仕事の改善を持続させるには、リーダーの信頼が大切という研究

仕事の質の向上であったり、無駄の削減であったりと、仕事は改善がなければ競争力を失ってしまいます。特に最近では時代の変化が速いこともあり、自動化などの新しい働き方についていけないと、ビジネスとしてピンチになってしまいますよね。
そこで、従業員は仕事の改善、それも持続的に改善し続けることが求められます。しかし、これがなかなか難しいもので、改善に乗り気でない人や、一時的に改善しても続かない人が出てしまうもの。
そんな状況を打破するのがリーダーシップ。改善を推す進めるリーダーが必要なわけです。
そこで本稿では
- 持続的な改善には、革新的なリーダシップと信頼の両方が大切
ということを調べてくれたクイーンズランド工科大学の研究(*1)を見てみましょう。
革新的なリーダシップと信頼
クイーンズランド工科大学の研究では、持続的な改善活動には、革新的なリーダーシップと信頼の両方が必要だと考えています。
革新的なリーダーとは
- 従業員にビジョンを共有する
- 従業員を鼓舞してチャレンジな目標を達成させる
- 従業員に自分の課題でなく、組織としての課題に気づかせる
- 従業員の関心を広げたり高めたりする
ようなリーダーのこと。
つまり、組織の改善を行うように、従業員を上手くモチベートできるリーダーのことですね。このような革新的なリーダーのもとでは、部下は思い切って挑戦できるようになりますし、組織のことを自分のことのように考えることが分かっています。
さらに、革新的なリーダーに必要なのが部下からの”信頼”です。リーダーが「革新を起こそう!」と引っ張っても、信頼がなければ部下はついてこず、リーダーの独りよがりになってしまうだけです。
返報性の原理と言って、人は「何かをしてもらったときには、お礼に何かを返さないといけない」と感じるもの。これはリーダーと部下の間でも同じで、「自分に良くしてくれるリーダーに対して、部下はこのリーダーのために頑張ろう」と思うんですね。逆に返報性の原理はマイナスにも働いて、「信頼できないリーダーに対しては、こんな嫌な奴の下では働きたくない」となってしまうのには注意が必要。なので、部下についてきてもらうには、リーダーの信頼がかなり重要ということですね。
持続的な改善が本当に起こるのか?
クイーンズランド工科大学の研究では、本当に革新的なリーダーシップと信頼が、本当に持続的な改善につながるのかを、282人を対象にデータを取得して分析しています。
その結果から分かったのは、
- 革新的なリーダーは部下から信頼されやすかった(β=0.45)
- 信頼のあるリーダーのもとでは、持続的な改善が起きやすかった(β=0.78)
- 信頼のあるリーダーのもとでは、組織のことを自分のこととして考える傾向が強かった(β=0.59)
- 革新的なリーダーでも信頼がなければ、持続的な改善は低下してしまった
ということ。
想定通りの結果となっていて、リーダーは改善や革新を推進するだけでなく、そもそも信頼がなければいけないということですね。自分がリーダーになった場合には、革新を推し進める前に、まずはチームの信頼を得るように心掛けると良いでしょう。
まとめ
本稿では「革新的なリーダーと信頼」についてお話ししました。
ポイントをまとめると
- 仕事で持続的な改善や持続的なイノベーションを起こすには、革新的なリーダーがいて、かつそのリーダーが信頼されていないとダメ
ということ。
返報性の原理に従うなら、部下に改善しろと偉そうに要求するだけではダメ。まずはリーダーが部下をサポートして、そのサポートに感謝した部下がリーダーのために頑張る。そういう関係の中で信頼が高まっていくわけですね。私の身の回りにも「この人のためになら頑張りたい」と思えるリーダーがいるので、この気持ちはよく理解できます。なれるのならそんなリーダーになりたいものですよね。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]
*1 : Linking transformational leadership and continuous improvement: The mediating role of trust