週2回のHIITでどこまで健康になれるのか?の実験
運動は健康には欠かせない要素の一つ。運動のガイドラインとしては、ジョギングのような中程度の負荷の運動を週に150分以上行うことが推奨されています。しかし、この運動量をこなせていない人も多いのではないでしょうか。
運動量を増やせない理由の一つは、「運動する時間がない」こと。平日仕事で忙しい人は、なかなか運動をする気も起きないものでしょう。そこで短時間でも大きな健康効果がある運動方法としてHIITがおすすめできるかもしれません。
HIITとは強度の高い運動を、休憩と交互に短時間で行うトレーニング方法になります。例えば、エクササイズバイクを使って、全力運動1分と休憩1分を交互に8セット行うみたいな感じですね。HIITは短時間ながら大きな脂肪の燃焼効果があることが知られています。
そこで本稿では
- HIITは週2回と週3回でどれだけ健康効果が得られるのか?
について調べてくれた研究を見てみましょう。
HIITの頻度と健康効果
ニコシア大学の研究では、35人を対象にして
- 運動をしない場合
- 週2回だけHIITをした場合
- 週3回だけHIITをした場合
の3つの場合で、どれだけ健康に差が出るのかを調べています。
この研究で実践したHIITはエクササイズバイクを使っていて、60秒の全力運動と60秒の休憩を10セットの合計20分のメニューになっています。ちなみに休憩は完全に体を休めるのでなく、30%以下の低負荷でまったりとバイクを漕いでいます。
そして、HIITの健康効果として測定されたのは
- 体脂肪やウエストの変化
- 血液検査(血中脂質など)
- 生活の質の変化
- 最大酸素摂取量の変化
と言ったものが測定されています。
結果:週2回のHIITでも得られた健康効果
週2回のHIITでは合計で週の運動時間は40分程度。これでどこまで健康効果があったのかをみてみると、
- ウエストが−1.4[cm]細くなっていた
- 最大酸素摂取量が10.8%向上していた
- 血中のインスリン濃度が−11.8[mU・L-1]減少していた
- 生活の質が8.4ポイント向上していた
- メンタル面の健康度が7.3ポイント向上していた
ということ。
なので週2回でもそれなりの効果は出始めているようです。
結果:週3回のHIITで得られた健康効果
次に週3回に増やした時に得られた健康効果を見てみると、
- ウエストが−2.4[cm]細くなっていた
- 体脂肪が0.7%減り、特に体幹部の脂肪は1.8%減っていた
- 最大酸素摂取量が13.6%向上していた
- 血中のインスリン濃度が−18.0[mU・L-1]減少していた
- 血中のコレステロールが−0.32[mmol]減少していた
- 生活の質が12.2ポイント向上していた
- メンタル面の健康度も8.9ポイント向上していた
ということ。
体脂肪の減少や血中脂質の改善など、週2回では得られなかった効果も、週3回では得られています。また、週2回で得られていた健康効果も、週3回にするとより大きな効果が得られていることも分かります。
なので、HIITは週2回でもそれなりに健康効果は出るので、時間がない人も週2回はHIITをやった方が良い。もっと健康効果が欲しい人は週3回以上やればベストという感じですね。
まとめ
本稿では「週2回のHIITでも健康効果は得られるのか?」についてお話ししました。
ポイントをまとめると
- 週2回のHIITでもウエストの変化や生活の質の改善などの健康効果はそれなりに得られる
- しかし、週3回のHIITの方が健康効果は大きくなるので、できれば週3以上の方が良い
ということ。
HIITは短時間で効果の高い運動方法なので、どうしても時間がない人は少しでもHIITの時間を作るようにしましょう。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]
*1 : High-intensity Interval Training Frequency: Cardiometabolic Effects and Quality of Life