好奇心の好き型と知りたい型の違いとは何か?

好奇心とは、新しいことに興味を持って、知りたい・試してみたいと感じる心のこと。

誰でも子供の頃は好奇心満々で、これ何?それはどうして?と親や先生を困らせたことでしょう。

もちろん大人になっても好奇心は大切。新しい知識を学んだり、見知らぬ地に旅したり、好奇心がいつまでも人を成長させてくれます。

そこで本稿では、好奇心に関する心理学の研究(*1)から

  • 好奇心には、”好き”と”知りたい”の2種類の原動力あって、学び方も変わる

というお話をしていきたいと思います。

キーワード
・好き型 好奇心
・知りたい型 好奇心
・曖昧さへの耐性
・認知的完結欲求

好奇心の2つの原動力

好奇心には”好き”と”知りたい”の2つの原動力があります。

好き型の好奇心とは、新しいことを学んだり試すのが純粋に好きな気持ちのこと。このタイプの好奇心の特徴は、特定の目的や結果のために好奇心を抱いていない点です。新しいアイデアをどんどん試してみたくなる人、目的もなく色んな本を読むことが好きな人などはこのタイプの好奇心でしょう。

知りたい型の好奇心とは、特定の知識や結果を知りたいという欲求のこと。例えば、途中まで見たドラマの結末が知りたいとか、解けない数学の問題があるとどうしても解いてみたくなるなど、楽しむというよりは知りたくて気になる気持ちが強い好奇心になります。

注意点としては、好奇心は”好き”と”知りたい”に、くっきりはっきりと別れるわけではないということ。”知りたい”と”楽しい”は両方を同時に持つこともできて、2つのバランスが人に若干変わっているわけです。

好き型の好奇心:純粋に新しいことを楽しむ好奇心
知りたい型の好奇心:知らない知識を穴埋め・探求したい好奇心

好きと知りたいで学びの姿勢が変わる?

サウスフロリダ大学の研究では、

  • “好き”と”知りたい”の好奇心の違いが、その人の学びの姿勢にどう関係するのか?

をデータをとって調査しています。

その調査の結果として分かったことは、まず好き型の好奇心の人の特徴として、

  • 好き型の好奇心の人は、曖昧さへの耐性が少し高い!
  • 好き型の好奇心の人は、認知的完結欲求が少し低い!

逆に、

  • 知りたい型の好奇心の人は、曖昧さへの耐性が少し低い!
  • 知りたい型の好奇心の人は、認知的完結欲求が少し高い!

ということ。

少し難しい言葉がいくつか出てきました。曖昧さへの耐性とは、物事がよく分からない曖昧な状況でも平気で不安とか感じない耐性のこと。認知的完結欲求とは、これが答えだと結論づけて問題が完結したい欲求のこと。

つまり、もうすこく噛み砕いた言い方をすると、次のように言えます。

■好き型の好奇心の学び方
分からないことだらけの曖昧な状況も大丈夫で、どんどん新しいことを試す
■知りたい型の好奇心の学び方
分からないことがあるのが嫌で、とことん理解を深める

まとめ

本稿では「好き型と知りたい型の好奇心の違い」についてお話ししました。

“好き”の好奇心で考えの幅広げてどんどん試すとき、”知りたい”の好奇心で理解をとことん深めるとき。

仕事など特定の目的でゴリゴリ勉強していると、好きの気持ちを忘れてしまうことがあるので、楽しむ気持ちも忘れないようにしましょう。

[参考文献]

*1 : Relationships between measures of I- and D-type curiosity, ambiguity tolerance, and need for closure: An initial test of the wanting-liking model of information-seeking

Naoto

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