先延ばしの改善に一番効く方法は何か?の研究

メールの返信だったり
ちょっとした家事だったり
勉強や仕事だったり

やらなければいけない事をぐずぐずと先延ばしにしてしまうことってありますよね。

いつも明日やろうと決めては、また明日には「明日やろう」になってしまうあの厄介なやつです。

もちろん他に優先順位の高い仕事があるなど、理由があって意図的に先延ばしにすることは良いことなのですが、目先の誘惑に負けてやるべき事に手が付かないとなると、色々と悪い影響が出てきてしまいます。

例えば、

  • タスクが溜まって手がいっぱいいっぱいになってしまう
  • いつも忙しく感じてストレスが溜まってしまう
  • 仕事のパフォーマンスや学業成績が下がってしまう
  • そんな自分に嫌になってしまう

などなどですね。

そこで、本稿では先延ばしの効果的な改善方法について、「最も良い先延ばしの改善方法は何か?」を調査してくれた研究(*1)を参考にお話ししていきたいと思います。

4つのタイプの先延ばし改善方法

先延ばしの改善方法については、自己啓発本や心理学の研究などで様々な方法が提案されています。これらの方法を分類すると大きく次の4つのタイプに分けられるということです。

①自己抑制系

一つ目は自分をうまく抑制する能力を上げることで先延ばしを防ごうとする方法です。

このタイプの方法が具体的にどんなものかと言うと

  • 自分の感情を抑制する
  • やるべき事へのモチベーションを高める
  • 時間やタスク管理のツールを使う
  • 誘惑の少ない環境を整える
  • 他の人の支援を得る

といった系統の改善方法になります。

これらのテクニックで誘惑に負けずにやるべき事を優先する自己コントロールを上げようと言うわけですね。

②認知行動療法系

認知行動療法系の先延ばし改善方法では、表面的な自己コントロールではなく、より深い思考の部分の改善を目指します。人が何を感じてどのような行動を取るのかは思考が決めているのだから、この思考パターンを改善できれば、根っこから先延ばしは改善できるというわけですね。

特に私たちの普段の行動の多くは深く考えて行動しているのではなく、自動思考という習慣的な思考パターンに沿って、無意識に行動しています。なので自動思考で先延ばしにしてしまっている状態から、自動思考をより良い行動へと向きを変えればいいわけですね。

例えば、

皿洗いをやらないといけない
→自動思考でめんどくさいと感じてしまう
→ゲームをやって洗い物が溜まってしまう

という悪い自動思考があったら、

皿洗いをやらないといけない
→今やると洗い物は溜まらずに済むし、心もスッキリするから良い
→皿洗いに取り組む

という自動思考の解釈を良い方向へ向けてあげればいいわけですね。

③その他の心理療法系

3つ目はその他の心理療法系の先延ばし改善方法です。この方法は2つ目の認知行動療法とは別の心理療法を応用した先延ばしの改善方法となっています。

例えば、

  • アクセプタンス療法で、先延ばしの原因になっているネガティブな感情や目先の誘惑を、無理に抑制しようともせずに、ただ客観的な視点で自然に受け止める
  • パラドックス療法で、あらかじめ週に1時間だけ先延ばしをして良いというような制限を決める
  • コヒーレンス療法で、自分が先延ばししているときに、どんな事を感じていて、何が原因になっているのかを探る

といったことが当てはまります。

④強みと自己主張

4つ目の方法が強みと自己主張を応用する方法です。

自分の強みを鍛えたり、自己主張をする訓練をして、自分なら困難な課題でも努力次第で達成できるという自己効力感を高めることで、先延ばしを減らそうという方法になります。

一番効果があった方法はどれか?

これらの4タイプの方法のどれが一番効果があるのかを調べてくれたのがパーダーボルン大学の研究(*1)になります。

この研究では先延ばしの改善方法に関する44件の研究をメタ分析でまとめてくれています。

その結果によると、

  • ①自己抑制系には有意な効果はなかった(p=0.24)
  • ②認知行動療法系には大きな効果があった(p=0.02)
  • ③他の心理療法系には有意な効果はなかった(p=0.63)
  • ④強みと自己主張には少し効果があった(p=0.001)

ということで、一番効果が高かったのは②認知行動療法系の先延ばし改善方法という結果になっています。先延ばしは習慣とも紐づいたなかなか根が深い問題なので、認知行動療法のように思考という深い部分から行動を変える方法が効果が高いのかもしれませんね。

さらに、この研究からもう一つわかったことがあって

  • 実験の期間の長さに依らずに先延ばしの改善効果は一定であった

ということで、先延ばし改善効果は短期的にも長期的にも一定の効果があることが分かっています。短期的にも効果があるということは、早くから効果が得られるということなので嬉しいですね。

まとめ

本稿では「一番効果のある先延ばし改善方法は何か」についてお話ししました。

ポイントをまとめると

  • 先延ばしの改善には認知行動療法が一番効く!
  • この効果は短期でも長期でも一定の効果がある
  • 認知行動療法で先延ばしを改善するには、自分が先延ばしをしている自動思考を理解して、その思考を良い方向へ向けてあげれば良い

ということです。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1: Overcoming Procrastination? A Meta-Analysis of Intervention Studies

Naoto

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