音楽は幸福感を上げてくれるのか?についての研究

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スポーツや映画、芸術と同じように、音楽は人生の楽しみの一つですよね。

流行りの音楽をみんなで聴いたり、
歌詞に共感して勇気をもらったり、
あるいはカラオケで自分で歌ってストレス発散したり、

と、音楽の楽しみにも様々な形があります。

そこで、色々な形の楽しみ方がある中で、音楽は幸福感の向上やネガティブな感情の抑制にどれだけ効果があるのかをまとめてくれた研究(*1)があったので、本稿ではこの研究を参考に「音楽の幸福関係への効果」についてお話ししていきたいと思います。

音楽と幸せの指標

この研究はシステマティック・レビューという形式で、音楽と幸福関連の指標の関係を調べた61件の研究の5,397個のデータを総合して、音楽の効果の程をレビューしてくれています。

これらの研究が測定している幸福関連の指標は

  • 主観的な幸福感
  • 不安の軽減
  • うつの改善
  • そのときの楽しさ

などなど研究によってまちまちで、これらをまとめ合わせることで、総合的に見て音楽にどんな効果があるのかが分かるというわけですね。

それで、この研究では年齢に応じて音楽の効果に違いがあるかも調べてくれていますので、順番に見ていきましょう。

若者と音楽

まず最初に若者(学生)を対象にした実験の結果としては

  • 運動中に音楽を聴くことで不安が軽減された
  • 音楽を聴いたり、ダンスをすることで、気分が改善してネガティブな感情が軽減された
  • 30分以上の自分の好きな音楽かクラシック音楽を聴くと、リラックスのスコアが向上した
  • ハードロック以外の音楽で不安が軽減された
  • パーカッションを演奏すると、気分が改善して、活力が湧いた

といった効果が確認されています。

簡単にまとめると

  • 若者は音楽を聴く/演奏すると、不安などのネガティブな感情が軽減されて、気分が向上する効果がある

ということですね。

ハードロックでは不安が軽減されなかったという結果もあるので、何を聴くのかでも音楽の効果は変わるようですね。なので、リラックスしたいときはまったりする音楽を聴くとか、気分転換したいときはポップな音楽を聴くとかの使い分けも大切なのかもしれませんね。

大人と音楽

大人を対象にした研究結果としては

  • 音楽を聴きながら瞑想すると、ストレスが軽減された
  • 1日30分間だけ普段の生活をしつつ音楽を聴くようにすると、ストレスと不安が軽減された
  • 音楽を作曲したり、楽器を習うことは自尊心を向上させた
  • 聖歌隊に参加すると、社会性、陽気さ、感情の安定さ、幸福感が向上した
  • グループで歌うと、ポジティブな感情が増えて、ネガティブな感情が軽減された

ということ。

大人の場合にも

  • 音楽を聴いたり/歌ったりすることは、ストレスや不安を軽減してくれて、ポジティブな感情を増やしてくれる

ということですね

大人の場合には、仕事でストレスを抱えることも多いと思うので、そんなときは好きな音楽を聴いたり、カラオケに行って歌ったりするのが効果的ということですね。

お年寄りと音楽

お年寄りと音楽の関係を調べた実験では

  • 週に30分の音楽を聴くと、生活の質(Qualitu of life)が向上し、うつのスコアも改善した
  • 14週間に渡る歌唱プログラムに参加した人はメンタル面の生活の質が向上し、不安やうつのスコアも改善した
  • 合唱プロジェクトに参加した人は、やる気やうつ、孤独感が改善した
  • 楽器を習うと主観的幸福感が向上した

というような結果が得られています。

お年寄りの場合には

  • 音楽を聴いたり、歌ったり、演奏したりすることは、うつなどのメンタルのリスクを軽減し、生活の質を上げてくれる

ということなんですね。

合唱クラブに入るなど、音楽を趣味にすることで、生活の質が向上したり、主観的な幸福感が向上する効果があるみたいですね。

まとめ

本稿では「音楽の幸福関係の指標への効果」についてお話ししました。

ポイントをまとめると

  • 音楽には不安や気分の落ち込みといったネガティブな感情を軽減してくれる効果がある!
  • 音楽には気力の向上や幸福感の向上など、ポジティブな感情を増やしてくれる効果もある!
  • 音楽は聴くだけでも、歌っても、演奏してもこれらの効果が得られる

ということですね。

やっぱり音楽はリラックスや気分転換に良い効果があるということで、通勤中や運動中などには自分の好きな音楽を聴くのもいいみたいですね。スッキリしたいときは思いっきり歌ったり、ぐっすり眠りたいときはリラックスできる曲を聞いたりと、場面に応じて音楽を有効に活用できれば生活の質がもっと向上しそうですね。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1: What Works for Wellbeing? A Systematic Review of Wellbeing Outcomes for Music and Singing in Adults

Naoto

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