心理対比でネガティブなフィードバックもうまく活用できるようになるという研究

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他人から褒めてもらうなどポジティブなフィードバックをもらうのは嬉しいことです。一方で、自分の問題点を指摘されたりとネガティブなフィードバックは、例えそれが自分にとって有益な情報であっても、できれば避けたいと心のどこかで思ってしまいます。

そこで本稿では、ネガティブなフィードバックについて

  • 心理対比を使うと、ネガティブなフィードバックもうまう受け入れて活用できるようになるのか?

を確かめてくれた研究を見ていきたいと思います。

目標達成と心理対比

目標の達成に関するアドバイスでは「達成したときのイメージをしよう」とか「ポジティブに考えよう」とか、目標達成の良いイメージばかりを強調するものが多いです。しかし、この方法ではあまり効果的でないことが分かっていて、ただ楽観的になるだけだと、目標達成の壁にぶつかった時に挫けてしまいやすいんですね。

そこで大切なのが、心理対比のテクニックで、この方法では目標達成の良い面だけでなく、現実的な問題点にも目を向けます。例えば、ダイエットの場合には、「ダイエットして痩せたらモテるぞ」という良いイメージをするのと一緒に、「お菓子をどうしても我慢できずに食べてしまうかも」と目標達成が失敗する可能性も想定しておきます。こうすると何が良いのかというと、ダイエットの目標達成でぶつかる課題に対して、あらかじめ心の準備ができたり、「お菓子の代わりにナッツを食べる」みたいな具体的な対策を考えておくことができるんですね。

心理対比とフィードバック

心理対比はポジティブとネガティブの両方に目を向けて、その両方を目標達成にために活用します。そのため、心理対人をこなう人はフィードバックに対する反応も変わって

  • ネガティブなフィードバックを目標達成に活用できる重要な情報だと捉えるようになって、うまく受け入れられるようになるのではないか?

ということが考えらます。

この説が本当なのか?

心理対比の研究で有名なオッティンゲン博士らが4つの実験で確かめています。これらの実験では

  • 心理対比グループ
    理想の未来2つと現実的問題2つを書き出す
  • ポジティブグループ
    理想の未来4つを書き出す
  • ネガティブグループ
    現実的問題4つを書き出す

の3つのグループで、ポジティブなフィードバックとネガティブなフィードバックをもらった時の反応がどのように違うのかを分析したんですね。

結果:心理対比とフィードバックの反応

実験の結果を見てみると、まずポジティブなフィードバックに関しては

  • 3つのグループでポジティブなフィードバックへの反応は変わらなかった
  • どのグループでもネガティブなフィードバックよりも、ポジティブなフィードバックを好む傾向も変わらなかった

ということ。

やはりどのグループでも、ポジティブなフィードバックは嬉しいもののようですね。

次にネガティブなフィードバックに関しては

  • 心理対比と行った人は、ネガティブなフィードバックをより強く記憶していた
  • 心理対比を行った人は、ネガティブなフィードバックをうまく受け入れていた
  • 心理対比を行った人は、ネガティブなフィードバックを活用して、具体的な行動計画を立てていた
  • 心理対比を行った人は、ネガティブなフィードバックを受けても、有能感が低下しにくかった
  • 心理対比を行った人は、ネガティブなフィードバックの後でも、楽観性も保っていた

ということ。

この結果からすると、心理対比を行うことでネガティブなフィードバックを前向きに受け入れて活用することができるようになっていることがわかります。しかし、この結果については1点重要な注意点もわかっています。

結果:心理対比の注意点

心理対比の注意点とは

  • 目標達成の見込みが高い場合には、心理対比は上記の効果を発揮した
  • 目標達成の見込みが低い場合には、心理対比は上記の効果とは真逆の結果になってしまった

ということ。

つまり、自分では目標達成できそうにないと感じてしまっている場合には、心理対比で現実的な問題点に目を向けるても、より目標を困難に感じさせてしまうだけで、逆効果になってしまうんですね。

なので、心理対比を行う場合には、目標を達成できそうなレベルにした上で、この目標を現実的にどう乗り越えようかという視点で行うようにしましょう。

まとめ

本稿では「心理対比とネガティブなフィードバックの受け入れ」についてお話ししました。

ポイントをまとめると、

  • 目標を達成できる見込みを高く感じている場合には、心理対比を行うとネガティブなフィードバックを前向きに受け入れられるようになる
  • 目標を達成できる見込みを感じていない場合には、心理対比は逆効果になってしまう

ということ。

目標の達成率高めるためには、心理対比を行って、ポジティブなフィードバックもネガティブなフィードバックも、有益な情報として目標達成に活かしていきましょう。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1 : Mental Contrasting and the Self-Regulation of Responding to Negative Feedback

Naoto

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