仕事の頼み事を受けると評判は上がるけど、生産性は落ちてしまうのを解決するにはどうすればいいのか?

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仕事では上司や他の人から頼み事をされたり、逆に自分から頼み事を依頼することもあります。それで他の人の頼み事を受けてあげることには良い面と悪い面の両方があって

  • 良い面
    他の人の頼み事を聞いてあげれば、その人を助けることになるので、周りの人からの評判が上がる
  • 悪い面
    他人の頼み事を聞いてばかりいると、自分の仕事に割り当てられる時間が削られてしまうので、自分の生産性は低下してしまう

ということが考えられます。つまり、頼み事を聞くということは周囲の評判と生産性のトレードオフの関係になっているわけですね。

そこで、コロンビア大学の研究(*1)では

  • 「頼み事の頻度とバランス」をうまくコントロールすれば評判と生産性の両立ができるのでは?

ということが分析されていたので、本稿ではその中身を見ていきましょう。

最適な頼み事の受け方とは?

この研究は、161人のエンジニアを対象にしていて、各エンジニアは16人〜41人のサイズのチームに所属しています。そして、各エンジニアがチームで働く中で、

  • 頼み事の頻度
  • 頼み事をすることと受けることのバランス
  • 周りからの評判

などのデータを取得しています。

結果:頼み事のトレードオフ

これらのデータからまず最初に分かったことは

  • 頼み事をすることよりも、頼み事を受けてあげることが多い人は周りからの評判が高かった

ということ。頼み事をする方が多いということは自分が助けられているわけで、頼み事を受けることが多いということは、自分が助けられる以上に相手を助けているということです。なのでこの差が評判を高めてくれているわけですね。

次に生産性を見てみると

  • 頼み事することよりも頼み事を受けてあげることが多い人ほど、生産性は低かった

ということ。やはり頼み事を受けることのデメリットとして、自分の生産性は低下してしまうということが確認されています。

まとめると、やはり頼み事を受ける側にバランスを傾けると、評判は上がるけど、生産性は落ちてしまうトレードオフがあるということですね。

結果:頼みごとの頻度

次に頼み事をする/受けるの頻度が多い人の結果を見ると、面白いことが分かっていて

  • 頼み事を受けるのと頼み事をすることのバランスがとんとんでも、お互いに頻繁に頼み事をやりとりしてる関係なら評判は向上していた
  • 頼み事を受けるだけでなく、自分も他人に頼み事をして助けてもらっていれば、生産性も落ちることはなかった

ということ。つまり、

  • 頼み事で評判と生産性を両立させるためには、頼み事を受けるのと同じくらい他人に頼み事をしつつ、”頻繁”に頼み事を交換しあって信頼できる関係を築くこと

というわけですね。

一番生産性が低下してしまうパターンが、頼み事の交換に頻度が少ないのに、頼み事を受ける方にバランスが偏ってしまった場合ということ。頼み事の交換の頻度が多くなれば、バランスが偏ったときの生産性の低下もある程度防げているので、頻繁に頼み事を交換し合うことで、知識の共有があったり、チームワークが向上したりしていて、それも生産性の向上させる要因の一つになっていることも考えられます。

まとめ

本稿では「頼み事で評判と生産性を両立する方法」についてお話ししました。

ポイントをまとめると

  • 頼み事を受ければ評判は上がるけど、自分の生産性は落ちてしまう
  • これを両立させるには、頼み事を受けるだけでなく、自分からも同じだけ頼むようにして、頼み事の交換の頻度を増やして、信頼関係を深めると良い

ということですね。

頼みことを受けることが多いけど、自分から頼み事をするのが苦手という人は、特に注意してみた方がいいかもしれないです。人は何かをしてもらった時よりも、その人に何かをしてあげたときの方が、その人を好きになりやすいという話もありますので、良い人間関係を築くには、自分から助けを求めることも大切なのかもしれませんね。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1 : HOW MUCH SHOULD I GIVE AND HOW OFTEN?
THE EFFECTS OF GENEROSITY AND FREQUENCY OF FAVOR EXCHANGE ON SOCIAL STATUS AND PRODUCTIVITY

Naoto

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