GRIT(やり抜く力)の3つの要素は、どれが幸福感を高めているのか?

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GRITとは、努力を継続して長期的なゴールを達成する能力のこと。心理学者のアンジェラ・ダックワーズの本「GRIT(やり抜く力)」で一躍有名になりました。

そして、この本の中でも説明されていますが、GRITには様々な良い面があって

  • GRITが高い人ほど、学業成績が良い
  • GRITが高い人ほど、自己コントロールが上手い
  • GRITが高い人ほど、モチベーションが高い

など、パフォーマンスを高めて成功しやすくなることがわかっています。

さらに、GRITの効果はメンタル面にも良い効果があって

  • GRITが高い人ほど、人生の満足感を高くかんじてい
  • GRITが高い人ほど、幸福感が高い
  • GRITが高い人ほど、人生に意味を感じている

といった効果まであるんですね。

そこで本稿では

  • GRITを継続した努力・関心の一貫性・状況への適応の3つの要素に分解したとき、幸福感を向上しているのはどの要素なのか?

を調べてくれた研究(*1)を見ていきましょう。

GRITの3つの要素とは

この研究では、GRITを次の3つの要素に分けるモデルを使っています。

  • ①継続した努力
    忍耐強く努力を継続できる力
  • ②関心の一貫性
    一つのことに関心を持って、その関心を維持することができる力
  • ③状況への適応
    状況の変化に応じて、努力の仕方を変えることができる力

GRITはやり抜く力なわけですから、一つのことに努力を注ぎ込み、困難な状況などにも適切に対応して乗り越えていく力が大切ということですね。

それで、この研究では上記のGRITの3つの要素と幸福感の関係を3カ国で調べています。なぜ3カ国で行ったのかというと、GRITは集団主義の国と個人主義の国で効果が変わる可能性があるからで、

  • フィリピン:集団主義の国(個人主義スコア32)
  • 日本:個人主義と集団主義の中間の国(個人主義スコア46)
  • ポーランド:個人主義の国(個人主義スコア60)

が選ばれています。

結果:GRITの3つの要素と幸福感

早速研究の結果を見てみると、

  • 継続した努力は、日本では持続的な幸福感を高め、フィリピンとポーランドでは人生の満足感を高めていた
  • 関心の一貫性は、どの国でも幸福感・満足感を高めなかった
  • 状況への適応は、どの国でも持続的な幸福感を高め、日本とポーランドでは人生の満足感を高めていた

ということ。

つまり、GRITが幸福感を高めるのは主に継続した努力と状況への適応の2つの要素の効果ということ。関心の一貫性は幸福感を向上してくれないどころか、他の研究では幸福感を逆に低下してしまうという結果も得られていたりします。なので、一つのことに固執するのでなく、関心は様々なことに広げた方が人生は楽しくなるのかもしれませんね。

ちなみ、継続した努力の効果が国によって違うのは、日本は勤勉で長期的な視野を大切にするので、持続的な幸福感が高まりやすい。一方でフィリピンやポーランドは日本と比べて短期的な視野の人が多いので、一時的な幸福感が高まりやすいということが考えられるようです。

最後に、状況への適応はどの国でも幸福感を向上しています。状況への適応能力が高いということは、人生の困難な場面でもうまく対処できるということなので、人生がうまく行きやすいのでしょう。これらの結果をまとめると、一つのことや一つのやり方に固執することなく、状況に応じて柔軟に対応しながら努力を継続できるのが一番良いということですね。

まとめ

本稿では「GRITの3つの要素と幸福感」についてお話ししました。

ポイントをまとめると、

  • GRITには継続した努力・関心の一貫性・状況への適応の3つの要素がある
  • 幸福感を向上してくれるのは、継続した努力と状況への適応の2つの要素
  • 関心の一貫性は幸福感を逆の低下してしまうことがある
  • なので、一つのことや一つのやり方に固執することなく、状況に応じて柔軟に対応して、努力を継続できるのが一番良い

ということ。

GRITが高い人は、努力を継続した結果として自己実現ができるので、人生の満足感や幸福感が高まるのでしょう。なので、自分らしい人生を達成することを目標に、柔軟に努力をしていきましょう。


[参考文献]

*1 : Is Grittiness Next to Happiness? Examining the Association of Triarchic Model of Grit Dimensions with Well‐Being Outcomes

Naoto

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