平日の寝不足は休日にたくさん寝ても回復しきれないという研究結果

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睡眠は健康にとって大事なことの一つですが、最近では睡眠不足に悩まされる人も多いようです。仕事が忙しくて睡眠時間が十分に取れなかったり、深夜までゲームやSNSをやってしまったりとかですね。

それで、次の日が休日であれば、翌日の朝に早く起きなくてもいいので十分に寝ることができますが、平日には仕事や学校があるので、無理してでも朝早く起きなければいけません。

睡眠不足気味の人は「平日は睡眠時間が短くて、休日はいっぱい眠る」という生活のパターンの人が多いのではないでしょうか。

そこで、このような休日の寝溜めで本当に体は回復することができるのか?を調べてくれた研究(*1)があったので、本稿ではその研究の内容を見ていきたいと思います。

休日の睡眠と体の回復

この研究はスタンフォード大学らが行った研究で、その特徴としては

  • 14人の健康的な成人で実験している
  • 4時間睡眠を5日間、その後に8時間睡眠を2日間を合計3週間行ってもらう
  • 食事の内容や部屋の温度、部屋の照明の明るさなど、細かなところまでしっかりとコントロールしている
  • 睡眠不足と回復の効果として、主観的な感覚と体の中のストレス反応といった生理現象の両方を測定している

といった感じです。

睡眠不足に関する研究は、1日単発で睡眠不足にして、その次の日に体がどんな状態になっちゃうのかを調べた研究が多く、このように睡眠不足と回復のパターンを長期的に実験する研究は比較的に珍しいみたいですね。

結果1:主観的な睡眠不足感

この研究では、主観的な感覚としての睡眠不足として3つの指標を測定しているの順に見ていきましょう。

①ストレス感

3週間に渡るストレス感の変化が次のグラフとなっています。

赤線が睡眠不足のグループ、青線がコントロールグループとなっていて、

  • 睡眠不足になっても主観的なストレス感は特に感じない

ということがわかります。

この実験では仕事が忙しいとかで睡眠不足になっているわけではなく、余裕のある生活の中でただ睡眠時間だけ短くしているので、ストレス感という意味ではあまり感じなかったのかもしれませんね。

②眠気

次に主観的な眠気の変化は次のグラフの通り。

赤線の変化を見れば分かるように、睡眠不足の平日に眠気は高まって、休日の回復時に元のレベルまでガクッと下がっています。つまり

  • 主観的な眠気は休日の睡眠で十分に回復することができる

ということですね。

③何かをやろうとする活力

最後に何かをやろうとする活力感の低下は次のグラフとなっています。

活力感の低下も平日の睡眠不足の時期に高まり、休日に十分に回復していることがわかります。さらに週1〜週3にかけて次第に山の高さが低くなっているので

  • 何かをやろうとする活力感は休日に十分に回復することができ、さらに睡眠不足が続くとだんだんと慣れて活力感は低下しにくくなる

ということなんですね。これは面白い結果ですね。

結果2:体の生理的な回復

この研究では血液検査などにより、体のストレスなどを生理的なレベルで回復できているのかを確認しているので、その結果を見てみましょう。

①コルチゾール

ストレスホルモンであるコルチゾールは特に朝の起き抜けに高くなる傾向があるのですが、睡眠不足になるとこの朝のコルチゾールのレベルがさらに高くなってしまうという結果が得られています。

その変化の様子が上のグラフとなっています。赤線を見れば分かるように、睡眠不足になるとコルチゾールのレベルは高まっていき、休日に睡眠をとっても少し改善するだけで元のレベルには戻っていません。

つまり、

  • コルチゾールは睡眠不足が長引くほど高まってしまい、休日のみでは回復できない

ということなんですね。

主観的なストレス感は向上しないという結果になっていましたが、体内のストレスホルモンは休日の睡眠でも回復せずにしっかりと残ってしまっているようですね。

②インターロイキン-6 (IL-6)

IL-6は体内の炎症に関係する物質で、慢性的な炎症はメタボや心臓血管の病気、神経系の病気など様々な病気のリスクを上げてしまうことがわかっているんですね。

それで睡眠不足が続いたときのIL-6の変化が次のグラフとなっていて

IL-6もコルチゾールと同じようなグラフとなっていて

  • 睡眠不足が長引くほどに体の炎症が進み、休日の睡眠では回復できない

ということが分かります。

休日の寝溜めでは炎症が進んでしまうということで、健康を考えるならやっぱり平日から十分な睡眠時間を確保しないといけないようですね。

③グルココルチコイド

グルココルチロイドは体の炎症を抑えてくれる働きのある物質ということです。睡眠時間が続いたときにこのグルココルチロイドがどのように変化したのかが次のグラフとなっています。

赤線が青線を下回ってしまっていることから分かるように

  • グルココルチロイドの炎症を抑制する効果は、睡眠不足が続くと低下してしまい、休日の睡眠では回復しない

という結果が得られています。

グルココルチロイドも休日のみでは回復しないということで、体内で起きている生理現象のレベルでは、休日の睡眠のみでは回復しきれないということですね。

まとめ

本稿では「睡眠不足は休日のみ睡眠で回復できるのか?」についてお話ししました。

ポイントをまとめると

  • 主観的な眠気や活力感は休日の睡眠で十分に回復する!
  • しかし、体内の生理現象レベルでは、休日の睡眠のみでは体は回復できていない!
  • なので、毎日しっかりと睡眠時間を確保することが大切!

ということですね。

休日の睡眠だけ増やしても体は回復しきれないということで、やっぱり平日も休日も一定して十分な睡眠を取ることが大切みたいですね。主観的な感覚では休日の睡眠のみでも十分に回復してる感じはしてしまうみたいなので、感覚はあまり信じずに、余裕を持った睡眠を取るように注意したいですね。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1 : Repeating patterns of sleep restriction and recovery: Do we get used to it?

Naoto

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