自分で寄付することを選んだ人の方が、幸福感の向上は大きいのか?

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幸福感を向上させるお金の使い方の一つとして、他人のためにお金を使ってあげることが効果ありと心理学の研究で分かっています。子供にプレゼントを買ったり、友達にご飯を奢ったり、チャリティーに寄付をしたりと、他人に親切にすることが幸福を高めてくれるわけですね。

そこで本稿では、このお金を他人に使うことの効果として、

  • 他人にお金を使うことを、自ら選ぶのか、強制的に選ばされるのかで、幸福感の向上も変わるのか?

について調べてくれたリンショーピング大学の研究を見ていきたいと思います。

実験:自分から進んで寄付する方が良いのか?

リンショーピング大学の研究では、788人の参加者を対象にして、ゲームを行っています。このゲームでは5つの扉のうちのいずれかを選択し、選んだ扉に応じて賞金が得られるようになっています。そして参加者はゲームが終わった後で、賞金に一部をチャリティーに寄付するかどうかの選択をするようになっているのですが、この選択に幾つかのパターンを用意しています。

  • 強制寄付グループ
    特別ボーナスの2ドルがチャリティーに強制的に寄付されるグループ
  • デフォルトなしの選択グループ
    特別ボーナスの2ドルを、チャリティーに寄付するか、自分で貰うかを選択できるグループ
  • デフォルト寄付のグループ
    デフォルトの設定が2ドルを寄付することになっていて、自分で貰いたければそちらに変えても良いグループ
  • デフォルト貰うグループ
    デフォルトの設置が2ドルを自分でもらうことになっていて、寄付したければそちらに変えても良いグループ

これらのグループによって、同じ金額を寄付した人にも

  • 強制的に寄付が選択された人
  • デフォルトなしで自分で寄付を選んだ人
  • デフォルトが自分で貰うだけど、わざわざ寄付に切り替えた人

の3つの違いができるわけですね。

そして、これらの選択の仕方が幸福感に与える影響を調べるために、

  • ポジティブ感情
  • ネガティブ感情
  • 幸福感

といった心理面の変化が測定されています。

結果:寄付した人と自分でもらった人

まず選択の仕方を考えずに、寄付するか自分で貰うかの違いを見てみると、

  • チャリティーに寄付をした人は、自分で貰った人よりもポジティブ感情が高かった

ということ。

これは先行研究と同様で、他人にお金を使うことが幸福感にとってプラスになることが確認されています。

結果2:選択の仕方の影響

続いて選択の仕方の影響を見てみると、

  • デフォルトなしの選択で寄付を選んだ人は、強制的に寄付の人よりもネガティブ感情が少し高くなっていた
  • デフォルトが自分で貰う選択で寄付に切り替えた人は、デフォルトなしで寄付を選んだ人よりも、ポジティブ感情が高く、メガティブ感情が低くなっていた

ということ。なので順位付けするとなると

  • デフォルトが自分で貰うから寄付へ切り替え
  • 強制的に寄付
  • デフォルトなしで寄付

の順番で幸福感が高かったというわけですね。

自分で寄付を選択するということは、自分がもらえる金額を諦めるということでもあるので、未練があるとネガティブ感情が高まってしまうのかもしれませんね。ちなみにデフォルトが設定されている場合は、63%の人がデフォルトのまま変更しなかったという結果になっています。デフォルトからわざわざ寄付に切り替える人は、それだけ寄付への意思が強いので、幸福感の向上も大きかったのかもしれませんね。

結果3:自分で貰うことの選択

ちなみに、自分でお金をもらうことを選択した人の結果を見てみると、

  • デフォルトのまま自分でお金をもらった人よりも、デフォルトなしで自分で貰うを選択した人の方が、満足感を高く感じていた
  • デフォルトが寄付で、自分で貰うに変更した人は、デフォルトなしの人よりも、ポジティブ感情を高く感じていた

ということ。

なので、順番としては、

  • デフォルト寄付から切り替えてお金をもらった人
  • デフォルトなしでお金をもらうことを選択した人
  • デフォルトのままお金をもらった人

と、自分からお金をもらうことを選択した人の方がポジティブ感情や満足感は高まっています。もちろん、これらのどのグループよりも寄付をしたグループが幸福感は高いのですが、自分でお金をもらうにしてもアクティブに選択した方が良いみたいですね。

まとめ

本稿では「自ら進んで寄付を選ぶ人の方が、幸福感は高まりやすいのか?」についてお話ししました。

ポイントをまとめると、

  • 自分でお金をもらうよりは、寄付した方が幸福感が高まりやすいのは確か
  • しかし、強制的に寄付するよりも、自ら寄付を選ぶ場合はネガティブ感情が高まりやすい
  • ただし、デフォルトが自分で貰うで、そこから寄付に切り替える場合はポジティブ感情が高まり、ネガティブ感情は低下する

ということ。

お金を他人に使ってあげると幸福感が高まりやすいのは間違いないので、基本的にはプレゼントとか寄付とかはしてあげる方が良いでしょう。ただし、お金を自分で使えないことに未練を感じたり、後でお金を使ってしまったことを後悔する可能性があるときは、ネガティブ感情も高まってしまう可能性があるので、あまり無理はしないでいいのかもしれません。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1 : To give or to take money? The effects of choice on prosocial spending and happiness

Naoto

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