リモートワークで仕事のフロー体験(集中状態)は向上するのか?
最近ではリモートワークも広がり、自宅からオンラインで働く人も増えたのではないでしょうか?
リモートワークの実践者が増える中で、そのメリット・デメリットも判明してきて
- 通勤の時間やストレスを削減できる
- 家庭と仕事の時間の調整がしやすくなる
- 仕事中の周囲の干渉が減り、自律感が向上する
- コミュニケーションが取りにくくなりチームワークが低下してしまう
- 孤独感を感じ、メンタル面でネガティブに感じる人もいる
といったことが挙げられます。
本稿ではこうしたリモートワークの課題の一つとして、
- リモートワークにすると、仕事のフロー(集中状態)は向上するものなのか?
について調べてくれた研究を見ていきましょう。
仕事とフロー
フローとは高い集中状態のことで、
- 仕事に没頭して時間があっという間に感じるような体験
のこと。
仕事でフローが増えれば、当然パフォーマンスも高まるわけなので、仕事中のフローが増えることはいいことなわけです。
それでは、リモートワークで自宅から働いているときと、職場で働いているときのどちらがフロー体験が生まれやすいのか?個人的には自分一人で仕事の集中できるリモートワークの方がフロー体験は生まれやすい気がします(自宅だと子供がうるさいとかいう人は別かもしれませんが、)
この点についてブルネル大学らの研究が、202名の従業員を対象に分析を行なっていますので、その結果を見てみましょう。
結果:リモートワークでフローは増えるのか?
研究の結果として分かったことは
- リモートワークの人の方がフロー体験は向上していた(r=0.22)
ということ。
やはり周囲に人がいないリモートワークの環境の方がフロー体験には向いているという結果になっています。
しかし、この効果を無効にしてしまう大切なポイントも見つかっていて
- リモートワークで孤独感を感じてしまっている人はフロー体験が少なかった
- リモートワークで使うデジタルツールにストレスを感じている人は、孤独感が高い傾向があり、フロー体験に悪影響を及ぼしていた
という点には注意が必要。
つまり結論としては、リモートワークはフロー体験を高めるけど、孤独感を感じてしまう人は逆効果にもなり得るというわけですね。
まとめ
本稿では「リモートワークでフロー体験は増えるのか?」についてお話ししました。
ポイントをまとめると、
- リモートワークをする人は、フロー体験が向上している
- しかし、リモートワークでストレスや孤独感を感じてしまう場合には、フロー体験が低下してしまうので注意が必要
ということ。
私は周りに人がいて気が散るのが嫌で、自分の世界で集中したいタイプなので、リモートワークは有効そうです。一方で他の人とコミュニケーションを取るのが好きな人は、リモートワークで分断されてしまうと、フローが生まれにくくなってしまうかもしれませんね。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]
*1 : An examination of remote e-working and flow experience: The role of technostress and loneliness