未来が近くにあるとイメージするだけで長期的な選択がうまくなるという研究

時間は現在から未来へと途切れることなく流れていきます。そこで、「現在と未来の境目はどこにあるのか?」と考えると、明確な決まりはなく、人それぞれの感じ方次第で答えは変わります。

なので、人によっては未来はすごく近くに感じられるし、また他の人にとっては未来はずっと遠いものに感じられるということですね。

そして、この現象を調査した研究(*1)によると、現在と未来の感じ方によって「短期的な利益を取るか、長期的な利益を取るか」の選択の傾向が変わるというんですね。

そこで本稿ではこの研究を参考に、未来のイメージを変えることで、目先の誘惑に負けずに長期的な選択をするための方法についてお話ししていきたいと思います。

現在と未来の感じ方

この研究ではいくつかの実験により、現在と未来の感じ方が長期的な選択にどのような影響を与えるのかを調べていますので、それらの実験でわかったポイントを見ていきましょう。

未来と現在の境目とは?

最初にこの研究では

「現在はいつ終わって、将来はいつ始めると思いますか?」

という質問をして、現在と将来の境目がどこにあるのかを探しています。

その結果が次の表となっていて、

現在から未来の境目までの時間選んだ人の割合
今すぐ19.5%
1秒〜1分の間17.5%
1分〜1時間の間11.0%
1時間〜1日の間14.0%
1日〜1週間の間13.5%
1週間〜1ヶ月の間2.0%
1ヶ月〜1年の間3.5%
1年以上3.5%
将来の何らかのイベントの後15.0%

この結果から分かるのは

  • 人によって現在と将来の境目の感じ方にはバラツキがある
  • 大体半分の人は現在は1時間以内だと感じている

ということです。

また、「現在の終わり」と「未来の始まり」がいつかを別々に聞いた場合には、この2つの時間には隙間があるという結果になっています。つまり「現在」と「未来」の間にはどちらをとも言えないグレーゾーンがあるということでした。

未来の境目と選択

次にこの研究では、この現在と未来の境目の感じ方が長期的な選択にどう影響しているのかを実験で確認しています。

実験の手順としては

  1. 現在と未来の境目がいつなのかを答えてもらう
  2. お金が1000ドルあった場合に、次の2つ使い道にどのように金額を割り振るかを答えてもらう
    ①今の楽しみのために使う(短期的利益の選択)
    ②将来のために貯金する(長期的利益の選択)

ということ。

その結果として分かったことは

  • 現在と未来の境目が現在に近いほど、貯金(長期的な利益)を選択する割合が増えた!

ということなんですね。

現在と未来の境目が近いということは、未来がすぐに来ると感じているということで、逆に境目が遠いということは未来はずっと遠くにあって、長期的な利益もずっと遠くに感じてしまっているということですね。

近い未来をイメージするだけで選択が良くなる

次にこの研究では面白いことに、「意図的に未来が近いとイメージさせることで、長期的な利益を選択しやすくなるのか?」を実験してくれています。

どうやってイメージさせたのかというと、下の4つの図をのどれか一つを見せて、その後に先ほどの実験と同じようにどれだけ貯金するかを尋ねています。

この4つの図の違いとして

  • 上の2つが未来が近くて、下の2つは未来が遠い
  • 左の2つは現在と未来の境目がくっきりしていて、右の2つは境目がぼやけている

という特徴があります。

そして、実験の結果として分かったことは

  • 未来が近くて境目がくっきりしているイメージ(左上の図)を見た人は、貯金を選ぶ確率が一番高かった!

ということ。

つまり、未来が近いというイメージを見せるだけで、長期的な選択を選びやすくなるという面白い結果となっているんですね。なので、短期的な誘惑に負けそうなときは「現在はすぐに終わって、未来がすぐ始まる!」と意識するだけで選択がうまくなる可能性があるということですね。

まとめ

本稿では「現在と未来の境目が選択に与える影響」についてお話ししました。

ポイントをまとめると

  • 現在と未来の境目が近いと感じている人ほど、長期的な選択がうまい傾向がある
  • 未来がすぐ近くにあるというイメージをするだけでも、長期的な選択がうまくなる

ということですね。

なので、選択で迷いそうなときは、「現在はすぐに終わって新しい未来が始まる」という下の図のイメージを思い出すと良さそうですね。

例えば、やる気が出なくてダラダラしてしまうときも、明日やろうと考えるのではなくて、「10分後にはダラダラな現在は終わって、新しい未来が始まる」と思えば、すぐに取りかかれるかもしれません。

簡単だしなかなか面白いテクニックだと思うので、試してみてはいかがでしょうか。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1: When Does the Present End and the Future Begin?

Naoto

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