ストレッチの効果は年齢・性別・体の硬さで変わらない?79研究のメタ分析
ストレッチと聞くと、自分は体が硬いからと、柔軟性に自信がない人も多いでしょう。人によっては、歳をとると体が硬くなってもうだめだとか、普段から運動してないからもうダメだと諦めてしまっている人もいます。
そこで本稿では、2026年に発表された79研究3,287人のメタ分析から
ストレッチの効果は、年齢・性別・もともとの体の柔軟性で変わるのか?
を見ていきましょう。
どんな研究か
Kensuke Obaら日本の研究チームが、2026年にスポーツ医学誌Sports Medicine – Openで発表したシステマティックレビューとメタ分析です。
- 対象はランダム化比較試験79件・3,287人
- 慢性的な静的ストレッチ(一定期間くり返し行う、伸ばして止めるタイプのストレッチ)を実施
- 結果として下肢の柔軟性(膝を曲げる筋群・膝を伸ばす筋群・足首を伸ばす筋群)を測定
- そのうえで年齢・性別・トレーニング状態・もともとの柔軟性が効果を左右するかを検証した
ストレッチで柔軟性が上がること自体は、もう何度も確認されています。この研究がやったのは一歩先で、「誰がやると効きやすいのか」を調べたところがポイントですね。
結果:ストレッチの効果はしっかりある
まず全体としてストレッチに柔軟効果があったのかを見ると、
効果量g = 0.851(95%CI 0.710–0.991)
となってたます。
効果量0.8前後は、一般的な目安では「大きい」に入る手前あたりです。信頼区間も0をまたいでいないので、静的ストレッチを続ければ下肢の柔軟性は確実に上がると言っていい結果でしょう。
結果:誰がやっても柔軟になる
そしてこの研究のポイントが次の結果。
効果を左右しそうな要因として、年齢・性別・トレーニング状態・もともとの柔軟性・対象の筋群の5つ調べたところ、そのすべてで有意差が出ませんでした。
| 調べた要因 | p値 | 効果の差 |
|---|---|---|
| 年齢 | 0.853 | なし |
| 性別 | 0.990 | なし |
| トレーニング状態(鍛えているか) | 0.221 | なし |
| ベースラインの柔軟性(もともと硬いか) | 0.260 | なし |
| 対象の筋群 | 0.100 | なし |
つまり、これらの要因に左右されず、誰でもストレッチをすれば柔軟性が上がると言うことです。
「もともと硬い人は伸びにくい」「歳をとると伸びにくい」と思ってる人もいるかもしれませんが、少なくとも下肢の静的ストレッチについては誰でも効果あると言う結果でした。硬い人が硬いままなのは、年齢のせいでも性別のせいでもなく、ストレッチをやっていないから、ということですね。
この研究の限界
- 下肢だけの研究であること。肩・首・胸・体幹など他の部位ではどうか分かりません。
- 研究間で結果のばらつきが大きく、平均値がどこまで代表的かは慎重に見る必要がある
- 柔軟性が上がることと、ケガが減る・痛みが取れる・競技成績が上がることは別の話なので、柔軟性以外のストレッチの効果については分からない。
まとめ
- ストレッチによる下肢の柔軟性改善の効果量はg = 0.851で大きかった
- 年齢・性別・トレーニング状態・もともとの柔軟性・筋群のいずれも効果を左右しなかった
- つまり誰がやってもだいたい同じくらい効くので、「歳だから」「硬いから」は続けない理由にならない
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以上、それでは良い健康ライフを!
参考文献
- Oba K, Matsuo S, Nakamura M, Nakao G, Fukaya T, Mizuno T, Takeuchi K. Moderating Effects of Individual Characteristics and the Target Lower Limb Muscle Group on Flexibility Adaptations to Chronic Static Stretching in Healthy Individuals: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. Sports Med Open. 2026;12:95. 原文