生徒のモチベーションを上げるために、親や先生が気をつけるべき最も大切なポイントは何か?

「勉強なんてめんどくさいしゲームしたい」

多くの学生にとって勉強に対するモチベーションはこんなものでしょう。

先生が宿題を出したり、親が口うるさく言って強制力を持たせれば、生徒は勉強してくれるかもしれません。

しかし、外部の強制力が原動力の外発的モチベーションは質の悪く、自分の中の好きという気持ちが原動力になる内発的モチベーションが育まれません。

そこで本稿では、

  • 学生の内発的モチベーションを上げるために最も大切なポイントは何か?

について調べた研究(*1)を見てみましょう。

キーワード
・内発的モチベーションの3つの軸:自律・有能感・人間関係
・親・先生のサポートの3つの軸:共感・情報提供・積極的な参加の支援

・最も効果がモチベーションを上げるのは〇〇

内発的モチベーションの3つの軸とは

内発的モチベーション、つまり好きで自分から勉強に取り組む気持ちを育むには、3つの基盤が必要だと言われています。これは心理学のモチベーション研究の「自己決定理論」に基づいたもので、その効果もたくさんの研究結果から確かめられています。

内発的モチベーションの3つの軸
①自律:強制されてやらされているのでなく、自分の意思で選択して行動している感覚
②有能感:自分にはやり遂げる能力があり、行動次第で結果を変えられるという自信
③人間関係:親や先生、友達とつながっている感覚

親や先生のサポートの3つの軸とは

生徒の内発的モチベーションを向上するには、自律・有能感・人間関係を改善してあげれば良い。

それでは、親や先生はどうやって生徒とコミュニケーションを取れば、これらを高められるのか?

ガミガミと叱ったりすれば勉強が嫌いになってしまうのは目に見えているように、親や先生のサポートの仕方にも3つの大切なポイントがあります。

親や先生のサポートの3つの軸
①共感:生徒の視点に立って、生徒の個性や感情に共感してあげる
②情報提供:主体的な勉強をする理由となる情報を提供する
③積極的な参加の支援:生徒が自分自身で選択する機会を増やす

内発的モチベーションを上げるの一番効果が高いのはどれ?

これまでに紹介したポイントはどれも確かな効果があるもの。

しかし、それぞれ効果の大きさに違いがあるかもしれません。

そうなると一番効果の高いポイントが気になりますよね。

この点を調べてくれたのがラバル大学の研究(*1)。この研究ではメタ分析をいう手法を用いて、生徒のモチベーションを調べた144件の研究結果をまとめて、より信頼性の高いデータを出しています。なんと、これらの研究結果を合わせると対象となった生徒のデータ数は79,000人にもなるんですね。

★研究から分かったポイント
・内発的モチベーションの3つの軸を効果が高い順に並べると、
 ①有能感(42%) ②自律(39%) ③人間関係(18%)
・親のサポートも先生のサポートも内発的モチベーションを高める!
ただし、先生のサポートの方が倍近く影響度が強かった

まとめ

研究の結果を見てみると、人間関係は影響力が弱く、有能感と自律の影響力が強めになっています。

生徒の内発的モチベーションを向上するには、生徒を褒めて有能感を高めたり、生徒自身で勉強のスケジュールや目標を考えてもらって自律心を高めたりすることが大切になるでしょう。

特に先生の影響力が大きいので、先生はこれらのポイントを押さえて生徒とコミュニケーションをとってあげると良いでしょう。

[参考文献]

*1 : Pathways to Student Motivation: A Meta-Analysis of Antecedents of Autonomous and Controlled Motivations

Naoto

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