エンゲージメントを高めるにはマインドフルネスだけでは足りない
エンゲージメントとは思い入れや愛着といった意味を持ち、タスクへ高い関心や興味を持ち続けることです。例えば、新しいことを始めても興味がなくなってすぐに止めてしまったり、仕事へのやりがいが感じられずにパフォーマンスが低かったりは、エンゲージメントが低いことの問題でもあります。
そこで本稿では、エンゲージメントを高く保つための知識として
- マインドフルネスと楽観主義はエンゲージメントとどのように関係しているのか?
を調べてくれた研究(*1)を見てみましょう。
エンゲージメントと楽観主義
この研究では、4回の調査を行なって下記の3つのデータを取得しています。
- 楽観主義
物事をどれだけポジティブに捉えているか?
例えば、将来が不確実な状況ではベストな未来を想定するなど
- マインドフルネス
自分の集中状態に客観的に気付けているか?
例えば、自分が全く関係ないことをしながらタスクをしていることに自ら気がつけるなど
- エンゲージメント
仕事にやりがいや活力を感じているか?
または実際にタスクに取り組んでもらって、そのタスクにどれだけ没頭しているか?
そしてこれらのデータから
- エンゲージメントを高めるには、楽観主義とマインドフルネスのどちらが役に立つのか?
を分析したんですね。
結果:
4つの調査の結果ではどれも同じ結論が得られていて
- 楽観主義が高い人ほどエンゲージメントは高くなる!
- マインドフルネスはエンゲージメントとは直接の関係がなかった
- ただし楽観主義が高い人がマインドフルネスも高ければ、エンゲージメントはより高まった!
ということ。
楽観主義が高い人は与えられた仕事やタスクをポジティブに捉えるので、その仕事へのエンゲージメントも高まりやすいのでしょう。
一方でマインドフルネスは「自分の状況を客観的に気づき、ありのままに受け入れること」です。そのため、将来が不安なときや、失敗して落ち込んだときなど、ネガティブな思考になっているときはマインドフルネスが思考を整えるのに役に立ちます。しかし、マイナスだった思考をゼロにはできてても、そこからやる気のようなポジティブな思考まで生み出す力はないようです。
そのため、マインドフルネスでネガティブ思考を和らげて、楽観主義でポジティブ思考を高める両方を兼ね備えた人が、今回の調査でエンゲージメントが一番高くなったのでしょう。
まとめ
本稿では「マインドフルネスと楽観主義はどちらがエンゲージメントを高めるのに役立つのか?」についてお話ししました。
ポイントをまとめると、
- エンゲージメントを高めるには、楽観的に考えてポジティブな思考を持つことの方が役立つ
- 楽観主義が高い人であれば、マインドフルネスを持つことでさらにエンゲージメントが高まる
- 楽観主義が低い場合にはマインドフルネスのみ高めてもエンゲージメントは高まらない
ということ。
楽観的になりすぎると、無茶な計画を立ててしまうとか、リスクを取りすぎてしまうとかの欠点もあります。それを防ぐ意味でもマインドフルネスも高めて客観的に気づくことは大切なのかもしれませんね。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]