人は歩くために生まれた。原始から受け継ぐウォーキングの力!

最終更新日

Comments: 0

歩くことは身体にいい。では、なぜ?

心臓病のリスクが減るからとか、
骨や筋肉が維持できるからとか、
肥満解消にいいからとか、はよく聞く。

進化医学の考えだと答えは

「原始人が歩いていたから」

だという。省略しすぎているので意味がわからないと思うが、
私はこの考えを知ったときにかなり面白く、わかりやすく、実際に歩きたいと思えて感動したので紹介したい。

ダーウィンの進化論

進化といえば、まずダーウィンの進化論が思い浮かぶ。
動物には個体差があり、自然淘汰の結果として、環境に適した個体の特徴が受け継がれていくというものだ。

キリンの進化で例えるなら、
まず人もそれぞれ身長が異なるように、キリンの首の長さにも個体差がある。
首が長いキリンほどより高い木の葉を食べられるので、生存率が高くなる。
すると首の長いキリンほど子供を残す確率が高くなるので、遺伝によって首の長い子供キリンが増える。
これを何世代にも渡って繰り返して、キリンの首はどんどん長くなっていく。

つまり
①動物には個体差があって
②環境に応じた適者生存が行われて
③遺伝により環境に有利な特徴が受け継がれて進化していく
ということだ。

キリンは首を長くすることで、より高い食料を食べて生き延びた。
ゾウは体を大きくして、他の動物に襲われにくくなって生き延びた。
ライオンは鋭い牙と爪で圧倒的な強さを手に入れて生き延びた。

では、ヒトは何に適応して、どう進化してきたのだろう?

人は何に適用して進化してきた?

この疑問を考えるために、まず「他の動物は持っていない、ヒトの特徴とは何か?」を考えてみる。

私が最初に思い浮かんだのは”頭の良さ”だ。

ヒトは道具を作って、文字を書いて、複雑な言葉でコミュニケーションをする。
数学の問題を解くこともできれば、飛行機を作って空を飛ぶこともできる。
どれも頭の良さがないとできないことだ。

身体を見ても、ヒトは大きな脳を持っている。
脳化指数という体重に対する脳の大きさを表す指数で見てみると、ヒトの脳は他の動物と比べて7.5倍も大きい。ヒトの脳は全体の20%ものエネルギーを消費する大食らいの臓器であるが、寒冷期の食料があまりない時期においても、ヒトは脳を捨てなかった。

頭の良さがヒトの最大の特徴の一つであることは間違いがない。

しかし、文献を調べてみると、ヒトがサルから分岐したとき、最初に持っていた特徴は頭の良さではないという。

それは”2足歩行”だというのだ。

なぜヒトは立ったのか?

確かに、私も言われてみるまで気づかなかったが、
2足歩行をする動物は他にほぼいない。

「人体600万年史」によると、ヒトはまず2足歩行を手に入れ、
その後、空いた両手で道具を扱えるようになったり、道具を作る頭の良さを手に入れていったという。
2足歩行が他のヒトの特徴を獲得する基盤になったのだ。
これはかなり面白い考えだと思う。

では、なぜヒトは2足歩行になることで生存の優位を獲得できたかを考えるともっと面白い。

まずヒトは2足歩行になることで、走る速度を失っている。
ウサインボルトであってもライオンほど速く走れないし、サルっぽい人はいてもサルのように素早く動き回ることはできない。

一方で、ヒトが速度を犠牲に手に入れたのは、「エネルギーの効率性」だ。

ヒトは直立することで、長い脚を生かして一歩で大きな距離を進むことができるようになった。
また、歩いているときヒトの腰は足の着地点を支点にした振り子運動のようになっている。片足をついてから腰がその足の真上に来るまでの間に、腰は弧を描きながら若干高い位置に持ち上げられる。このあと、腰は前に出て行きながら足を支点に弧を描いて若干下がっていく。この後半の動作は重力に従って腰を落とすだけなので、エネルギーを全く使わずに前に進むことができる。

つまり、ヒトはエネルギー効率よく長距離を歩くことで、広範囲の食料を探し回ることで生存できたのだ。

実はヒトの体毛が薄いのも、この特徴を生かすためのものだという。
ヒトは発汗により走りながら体温を下げることができるので、長時間を走り続けることができる。犬のように毛で覆われている動物は、走りながら体温を調節することができないので、一度止まって呼吸により体温を下げるしかない。犬が走った後に舌を出してハアハアしてるのがまさにこれだろう。
ヒトが狩猟採集民だったころには、ライオンのように瞬間的に獲物を捕らえることはできないが、持久走に持ち込んで獲物が疲れて止まったところを捕らえるという方法も使っていたようだ。

ミスマッチが問題

ダーウィンの進化論で考えると、ヒトは2足歩行を手に入れて長距離を移動するという生存戦略に300万年以上かけて適用してきた。
しかし、ショッキングなことに現代ではダーウィンの進化論も通用しなくなったらしい。

なぜなら、身体が環境に適応する前に、人が環境を変えてしまうからだ。

300万年もの長い間、ヒトは狩猟採集をして暮らしてきた。
つい1万前、300万年に比べればつい最近、ヒトに革命が起きた。
農耕・家畜を手に入れて長距離を移動しなくても食料を生産できるようになったのだ。
それからというもの、科学革命、産業革命、情報革命やらでヒトのライフスタイルはものすごいスピードで変わっている。
ヒトが楽できる方へと。

会社でPCとにらめっこして、食料はいつでも近所のスーパーで買えて、そのスーパーに行くのも車があってほとんど歩かない。なんてのが現代のライフスタイルだろう。

しかし、ヒトの身体は今も狩猟採集民の頃と変わらずに長距離を動き回ることに適応したままなのだ。なのに、現代はほとんど運動もせずにデスクワークばかりをしている。このミスマッチが肥満や糖尿病、腰痛、うつ病など、様々な現代の病気の根本的な原因となっていると言うのが進化医学の考えだ。

歩くことのパワー

進化医学の考えはわかりやすい。
健康になりたければ、原始人みたいになれと言うことだ。
つまり、狩猟採集の頃のように歩くことで本来のヒトの能力が発揮できるということだ。
この根本的なポイントを押さえることで、ヒトの体には様々な良い効果が現れる。

病気の予防
肥満や腰痛、糖尿病などの様々な現代の病気も、実は現存する狩猟採集民族にはほとんど見られない。食生活の違いなどももちろん重要だが、運動不足は万病の元になる。ウォーキングは負荷も低くてストレスにもならないし、誰でもできる最大の病気予防法の一つだ。

脳機能の向上
第2の心臓と言われるふくらはぎをポンプすることで、脳に回る血液も多くなり、脳のパフォーマンスがアップする。勉強や仕事のパフォーマンスを高めたいときは歩けばいい。アイデアが出ないときも気分転換に散歩すればいい。ボケるのを防止したいときも歩けばいいのだ。

疲労感の軽減
歩くと疲れるからイヤだなぁなんて心のどこかで思っている人も多いだろう。
研究によると身体活動レベルが低い人ほど主観的な疲労感が大きいという統計や、1日の座っている時間が長い人ほど疲労感が強いといった統計が分かっている。なんと、運動した方が主観的な疲労感は少なくなるのだ。

メンタルの改善
歩くことには不安やストレスの軽減といったメンタルの改善効果があり、気分を向上してくれる。自然の中を歩けばリラックスできるし、新しい散歩ルートを開拓するのも楽しい。歩くことを楽しもう!

睡眠の質改善
適度な運動は睡眠の質を向上してくれる。睡眠不足は脳機能の低下やメンタルの不調など様々な症状の原因になってしまう。よく歩いて、ぐっすり寝るのが一番!

原始の力を取り戻そう

ヒトの一つ一つの細胞のDNAには”歩く”という原始的な力が刻まれている

現代の大半の人は、座りっぱなしの生活で、この力を閉ざしてしまっている。

この力には解放するには歩けばいい。そうすれば、人はより健康的に、より活動的になることができるはずだ。

あなたも自分の中に眠る原始の力を信じて、歩き始めよう!

Naoto

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

コメントする