【カフェイン】コーヒーを毎日飲むと頭のパフォーマンスが向上するのか?

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カフェインには覚醒作用があって頭の働きを良くしてくれます。仕事で集中するときや、眠気を覚ましたいときに、よくコーヒーを飲んだりしますよね。先日の投稿にも書きましたが、実はエナジードリンク系の効果もほとんどはカフェインの効果だったりします。

こうしたカフェインの脳機能のブースト効果は数時間の一時的な効果のことをいうことが多いです。しかし、コーヒーやお茶などのカフェインを含む飲料は、毎日習慣的に飲む人もいるでしょう。私もコーヒーが好きで、毎日2杯は飲んでいます。

そうすると気になるのが、

  • カフェインは習慣的に飲むことで、一時的な効果だけでなく、長期的な認知機能の向上が見られるのか?

ということです。本稿ではこの疑問について調べてくれたマーストリヒト大学の研究(*1)を見ていきましょう。

実験:カフェインを飲む習慣と認知能力テスト

マーストリヒト大学の研究では、1875人を対象に普段のカフェインの摂取量と様々な認知テストのパフォーマンスを測定しています。

カフェインの摂取量は

  • レベル0:取らない
  • レベル1:コーヒー1〜3杯
  • レベル2:コーヒー4〜6杯
  • レベル3:コーヒー7〜10杯
  • レベル4:コーヒー10杯以上

となっています。私の印象では2,3杯が多いイメージなので、なかなか高い基準に感じます。

そして、認知テストは頭の様々な機能を確かめるために6つのタスクを実施しています。

  1. 視覚単語の記憶テスト
    画面の1秒1つ映される単語を記憶するテスト
  2. 運動選択反応テスト
    5つあるボタンのうち光ったボタンをできるだけ早く押すテスト
  3. 記号置換テスト
    2つペアになった記号のリストがあり、パッと映された記号のペアをできるだけ早く書き込むテスト
  4. 流暢性テスト
    1分間で動物の名前をどれだけ多くスラスラと言えるかのテスト
  5. 概念シフトテスト
    大きな円の上に16個のアルファベットまたは数字が並んでいるので、できるだけ早く昇順に並び替えるテスト
  6. ストループカラーテスト
    文字の名前が違う色で画面の映し出されるので、素早く色を答えるテスト。例えば、「きいろ」の文字が青色で映し出された場合は、青と答える。

ざっくりとまとめるとこんなところです。

カフェインを飲む人ほど頭のパフォーマンスが良いのか?

早速結果を見てみると、

  • 習慣的に多くのカフェインを摂取する人ほど、反応速度と長期記憶のパフォーマンスが高かった
  • 習慣的にカフェインを飲んでも、短期記憶や注意力、情報処理能力は向上しなかった

ということ。

反応速度と長期記憶という一部の頭のパフォーマンスは向上するということで、カフェインを長期的に摂取することのメリットがあるようですね。注意力はカフェインの短期的な効果で得られることはわかっているのですが、長期的な効果までは無いようです。

また、カフェインの研究では、カフェインは習慣的に飲むと効果が薄れる説もあります。もしかしたら、カフェインを習慣的に飲むと、持続的に一部の認知能力が向上する一方で、短期的なブースト効果は低下してしまうということなのかもしれませんね。

カフェインは老化の認知能力低下を防ぐのか?

習慣的なカフェインの摂取は一部の認知能力に良いということでした。そうすると、老化によるボケの防止にもカフェインが有効なのでは?とも考えられます。

そこで、先の研究では年齢によるカフェインの効果の違いも確かめていて

  • カフェインによる認知能力の向上は、どの年齢であっても同じであった

ということがわかっています。

老化によるボケの防止にカフェインが効くのであれば、高齢者ほどカフェインの利益が大きくなるはず。今回の研究結果では年齢によらず一定の効果なので、カフェインの効果は老化のボケ防止とは別物だと考えられるわけですね。

まとめ

本稿では「習慣的にカフェイン摂取することの効果」についてお話ししました。

ポイントをまとめると

  • カフェインを習慣的に飲むと、反応速度と長期記憶のパフォーマンスが向上する
  • カフェインを習慣的に飲んでも、短期記憶や情報処理、注意力は向上しない
  • カフェインの長期的な効果は、年齢によらずに一定の効果なので、高齢者のボケ防止とは別の効果になっている

ということです。

コーヒーは健康にも良いことが分かっているので、習慣的に飲む価値は十分にあると思います。夜に飲むと眠れなくなってしまったりするので、自分のあったコーヒータイムを作ってみてはいかがでしょうか。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1 : Habitual Caffeine Consumption and its relation to Memory, attention, planning capacity and psychomotor performance across multiple age groups.

Naoto

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