幸せな人ほど健康的で寿命も長いは本当なのか?

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幸福感が高いことはそれ自体が良いことですが、幸せであることは波及して他の良い効果をもたらすことがあります。例えば、

  • 幸せは人ほど仕事のパフォーマンスが高い
  • 幸せな人ほど人間関係がうまくいく
  • 幸せな人ほど判断がうまい

などの効果があるんですね。

そこで本稿では、幸せの効果として

  • 幸せな人ほど身体的にも健康で、寿命が長いのか?

についてまとめてくれたエラスムス・ロッテルダム大学の論文(*1)を見ていきましょう。

幸福感と健康

エラスムス・ロッテルダム大学の論文では、幸福感と健康の関係について調べた研究30件をレビュー形式でまとめてくれています。集められて研究は、どれも幸福と健康状態を数年〜数十年かけて追跡調査したフォローアップ形式の研究となっています。

幸福感と健康の相関

まず幸福感と健康状態の相関関係を見てみると

  • 幸福感と健康状態の相関関係はr=0.10〜0.40となっていて、幸せな人ほど健康的である関係が確認された
  • この相関関係は病気の患者を対象にした研究で強く、健常者を対象にした実験では弱めに出た

ということ。

フォローアップ形式の研究では、ある時点の幸福感を測定して、その後の健康状態の変化を観察しています。相関関係ではどちらが原因でどちらが結果なのかの方向性が問題になることがありますが、これらの研究結果からすると幸福感が健康状態を高める方向に働いている可能性が高いということです。

幸福感と寿命

次の幸福感の高い人ほど長生きなのかを調べて研究の結論としては、

  • 病気にもかかっていない健康状態の良い人を対象にした研究では、幸福感が高い人ほど寿命が7.5〜10年ほど長いことが分かった
  • すでになんらかしらの病気を患っている人を対象にした研究では、幸福感が高くても寿命は特に変わらなかった(症状が軽めの病気では寿命が長くなることもあったが、症状が重い病気では寿命は伸びなかった)

ということ。

幸福感はすでにかかってしまった症状の重い病気を回復させる効果まではないようです。しかし、軽めの病気であったり、病気にかかっていない人に対しては、幸福感が高いと7.5年も寿命が伸びるという大きな効果となっていて、これは嬉しいですね。

幸福感はなぜ健康に良いのか?

それではなぜ幸福感が健康につながるのか?には4つの理由が考えられるということ。

  • ①幸福感が免疫や血圧が改善する
    体にストレスがかかると、ライオンに出くわした時と同じように、闘争逃走反応が起きて体が戦闘モードになります。不幸な状態では慢性的に闘争逃走反応が起きてしまって、血圧が上昇したり免疫の低下が続くので、幸福であることは健康を保つのに役立ちます。
  • ②幸福な人ほど生活習慣が良い
    運動の習慣があったり、飲酒や喫煙が少なかったりと、幸福感になると良い生活習慣になりやすい傾向があります。
  • ③幸福な人ほど活動的である
    幸福な人ほどアクティブに色々なことの挑戦する傾向があります。うつ状態で何もやる気が起きないのと逆で、活動的になると人間関係が広がったり、体が強くなったりして健康を促進します。
  • ④幸福な人ほど選択がうまい
    幸福な人ほど新しいことに抵抗がなく、自分に自信を持っているため、特定の考えに固執することが少なく、幅広い選択肢を考えることができます。ポジティブな思考の方が、視野が広がって長期的な利益を選択するのがうまいということですね。

幸福と健康を高めるためのアドバイス

最後にこの研究では幸福と健康を高めるための4つのアドバイスをまとめています。

  • ①楽しさを見つける
    ネガティブな性格かポジティブな性格かは生まれつき決まる部分も大きく変えるのも大変だが、人生の楽しむことは自分でコントロールすることができる。例えば、スポーツを楽しんだり、ワインを飲むのを楽しんだりと、自分に合った娯楽を見つけることはずっと簡単にできるはず。
  • ②選択を学ぶ
    何が自分を幸せにしてくれるのかは意外と自分でも分からないもの。例えば、高い給料の仕事が良いはずだと思って選んだけど、通勤時間が長くなって逆に幸福感が低下してしまうなど、自分から不幸な選択をしてしまうことがあります。自分で正しい選択ができるようになるためには、自分が想定する幸福感と実際に得られた幸福感のギャップを振り返るようにすると良いです。
  • ③成長する
    人には成長を喜ぶ気持ちが備わっていて、新しいことをできるようになったときや、目標に向かって進捗したときに幸福感を感じるものです。自分で成長の機会を見つけていくと幸福感が高まります。
  • ④意味を探す
    例えば清掃の仕事をするのでも、ただお金をもらうためにやると考えるのと、綺麗にして他の人に心地よく使ってもらうためにやると考えるのでは、仕事のモチベーションや満足感が全く変わります。人生の意味や社会貢献など、より大きな意味を見つけられると幸福感が高まります。

まとめ

本稿では「幸せな人ほど長生きなのか?」についてお話ししました。

ポイントをまとめると

  • 幸せな人ほど健康で寿命も7.5年ほど長い
  • 幸せは重い病気を治す効果はないが、免疫や血圧を改善して病気にかかりにくくする効果はある
  • 幸せが健康を高めるのは、免疫の向上や生活習慣の改善、活動量や選択の改善があるから
  • 幸せと健康を高めるには、①楽しさを作ること、②何が幸せなのかの選択を学ぶこと、③成長をすること、④意味を探すことが大切

ということ。

何をすれば幸福感が高まるのかは本ブログでもいろいろ研究成果を取り上げているので参考にしてみてください。

以上、本稿はここまで。

[参考文献]

*1 : Healthy happiness: effects of happiness on physical health and the consequences for preventive health care

Naoto

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