか?
    ・授業の内容がつまらなくても、授業に意識を向け続けることができるか?
    ・数学の課題がつまらなくても、最後まで完了させることができるか?
    といったこと。

最後に、数学のやる気として測定されたのは

  • 数学のエンゲージメント
    数学の授業に対して、心理的にやる気があって、具体的に行動を取り組む意欲があること。
    ・数学の授業に集中できる
    ・数学の授業に対して努力をできる
    ・内容が難しくてもトライし続けることができる
    など

となっています。

結果:メタ認知・興味・自制心でエンゲージメントは維持できるのか?

早速結果を見てみると、まず最初にざっくりと生徒全体の傾向を見てみると、

  • 数学のエンゲージメントは、高学年になるにつれてどんどんと低下してしまっている傾向があった

ということ。数学の授業は年々難しくなるものですから、段々と数学のやる気も落ちてしまうのが普通みたいですね。

それでは、この傾向に対して3つの測定ポイントがどのように影響したのかというと、

  • メタ認知・興味・自制心は、それぞれ数学のエンゲージメントにプラスの効果があった
    (メタ認知で.44、興味で.19、自制心で.05)

ということ。

なんと、メタ認知・興味・自制心はそれぞれ数学のエンゲージメントを高めてくれるようです。特にメタ認知は一番効果も大きいようなので、自分の数学の能力をきちんと把握して、わからない点をきちんと調べるたり質問することが大切なのかもしれませんね。

結果2:メタ認知・興味・自制心の相互作用

さらに、メタ認知・興味・自制心の3要素の相互作用の分析結果を見てみると、

  • メタ認知が高い人ほど、自制心が数学のエンゲージメントを高めるのに役に立っていた
    (メタ認知が低いと、自制心が高くてもあまり意味がなかった)
  • メタ認知が低い人では、興味の高さがそれを補って数学のエンゲージメントを高めてくれていた
    (メタ認知が高ければ、興味はそれほど必要なかった)

となっています。

つまり、数学のエンゲージメントの結論としては

  • メタ認知と興味のどちらか一方でも高ければ、数学のエンゲージメントは低下しなかった
  • ということなんですね。

    メタ認知を勉強で活かすには?

    数学にいまいち興味が持てないという人は、メタ認知の方を高めるのが得策でしょう。

    それでは、具体的にどんなことができるのかというと、

    • 授業の振り返りを行なって、何が分かって、何が分からなかったのかを区別するようにする
    • 授業でわからない点や練習問題で間違った点は、質問したり調べたりして埋め合わせる
    • 模試を受けて自分に足りない部分を洗い出すなど、フィードバックをうまく取り入れる
    • 今の自分の能力と目標のギャップを埋めるような勉強の計画を立てる
    • 計画に対して実績を記録して、進捗している実感を感じられるようにする

    などを実践すると良いのではないでしょうか。

    まとめ

    本稿では「メタ認知・興味・自制心で勉強のやる気は維持できるのか?」についてお話ししました。

    ポイントをまとめると、

    • 勉強のやる気はだんだんと低下していってしまうものだが、メタ認知と興味のどちらか一方でも高ければ、やる気は高いままを維持できる
    • 特にメタ認知の効果が大きいので、勉強のやる気を維持したければメタ認知を身につけるのが良い

    ということ。

    ダイエットでも、自分の体重が減っているのが目に見えて、だんだんと目標に近づいていることが分かればやる気が出ますよね。まさにこれがメタ認知で、勉強であっても、今の自分と目標とのギャップが見えて、そのギャップに対して日々成長している実感を得られると、エンゲージメントを高く保てるのでしょう。

    以上、本稿はここまで。


    [参考文献]

    *1 : Skill, Thrill, and Will: The Role of Metacognition, Interest, and Self-Control in Predicting Student Engagement in Mathematics Learning Over Time

    Naoto

    シェアする

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

    コメントする