カフェインで筋トレの動作速度が上がるのかのメタ分析

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仕事や勉強で眠くなったときに飲まれるカフェインですが、カフェインの覚醒作用は運動のパフォーマンスも向上してくれることが分かっています。

カフェインは疲労感を軽減する作用があるので、特に持久系の運動のパフォーマンスアップに有効。さらに、持久力向上に比べて効果は劣りますが、最大筋力を若干向上してくれることが確かめられた研究もあります。なので、カフェインを摂取することで筋トレの効果アップが期待でき、実際にプレワークアウトサプリメントにもカフェインが含まれているものが多いんですね。

そして、本稿で注目するのは、カフェインのさらなる一面、

  • カフェインは筋トレの動作速度を向上するのか?

です。カフェインによる筋力の向上は少しでしたが、動作速度はどれだけ向上するのか?この問題を調べてくれたイザベルI大学の研究(*1)を見ていきましょう。

カフェインと筋トレの動作速度

この研究では、筋トレの動作速度がカフェインによってどれだけ向上するのかを調べた12件の研究をメタ分析でまとめてくれています。小規模なメタ分析ではありますが、

  • 総対象者数は151人
  • 二重盲検法のランダム化比較試験の研究のみが対象

ということで、質が高めのデータを集めています。

ちなみに、カフェインの摂取量は体重1kgに対して1〜9mgで、研究によりカフェインの摂取量に差はあります。そして、筋トレで扱う重量も低重量〜高重量までばらつきがあり、重量による動作速度の効果の違いも分析してくれています。

結果1:カフェインと動作速度

早速、筋トレの動作速度がカフェインでどれだけ向上したのかを見てみると、

  • 低重量の筋トレで動作速度は大きく向上した(効果量=0.78)
  • 中重量の筋トレで動作速度はそこそこ向上した(効果量=0.58)
  • 高重量の筋トレで動作速度は大きく向上した(効果量=0.70)

という感じ。中重量だけ少し効果量が低くなっていますが、ばらつきを考えるとあまり有意な差ではないでしょう。

ちなみに、筋力や持久力への効果を調べた過去の研究では

  • 筋力の向上は効果量が0.16〜0.20
  • 持久力の向上は効果量が0.28〜0.38

ということ。動作速度の向上は筋力や持久力よりもかなり大きな効果が得られることが分かります。今まで知らなかったカフェインの新たな強みの発見ですね。

結果2:ピーク速度と平均速度

筋トレの動作の速度にも、瞬間的な最大速度と動作の平均速度の2つがあります。この2つでの効果の違いも見てみると

  • 最大速度の向上は効果量0.41
  • 平均速度の向上は効果量0.80

ということ。

最大速度も捨てたものではありませんが、平均速度の方が効果量が高いことが分かります。つまり、カフェインを摂取することは、筋トレの動作全体の速度や、セットの後半での動作速度を向上させ、筋肉の追い込みを強くしてくれる可能性があるわけですね。

結果3:上半身と下半身の筋肉

最後に上半身の種目(ベンチプレスなど)と下半身の種目(スクワットなど)で効果の差を見てみると

  • 上半身の種目の動作速度は効果量が0.59
  • 下半身の種目の動作速度は効果量が0.82

ということ。

上半身が若干低くなっていますが、統計的にはあまり有意な差ではありません。なので、上半身も下半身もどちらも効果ありと認識しておけば大丈夫でしょう。

まとめ

本稿では、「カフェインと筋トレの動作速度」についてお話ししました。

ポイントをまとめると

  • カフェインを飲むことで筋トレの動作速度がグッと向上する
  • 動作速度の向上効果は、筋力や持久力の向上効果よりもずっと大きい
  • 最大速度よりも平均速度が特に大きく向上する
  • 動作速度の向上は上半身にも下半身にも効果がある

ということ。

筋トレは3回〜15回くらいの重量設定で行うことが多く、最大重量でトレーニングすることはほとんどないと思います。そう考えるとカフェインの最大筋力の向上はあまり重要ではなく、どちらかといえば動作速度の向上の方がずっと筋トレには大切なのかもしれませんね。

筋トレ前には体重1kgに対して1〜9mgのカフェインを摂取すると良いでしょう。9mgを超えると、心拍数が高まったり眠れなくなったりと副作用も出るかもしれません。少しずつ増やしていって自分に合った量を見つけましょう。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1 : Acute Effects of Caffeine Supplementation on Movement Velocity in Resistance Exercise: A Systematic Review and Meta‐analysis

Naoto

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