スマホに夢中な人ほど、先延ばしが増えて幸福感まで低下してしまうのか?
スマホは便利なもので、友達とメッセージのやりとりをしたり、Youtubeで動画を見たり、アプリでゲームをしたりと、いつでもどこでも色々なことができるようになりました。一昔前のガラケーの時代を思い出してみると、スマホの進化っぷりには驚かされます。インターネットサーフィンをする程度であれば、もうPCとも遜色がありませんよね。
しかし、スマホが便利な反面で、その悪影響の一つとして、スマホばかりいじってしまうスマホ中毒な人も増えました。PCやスマホなどの画面を見て過ごす時間は、間違いなく増加していることでしょう。私も勉強中にスマホが気になって集中できないことが増えてしまったように思います。
そこで本稿では、
- スマホをよく見る人ほど、先延ばしが増えて、幸福感は低下してしまうのか?
について分析してくれた研究を見ていきましょう。
スマホと先延ばし
フリードリヒ・アレクサンダー大学の研究では、532人を対象に月〜金曜までの5日分のデータを取得して、スマホをみる頻度が先延ばしや幸福感にどのように影響するのかを分析しています。
データとして取得されたのは
- スマホ確認の習慣
スマホを確認するのがどれだけ習慣化され無意識的になっているのか? - 通知の邪魔
スマホの通知が来て今のタスクの邪魔になったことがどれだけあったか? - チェックの頻度
スマホの確認を1日にどれだけしたか? - 先延ばし
やらなければならないタスクをどれだけ先延ばししてしまったか? - ポジティブ感情・ネガティブ感情
1日の中でポジティブな感情とネガティブな感情をそれぞれどれくらい感じたか? - 無意味感
今日1日が無意味だったと思うか?
といったもので、これらの関係性が分析されたんですね。
結果1:スマホ確認と先延ばし
まず最初にスマホの確認と先延ばしの関係の結果を見てみると、
- スマホの確認が習慣化している人ほど、通知に邪魔されることが多かった
- スマホの確認が習慣化している人ほど、スマホチェックの頻度が多かった
- 通知の邪魔やスマホのチャックの頻度が多い人ほど、先延ばしも多い傾向があった
ということ。
やはりスマホ中毒な人ほど、やらなければいけないタスクを先延ばししてしまうことが多いようです。
さらに、同じ人での日による変化を見てみると、
- 通知の邪魔が多かった日には、先延ばしが増えてしまった
- スマホチェックの頻度が多かった日には、先延ばしが増えてしまった
ということ。
いつもはスマホをあまり使わない人でも、たまたま友達からのメッセージが多かった日には、先延ばしが増えてしまう可能性があるわけですね。なのでタスクの最中には通知を切るなどの工夫をして、スマホに邪魔をされないように気をつけましょう。
結果2:先延ばしと幸福感
続いて、スマホを確認して先延ばしが増えてしまうことで、幸福感がどう変化するのかを見てみると、
- 先延ばしが多い人ほど、ポジティブ感情が低下していた
- 先延ばしが多い人ほど、ネガティブ感情が増加していた
- 先延ばしが多い人ほど、1日の無意味感を強く感じるようになっていた
ということ。
幸福に関する3つの指標は、どれもスマホを見ることで不幸な側に寄ってしまっています。
さらに、同じ人での日による幸福感の変化を見てみると、
- 先延ばしが多かった日には、ポジティブ感情が低下していた
- 先延ばしが多かった日には、無意味感が強まっていた
ということ。
ネガティブ感情は日による変化はなかったようですが、先延ばしは日単位でも幸福感を低下してしまうという結果になっています。もともとスマホをよくみる人ほど幸福感は低いという研究結果はありましたが、それには先延ばしが増えてしまうことも関係しているのでしょう。
まとめ
本稿では「スマホ中毒は先延ばしが増えて幸福感が低下してしまうのか」についてお話ししました。
ポイントをまとめると
- スマホをよく見る人ほど、先延ばしが多く、幸福感は低い傾向がある
- これは日単位でも変化して、スマホをよく見た日は、先延ばしが増え、幸福感は低下してしまう
ということ。
スマホは便利なものですが、集中を妨げたり、先延ばしを増やしたりで、私たちの貴重な時間を奪ってしまうものでもあります。もちろん、スマホで電子書籍を読んで隙間時間を有効に使うなど、活用の仕方次第ではスマホを見る時間が良い時間になることもあります。なので、スマホが時間泥棒になってしまうときをまずは書き出してみて、思い切って不要なアプリは消しちゃいましょう。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]