睡眠の質を改善する簡単テクニック「耳栓+アイマスク」「キウイフルーツ」
睡眠は運動や食事などと並んで、健康を支える大きな柱の一つになります。なので、十分な睡眠時間と深くて質の良い睡眠が大切なわけですが、夜になかなか寝付けなくて困っている人も増えています。
そこで本稿では、睡眠の質を改善する2つの研究
- 「耳栓とアイマスク」を装着すると睡眠の質が上がる
- 「キウイフルーツ」を寝る1時間前に食べると睡眠の質が上がる
について見ていきましょう。これが簡単なテクニックなのに、意外と効果が高くて良い感じなんですね。
耳栓とアイマスクと睡眠の質
一つ目の研究は
- 耳栓とアイマスクをつけて寝る場合
- 海の音を聴いて寝る場合
はどちらがよく眠れるのかを実験しています。実験の対象となったのは、ICUの入院患者。ICUの中は会話などのノイズがあったりして、睡眠の環境としてあまりよろしくないため、少しでも患者の睡眠の質が改善できないのかが調査されています。
実験の方法としては、1日のウォッシュアウト期間をおいて「耳栓+アイマスク」で寝た時と、「海の音」を聴いて寝た時の両方をクロスオーバーで実施しています。
結果:
実験の結果を見てみると、
- 基準となる普通に寝た1日目の睡眠の質は平均23〜25ポイントくらいだった
- 「耳栓+アイマスク」で寝た日には睡眠の質が13〜14ポイント改善した
- 「海の音」を聴いて寝た日には睡眠の質が9〜10ポイント改善した
ということ。
どちらも睡眠の質を改善していますが、「耳栓+アイマスク」の方が大きな改善効果が得られていることがわかります。なので、ノイズが大きめの家に住んでる人とか、雨音が大きい日とかには、「耳栓+アイマスク」をしてみると睡眠の質が改善されるかもしれません。
キウイフルーツと睡眠の質
2つ目の研究では、
- 寝る1時間前にキウイフルーツを2つ食べると、睡眠の質が向上するのか?
を実験しています。
キウイフルーツの中にはビタミンCやビタミンE、アントシアニン、フラボノイド、セロトニンなどが豊富。特にセロトニンは睡眠によく関連していて、キウイフルーツにはセロトニンがトマトの2倍も含まれるので、睡眠の質の改善が期待できるんですね。
そこで、この研究では、睡眠に問題を抱えている人を対象に、4週間に渡って1日2個のキウイフルーツを寝る1時間前に食べ続けた時の効果を実験で確かめています。
結果
実験の結果、キウイフルーツを食べた時の効果として
- ベッドに横になってから眠りにつくまでの時間が35.4%短くなった
- 一度眠りについた後に起きてしまう時間が28.9%短くなった
- トータルの睡眠時間が13.4%増加した
- 睡眠の効率が5.4%改善した
ということ。
キウイフルーツを2個食べるだけで、大きな睡眠の改善効果が得られていることがわかります。元々、寝る前に白米などの糖質を取ることで睡眠の質が高まることがわかっています。キウイフルーツの場合には、果物の糖質の摂取に加えて、セロトニンも多く摂取できるので、さらに大きな効果が得られているのかもしれませんね。
まとめ
本稿では「睡眠の質の改善に使える2つの簡単テクニック」についてお話ししました。
ポイントをまとめると
- 耳栓とアイマスクを装着すると、睡眠の質が改善する
- 寝る1時間前にキウイフルーツを2つ食べると、睡眠の質が改善する
ということ。
注意点としては、1つ目の研究はICUの睡眠の悪い環境での実験、2つ目の研究は睡眠に問題を抱えている人を対象にした実験となっているので、普通の環境で睡眠に問題を抱えていない人では効果は若干落ちるかもしれません。しかし、どちらも実践するのが簡単ですので、一度試してみる価値はあるのではないでしょうか。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]
*2 : Effect of kiwifruit consumption on sleep quality in adults with sleep problems