貧乏なのに幸福感がやたら高い国は何が違うのか?の研究

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お金が増えるほど幸せになれると思う人は多いですが、心理学の研究ではお金はある一定以上になると幸福感がほとんど上がらなくなってしまうことが分かっています。これを地域の豊かさ別のグラフで見てみると次の通り。

このグラフは、縦軸が幸福感、横軸が国の豊かさ(人口あたりのGDP)となっています。赤い曲線を見ればわかるように、最初は豊かさとともに幸福感がぐっと向上していますが、40,000ドルを超えると上がり幅がほとんどなくなってしまっています。

しかし、よく見てみると左端の最も貧困な国であっても、幸福感がやたら高い地域があります。

  • Gizo(ソロモン諸島の島の一つ)
  • Roviana(ソロモン諸島の地域の一つ)
  • Nijhum Dwip(バングラデシュの小さな島)
  • Chittagong(バングラデシュの沿岸の都市)

の4つの地域は貧困な国の中でも飛び抜けて幸福感が高いですよね。

そこで、本稿では、

  • 貧困なのに幸福感が高い4つの地域の人は、何に幸福を感じているのか?

を調べてくれた研究を見ていきましょう。

お金がなくても幸せな人たち

スペインのバルセロナ自治大学らの研究では、上記の4つの地域に住む657人を対象に、

  • 幸福感やライフスタイルに関する決まった質問のインタビュー
  • その時々の瞬間的な感情を調べるための電話インタビュー
  • どんなことの幸せを感じるかをリストアップする自由記述アンケート

の3つの調査を行っています。

結果1:4つの地域で特に幸福感が高い場所の特徴とは?

まず最初に4つの地域を比較して、特に幸福感が高い国に見られた特徴として、

  • 貨幣化が進んでいない地域ほど、幸福感が高かった
  • ポジティブ感情とネガティブ感情の比率と、瞬間的な感情面も、貨幣化が進んでいない地域の方が高かった

ということ。

面白いことに、貨幣がまだあまり普及していない地域の方が、ポジティブな感情や幸福感が高いという結果になっています。こうした地域では、周囲と人との助け合ったり、その日の日常生活に必要な以上の仕事はしないなど、特有のライフスタイルがあるのかもしれませんね。

結果2:何に幸福感を感じているのか?

続いて、4地域の人が何に幸福感を感じているかのインタビュー結果を見てみると、次のようなグラフが得られています。

このグラフは、青が家族や友人などの社会交流での幸せ、赤色が自然との触れ合いや楽しい活動などによる幸せ、黄色が収入などの金銭面の幸せとなっています。

このグラフを見てわかるのは、

  • 特に幸福感が高かったGizo/Roviana(上2つの円グラフ)では、金銭的幸せに比率がかなり低く、社会的な幸せと活動的な幸せの両方が大きな割合を占めている
  • 若干幸福感が低いNijhum Dwip/Chittagong(下2つの円グラフ)では、金銭的幸せの比率が少し上がっているが、社会的な幸せが大きな割合を占めている。

ということ。

つまり、これらの地域での幸せの源泉は、自然を触れ合うなどの豊かな活動性と、家族やご近所さんとの良い人間関係であって、お金は必要はないということですね。

まとめ

本稿では「貧乏なのに幸せな地域は何が違うのか?」についてお話ししました。

ポイントをまとめると、

  • 貧乏だけどやたら幸福感が高い地域では、金銭的な幸福がかなり低く、活動から得られる幸福と、人間関係から得られる幸福の2つが高かった

ということ。

これらの地域を参考にすると、お金のために長時間働くのは幸福感にとってあまり良いことではないのかもしれませんね。冒頭のグラフにあるように、先進国ではこれ以上金銭的に豊かになっても、幸福感の向上は少ししか期待できません。これからはもっと自分がやりたい活動を進める時間を増やしたり、家族や友人との交流を大切にするようなライフスタイルが必要になるのでしょう。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1 : Happy without money: Minimally monetized societies can exhibit high subjective well- being

Naoto

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