マインドフルネスでスポーツの疲労を軽減できるのか?
マインドフルネスはリラックスの方法として効果が抜群で、ストレスやネガティブな感情の低減に効くことが分かっています。
本稿で注目するのは、
- マインドフルネスのリラックス効果は、スポーツの疲労の回復にも効くのか?
ということ。
スポーツは体を動かすので肉体的な疲労があることはもちろん、試合のプレッシャーや高い集中力の維持など心理的な疲労も大きいもの。こうした疲労にマインドフルネスがどれだけ効果があるのか?その効果のほどを見ていきましょう。
マインドフルネスとスポーツの疲労
ブラジルの研究ではバレーボール選手を対象に、マインドフルネスの疲労回復効果を測定しています。この研究では同じバレーチームのメンバーを3つのグループに分けて、それぞれに下記の疲労回復方法を割り当てています。
- マインドフルネスグループ
試合や練習の直後と寝る前に10分間のボディスキャン瞑想を行う。ボディスキャン瞑想とはリラックスできる姿勢で目をつぶって、足→かかと→膝→骨盤→・・・→腕→頭と体の部位に順番に意識を集中させていく瞑想。
- 音楽グループ
試合や練習の直後と寝る前に10分間音楽を聴いてリラックスする。
- コントロールグループ
瞑想も音楽もなしのグループ
そして、この研究では、肉体的な疲労と試合による心理的な疲労への効果を測定するために、
- 練習3セッション+試合6セッション
のように練習日と試合日を両方作っています。
結果:マインドフルネスの効果
早速実験の結果を見てみると、
- 身体的な疲労はどのグループも変わりなく、音楽もマインドフルネスも回復効果はなかった
- 試合により心理的な疲労は増加していたが、マインドフルネスの疲労回復を行ったグループでは優位に心理的疲労感が低減していた
ということ。
つまり、瞑想のようなマインドフルネスのリラックス方法は、肉体的な疲労までは回復しないけど、心理的な疲労であれば回復してくれるということ。もともとマインドフルネスは、仕事のストレスや不安など、メンタル面の改善に効果が高いことが分かっています。スポーツの世界であっても、プレッシャーや不安への耐性、集中力の維持といったメンタル面が大切になるので、そういった意味ではマインドフルネスを取り入れる効果があるわけですね。
まとめ
本稿では「マインドフルネスとスポーツの疲労回復」についてお話ししました。
ポイントをまとめると
- マインドフルネス瞑想で、スポーツによる肉体的な疲労は回復しないけど、心理的な疲労なら回復する
ということ。
マインドフルネスは心理的な疲労を回復してくれるということで、試合などでメンタル面に負荷がかかった日は瞑想をすると良いでしょう。肉体的な疲労には効果がないので、こちらに対してはマッサージなど他の手段を取りましょう。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]