新しいスキルを覚えるときは、とにかく実践・練習が大切なのではという説
新しいスキルを習得するときには、まず取り掛かり始めるときに高いハードルを感じてしまうもの。
全くの初心者だけどプログラミングを習得できるか?
いきなり仕事で英語が必要になったけど、ちゃんとやっていけるか?
大学の新入生だけど授業についていけるか?
と、やる前から不安を感じてしまうものですよね。
一方で、自分が慣れた分野のことで考えてみると、多少新しいことでも気後れせずに取り組めると思います。例えば、スポーツに自信のある人だったら、新しいスポーツを始めるときにも自信を持ってすんなりと取り組むことができます。
そこで本稿では、
- その分野について練習や実践をするほど、スキル習得の負荷や不安は軽減していくのでは?
ということに注目したジョンズホプキンス大学の研究を見てみましょう。
実践・練習の多面的な効果
ジョンズホプキンス大学の研究では、主に実践・練習には三つの効果があると言っています。
①スキルが向上して負荷が減る
新しいスキルについて実践や練習をすると、当然ですが多少なりスキルが向上します。そうすると、前回やったことと同じ内容の練習メニューでも、次回やるときにはより簡単により速くこなせるようになります。つまり、自分のスキルが向上するほど、そのスキルを使うタスクで自分が感じる負荷が軽減されるということ。これにより、実践や練習経験を積むほどその分野のスキル習得へのハードルが下がります。
②判断も向上して負荷が減る
練習や実践をするとスキルが身に付きますが、そのスキルの中には”この状況ならこういう行動を取るべき”という判断能力も含まれています。初めてやる練習の場合には、何が適切なのかが分かりません。そのため、失敗を繰り返しながら試行錯誤して学んでいく必要があり、その負荷も高くなってしまっています。徐々に判断能力が身に付いてくると、どうすれば効率良くスキルを学べるのかが理解できるようになっていきます。判断が適切になるほど、無駄な失敗の負荷がなくなって、スキル習得のハードルも低下していきます。
③習慣化されて負荷が減る
同じスキルを何回も実践すると、そのスキルを特に考えなくても実行できるようになります。例えば、車の運転は最初に免許を取る気にはあれこれ考えながら運転していますが、何年も車に乗っているとあまり考えずに自然と運転ができるようになりますよね。この両者で車の運転に感じるハードルの高さを考えても、習慣化してしまえば当たり前のことになって特にハードルは感じません。つまり、新しいスキルは繰り返して慣れるほどに、習得に感じるハードルも低下していくということですね。
まとめ
本稿では「練習や実践と新しいスキル習得にハードル」についてお話ししました。
ポイントをまとめると、
- 新しいスキルを習得するときのハードルは、練習や実践を繰り返すほどに低下していく
- これには練習や実践によりスキルや判断能力が向上して感じる負荷が軽減されることと、繰り返しにより行動が自動化されることの効果が関係している
ということ。
新しいスキルを身につけるときには、そのハードルの高さから「自分にはまだ早い」とか「自分には向いていない」と敬遠してしまうものです。このハードルを無くすには、とにかく練習・実践が大切ということで、スモールステップでもいいので、まずは体験してみることは優先しましょう。初めからきつい練習をしてしまうと続かないので、まずは面白いと思える範囲で実践するのが良いと思います。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]
*1 : The multiple effects of practice: skill, habit and reduced cognitive load