脂肪燃焼系のサプリは本当に効果があるのか?
世の中には脂肪の燃焼を促進するサプリが出回っていて
- 「このサプリを飲めば、運動をしなくても脂肪が燃えやすくなる」
みたいな魔法のような効果が謳われています。
しかし、そんな奇跡のサプリがあるのであれば、肥満で悩む人がこんなに多くいるわけもないはず。そこで、脂肪燃焼系のサプリが実際にどのくらいの効果があるのか?が気になるところです。
本稿ではこの問題について、
- 脂肪燃焼系のサプリを長期的に飲むと脂肪の燃焼や血液の改善効果があるのか?
をメタ分析で調べてくれた研究を見ていきたいと思います。
脂肪燃焼系サプリの効果とは?
この研究が調べた脂肪燃焼系サプリにはいくつかの種類があるようですが、一番身近な例ではECGCでしょう。ECGCは緑茶に含まれるカテキンの一種で脂肪の燃焼効果があると言われているものです。脂肪の燃焼を促進するお茶はペットボトルでも普通に売られていますよね。
それで、この研究ではサプリの脂肪の燃焼効果を調べた研究21件を集めて、メタ分析で結果をまとめています。このメタ分析で集められた研究の特徴としては
- 8週間以上の長期間の効果が測定されている
- BMIが24.9以上の人が対象になっている
- 効果として実際に体脂肪の減少や、血中脂質の変化が測定されている
- サプリと運動や食事制限を組み合わせた場合の効果も分析の対象としている
といった感じです。
結果:脂肪燃焼サプリの効果とは?
早速、分析の結果を見てみると、
- 体重の効果が−0.09〜0.94
- 脂肪量の効果が−0.20〜0.95
- 除脂肪体重の効果が−0.25〜0.05
- コレステロール値の効果が−0.20〜0.27
- LDL値の効果が−0.13〜0.71
- HDL値の効果が−0.13〜0.13
- 安静時代謝の効果−0.67〜0.69
となっています。
効果の信頼区間に0が含まれているので、どの効果も統計的には有意な効果ではなかったということです。個々の研究では効果が出ていることもあったものの、全体としてみると効果が出ない場合も同じようにあって、十分に信頼できる効果がありとは言えないようです。
結果2:
研究によってサプリの種類が違ったり、期間が違ったりするので、そうした影響を分析した結果を見てみると、
- どの種類のサプリでも効果は同じ傾向で有意差はなかった
- LDLやHDLといった健康の改善効果は、実験期間が長くなるほど向上している傾向はあった
- 脂肪量や体重の減少効果は、実験期間の長さに関係なくバラバラの結果だった
- 脂肪燃焼サプリを運動や食事制限を組み合わせても効果は向上しなかった
(運動や食事制限だけで十分な効果だった)
ということ。これらをまとめると、
- 脂肪を減らしたいなら、サプリを使うよりも運動と食事制限の方がずっと効果は確か
- LDLやHDL、コレステロール値などの改善をしたいなら、お茶などのサプリでも長く使えば効果はあるかも
という感じですかね。
まとめ
本稿では「脂肪燃焼系サプリの効果」についてお話ししました。
ポイントをまとめると、
- 脂肪燃焼系サプリの脂肪燃焼効果は、研究によって効果にばらつきがあって、確かな効果があるとは言えない
- 脂肪燃焼をしたいならサプリよりも運動と食事制限の方がずっと確実な効果がある
- LDLやHDL、コレステロール値なの改善には、お茶などのサプリも長期的に使えば効果は出てくるかも
ということ。
やはり、「サプリを飲むだけで脂肪が減る」という魔法の効果はなさそうで、脂肪を減らすには運動や食事制限が必要なようですね。メーカーの宣伝を鵜呑みにせずに、痩せるためには努力をしてきましょう。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]