筋トレでレストポーズ法にはどんな効果があるのか?
筋トレにも色々なテクニックがありますが、その中の一つにレストポーズ法というものがあります。
このレストポーズ法とは、20秒〜30秒の短いインターバルでセットを繰り返すという特徴的なセットの組み方のことです。
例えば、通常のトレーニングは、4回を5セットでセット間のインターバルは2分みたいな感じでセットを組みますよね。
これに対してレストポーズ法は、「1セット目は限界の回数まで、20秒インターバルを挟んで、次のセットもまた限界まで」ということを目標の回数になるまで繰り返します。筋肉が十分に回復する前に次々と追い込んでいくわけですね。
それで、このレストポーズ方にはどれだけ効果があるのかを調べてくれた研究(*1)があったので、本稿ではその内容を参考に、効果的なレストポーズ法の使い方についてお話ししていきたいと思います。
レストポーズの効果とは?
レストポーズ法の方がモーターユニットの動員が多かったり、EMGが高かったという単発のトレーニングでの効果はちらほらとあるようなのですが、その長期的な効果についてはまだあまり研究がないということ。
そこで、ブラジリア大学の研究が、長期的にレストポーズ法でトレーニングを行ったときに筋肉の発達や筋力の向上にどれだけの効果があるのか、を調べてくれています。
この研究では18人を半々に分けて、6週間にわたって通常のトレーニング、またはレストポーズ法でトレーニングを行ってもらっています。
トレーニングは週に4回で、種目も次のように様々、
- 月曜と水曜
①胸筋(ベンチプレス、インクラインダンベルプレス、ケーブルクロス)
②肩(ミリタリープレス、サイドレイズ)
③上腕三頭筋(ケーブルトライセップエクステンション、バーベルトライセップエクステンション) - 火曜と木曜
①脚(スクワット、45°レッグプレス、レッグカール)
②背筋(ラットプルダウン、シーテッドロウ、ダンベルラテラルロウ)
③上腕二頭筋(バーベルカール、プリーチャーカール)
全身が鍛えられる内容で、部位ごとの効果の違いも測定してくれています。
それでセットの組み方は、
- 通常トレーニング
1RMの80%の重量で、6回×3セットを2分インターバルで実施 - レストポーズ法
1RMの80%の重量で、限界までを20秒インターバルで18回になるまで実施
で、どちらも合計回数は同じにしていて、純粋にインターバルの入れ方の違いによる効果に違いを比較しています。
結果:レストポーズ法の効果とは?
6週間のトレーニング後に、結果としてどのようなことが分かったのかというと
- 筋力の向上、つまり最大重量の向上はどちらも同じくらいだった
- 筋持久力の向上、つまり回数の向上は下半身(レッグプレス)ではレストポーズ法の方が向上が大きかった。上半身(ベンチプレスとアームカール)では通常のトレーニングと同じ程度だった。
- 筋量の向上も、下半身ではレストポーズ法の方が効果が大きく、上半身ではどちらも変わらなかった。
ということ。なのでざっくりとまとめると、
- 下半身の筋肉を増やしたいときにはレストポーズ法は効果的
- 筋力向上や上半身の筋肥大では、レストポーズ法でも通常の方法でもどっちでもいい
ということですね。
そして、もう一つレストポーズには嬉しいことが分かっていて
- トレーニングにかかる時間は、通常のトレーニングでは平均57分で、レストポーズ法では平均35分だった
ということ。
レストポーズ法はインターバルが短いので時短になるということですね。もちろん、時間が短くなってもトレーニングの効果は変わらないので、あまり時間がない日はレストポーズ法でトレーニングするのもいいと思います。
まとめ
本稿では「レストポーズ法の効果」についてお話ししました。
ポイントをまとめると
- レストポーズ法は下半身の筋量・筋持久力を向上するのに有効
- 筋力の向上や上半身の筋量・筋持久力は、通常のトレーニングと変わらない
- レストポーズはトレーニング時間の短縮にも役立つ
ということですね。
短いインターバルで筋肉を追い込むとなると、主観的な辛さも変わってきそうなので、どちらがやりやすいのか一度試してみると良いと思います。通常のトレーニングで停滞してしまった人も、新しい刺激としてレストポーズ法を取り入れてみると効果があるかもしれませんね。
個人的には時間短縮になるというコスパ効果が嬉しいので、私も今後取り入れてみたいと思います。平日はレストポーズで効率良く、休日は時間をとってガッツリとみたいなのも良さそうですね。
以上、それでは良い筋トレライフを!
[参考文献]
*1: STRENGTH AND MUSCULAR ADAPTATIONS FOLLOWING 6 WEEKS OF REST- PAUSE VERSUS TRADITIONAL MULTIPLE-SETS RESISTANCE TRAINING IN TRAINED SUBJECTS