マインドフルネスは孤独感を軽減し、体の炎症も低下させるという研究

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孤独感は心の健康と体の健康にとって悪いもので、病気や死亡のリスクを高めてしまうことが分かっています。特に高齢者になると孤独感も感じやすいもので、孤独を感じる高齢者ほどアルツハイマー病にもなりやすいということ。

孤独感に拍車をかけるのがコロナの影響。外出の自粛やリモートワークなど、人と触れ合う機会は以前よりも減って、人間関係が希薄になってしまった人も多いのではないでしょうか。

そこで本稿では、家で一人でもできる孤独感対策として

  • マインドフルネスで孤独感は和らぐのか?

について調べてくれた研究を見てみましょう。

マインドフルネスと孤独感

今回注目する研究では、

  • マインドフルネスストレス低減法を実践すると、孤独感が減って、体は健康になるのか?

が実験されてます。

マインドフルネスストレス低減法とは、瞑想などのトレーニングを通じて8週間でマインドフルネスを高めるプログラムのこと。このプログラムでは、週1回の2時間程度のグループセッション、毎日30分の自宅トレーニング、終盤には丸一日かけたトレーニングを1回行われます。

そして8週間のトレーニングの効果として

  • 孤独感がどのように変化したのか?
  • 体内の炎症はどのように変化したのか?

が測定されています。

体内の炎症は様々な病気の原因となるもので、体の健康度を示す指標の一つになります。不健康な食生活、運動不足、睡眠不足など、生活習慣の乱れは体の炎症とも深く関わっていて、生活習慣が悪い人ほど体内の炎症もひどくなってしまっているんですね。

結果:マインドフルネスと孤独感

まずは孤独感に関して、実験の結果を見てみると、

  • 8週間のトレーニングの前後で、孤独感は有意に低下していた
  • トレーニングを受けていない人と比べて、トレーニングを受けた人は孤独感を感じにくくなっていた
    (M=35.65 vs M=42.33)

ということ。

マインドフルネスのトレーニングを行うと、孤独感もしっかりと低下しています。もともとマインドフルネスには不安や落ち込みなどのネガティブな感情を減らす効果があるので、孤独感に効果があっても不思議ではありません。瞑想などのトレーニングは自宅でもできるので、コロナ禍でも一人で実践しやすいのが嬉しいですね。

結果2:マインドフルネスと体の健康

次に体の健康面に関してトレーニングの効果を見てみると、

  • 8週間のトレーニングを受けた人は、NF-κBという炎症に関する遺伝子の活動が低下していた
  • 体内で炎症しているときに発生するCPRの量も低下していた

ということ。

マインドフルネスで体内の炎症も軽減され、体の健康も向上していることが分かります。炎症は体の老化を進めてしまう要因でもあるので、若々しく健康な体を保つためにもマインドフルネスは有効そうですね。

まとめ

本稿では「マインドフルネスと孤独感」についてお話ししました。

ポイントをまとめると、

  • マインドフルネスを高めると孤独感も低下できる
  • マインドフルネスが高まると体内の炎症が軽減して、体の健康も向上する

ということ。

特に高齢者の方は、「孤独感が増す→炎症が増す→体の健康が低下する」という形で、孤独感が健康を大きく損なってしまう可能性があります。なので、孤独感を感じやすい人は、瞑想やヨガなどのマインドフルネスを生活に取り入れて、孤独感を和らげてみましょう。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1 : Mindfulness-Based Stress Reduction Training Reduces Loneliness and Pro-Inflammatory Gene Expression in Older Adults: A Small Randomized Controlled Trial

Naoto

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