幸せになりたいなら、幸せよりもポジティブを追った方が良いというアドバイス

幸せとは難しいもので、幸せになりたいという気持ちがあっても、「それじゃあどうなったら幸せなのか?」を聞かれると悩んでしまう人も多いのでしょう。お金がもっとあれば幸せと思うかもしれませんが、物欲が強くなるほど不幸になるという研究結果もあります。
そこで本稿では、幸せを追い求めるための方法として、
- 幸せになることを重視するより、日常的にポジティブを追い求める方が幸せになれるのでは?
という説を調べてくれた研究を見ていきましょう。
幸せは追い求めると逃げてしまう?
「幸せは追い求めるほど、逆に不幸になる」という話があります。
幸せになろうと意識すると
- 理想を高く持ちすぎて、今の自分が不幸に思えてしまう
- 幸せを意識しすぎて、普段を違う不自然な行動をとってしまう
などの逆効果が起きてしまうんですね。
実際にこの現象は心理学の研究でも幾らか解明されていて、
- 幸せになることを強調されると、その後に見た映画のクリップでの幸福感の向上が弱まってしまった
といった研究結果もあるんですね。
ならばポジティブを追え
そのため、幸せを追い求めるときには、幸せが逃げていかないような上手い方法が必要になります。
リエージュ大学の研究ではその方法として
- 幸せよりも、ポジティブを追えばいいのでは?
ということを検証しています。
どういうことかというと、「幸せになるぞ!」と意識するのではなく、「ポジティブになれる行動や環境を選択しよう!」ということ。行動や環境をポジティブにすれば、日々感じるポジティブな感情も高まり、自然と幸福感も高まるだろうというわけです。
そこで、リエージュ大学の研究では683人を対象にデータを取得して、
- 幸せを重視する人と、ポジティブを重視する人はどちらが幸せになれるのか?
を分析しています。
結果:幸せとポジティブ
実験の結果を見てみると、
- 人生の満足感
幸せを重視するほど低下し(r=−0.30)、ポジティブを重視するほど高まっていた(r=0.39) - 主観的幸福感
幸せを重視するほど低下し(r=−0.32)、ポジティブを重視するほど高まっていた(r=0.48) - ウェルビーイング
幸せを重視するほど低下し(r=−0.37)、ポジティブを重視するほど高まっていた(r=0.41) - うつの症状
幸せを重視するほど高まり(r=0.39)、ポジティブを重視するほど低下していた(r=−0.32)
ということ。
なんと幸せは追い求めるほど不幸になり、ポジティブは追い求めるほど幸福になるという結果になっています、幸せになることを重視する人は、うつの症状まで増えてしまっているので、この点は注意も必要ですね。
なので、幸せになりたいときには、「こんなに幸せになるんだ」と高い理想を掲げるのではなく、「毎日ポジティブを増やそう」と小さな幸せをコツコツ積み上げることが大切にしましょう。
まとめ
本稿では「幸せになるには、幸せよりもポジティブを追え」というお話をしました。
ポイントをまとめると、
- 幸せは追い求めるほど、逆に不幸になってうつの症状も増えてしまう
- ポジティブな行動や環境を増やすことを優先すると、幸福になりうつの症状も減る
ということ。
漠然と幸せになりたいと思うよりも、日々のポジティブな出来事を増やす方が、具体的で行動も起こしやすいのではないでしょうか。ポジティブを優先することには、ネガティブを避けることも含まれます。嫌な環境や嫌な人間関係と距離を置くのも大切ということですね。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]