計画を正確に立てるなら過去の実績が一番参考になるという研究

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人は計画を楽観的に立てすぎてしまう傾向があります。仕事や勉強が計画通りに終わらないことは誰もが経験するもので、どうしてこんな無茶な計画がいける気がしたんだろうと、後悔することも多いでしょう。あるデータによれば仕事のプロジェクトのおおよそ50%は計画通りに行くことはないとも言われているので、こうした計画の誤算は本当のよくあることなんですね。

そこで本稿では、計画を正確に見積もるための手法として

  • 計画するタスクの詳細に知ることと、過去の似たタスクの実績を知ることは、計画の精度を上げてくれるのか?

について実験してくれた研究(*1)を見ていきましょう。

実験:どんな情報が計画の精度を上げるのか?

この研究では139名を対象に、あるタスクにかかる時間を見積もってもらいます。どんなタスクかというと、

  • 16個の数字が画面に映し出されるので、合わせるとちょうど100になる数字のペアを探す
  • これを10セットの数字で繰り返す

というもの。一見すると2つの数字を見つけるだけなので簡単そうに見えますが、一つ仕掛けがされています。実は数字が15とか24とかの整数ではなく、13.2とか86.8とかの少数になっているんですね。

そして、参加者は時間を見積もるときにグループ分けがされていて

  • タスクの概要しか情報がないグループ
  • タスクの概要に加えて、タスクの詳細情報(例題1つ)が与えられるグループ
  • タスクの概要に加えて、過去にやった人の実績が与えられるグループ

の3グループで計画の精度に差が出るのかを測定しています。

結果 1:追加の情報がないグループ

早速実験の結果を見てみると、まず最初に概要しか情報がなかったグループは

  • タスクにかかる時間を少なく見積りすぎていて、計画の精度が一番悪かった

ということ。追加の情報がない場合には、人は計画を楽観的に考えすぎてしまうようです。

結果2:詳細情報を得たグループ

次にタスクの詳細な情報を得たグループがどうなったのかというと、

  • タスクの詳細情報を得たグループは、時間を少なく見積りすぎる傾向はなくなっていた
  • しかし、計画のばらつき幅が大きくなっていて、精度は改善していなかった

ということ。

例題の情報を見ることで、少数で難しそうだなという印象を持つと、確かに時間を多めに見積もるようになるということ。しかし、逆に時間を長く見積りすぎてしまう人が出てきたりして、計画の精度としては改善はされなかったんですね。

結果3:過去の実績情報を得たグループ

最後に過去の実績の情報を得たグループの結果を見てみると、

  • 過去の実績を参考にしたグループは、計画を少なく見積りすぎるバイアスが無くなっていた
  • さらに、計画の精度も向上して、一番計画の誤差が少なくなっていた

ということ。

なんと、過去の実績情報グループのみが計画の精度が改善しています。つまり、計画の精度を上げるには、プロジェクトやタスクの詳細を吟味するよりも、似たようなプロジェクトやタスクの過去の実績を参考にした方がいいんですね。過去の実績には、想定外の出来事で遅れたことなども全て含まれているので、そうした点が精度の向上に役立っているのかもしれませんね。

まとめ

本稿では「精度の良い計画立て必要な情報は何か?」についてお話ししました。

ポイントをまとめると、

  • 人は計画を楽観的に甘く見積りすぎてしまうバイアスがある
  • タスクの詳細情報を参考にすると、楽観バイアスはなくなるが、逆に多く見積りすぎたりして、精度は向上しなかった
  • 似たようなタスクの過去の実績を参考にすると、楽観バイアスはなくなるし、計画の精度も向上した

ということ。

計画を立てるときには過去の実績がどんなものかをモノサシにするようにしましょう。例えば、読書の目標を決めるなら、これまでの実績では1冊読むのに何日かかっていたか?を考えて、そこから月で何冊読めるかを割り出せば良いわけですね。この実績の分析しないと、勢いで無茶な目標を立ててしまうので注意しましょう。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1 : Improving the accuracy of project schedules

Naoto

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