感謝の気持ちを書くとネガティブ感情をうまく抑制できるという研究
人は感謝されると嬉しいものですが、実は自分から感謝することも大切だと言われています。「人の悪い面ばかり見ないで、良い面を見つけるようにしよう」とよく言いますが、感謝を大切にするということは、まさに良い面を探して感謝するということなんですね。
それで、”感謝”の気持ちは心理学の研究でも注目されていて、
- 感謝の気持ちは幸福感を向上してくれる
- 感謝の気持ちはポジティブ感情が高めてくれる
- 感謝の気持ちは人生の満足感を高めてくれる
と、メンタル面に非常に良い効果があることが分かっています。
そこで本稿では、感謝の気持ちの良い効果の一つとして
- 感謝の気持ちで感情の抑制が上手くなるのか?
について実験してくれた研究を見てみましょう。
実験:感謝の気持ちを書くとネガティブ感情が減るのか?
この実験では71人の参加者を次の3つのグループに分けています。
- 感謝をシェアするグループ
自分が感謝した出来事について書いてもらう。
このとき、書いた内容は他の参加者とシェアすると言われる。 - 感謝をシェアしないグループ
自分が感謝した出来事について書いてもらう。
このとき、書いた内容は他に人にはシェアしないと言われる。 - 感謝しないグループ
感謝とは関係ない日常的な出来事について書いてもらう
実験の期間は4週間で、週に2回感謝の出来事または日常的な出来事について書きてもらっています。そして、4週間の感謝の訓練ののちに、ポジティブな気持ちになる画像のネガティブな気持ちになる画像を合計で96枚見てもらって、ネガティブな感情を抑えるのがどれだけ上手くなっているのかが測定されています。
結果:
早速実験の結果を見てみると、
- 感謝の気持ちを書いた2つのグループの人は、ネガティブな画像を見た時に感じるネガティブ感情が低下していた
- 感謝の気持ちを書いたグループは、ネガティブな感情を表す言葉が少なく、ポジティブな感情を多く書いていた
ということ。
確かに感謝の気持ちを書くことは、より物事のポジティブな面を見るように促すようで、ネガティブな感情の抑制が上手くなっています。やったことは最近あった感謝して出来事を週に2回書いただけなので、ストレスや不安などのネガティブな感情に悩まされている人は、普段から感謝を書く習慣をつけてみると良いでしょう。
まとめ
本稿では「感謝の気持ちを書くと、ネガティブな感情の抑制が上手くなるのか?」についてお話ししました。
ポイントをまとめると、
- 週に2回でも自分が感謝した出来事について書くと、思考がポジティブになって、ネガティブな感情を感じにくくなる
ということ。
ポジティブ心理学の幸福感を向上する有名な方法として、「毎日良かったこと3つを日記に書く」という方法があります。それと同じように、感謝したことを日記に書くようにすれば、幸福感やネガティブ感情への耐性が強くなっていくでしょう。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]
*1 : Writing about gratitude increases emotion- regulation efficacy