実は社会的に地位が低い人の方が、賢く考える能力が高い?という研究

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勉強ができる人は頭が良いと言われますが、実生活の中では勉強ができるだけで賢い人になれるわけではありません。賢い人とは、単に知識が豊富なだけでなく、物事を多角的に捉えたり、根拠となる情報を吟味して推論したりと、論理的な思考能力などが求められるわけですね。

実際に現実世界には、学生自体には勉強はからっきしダメだったけど、大人になって賢くビジネスで成功している人もいますよね。そうなると、「勉強が直接賢さに繋がらないなら、賢く考える能力が高い人ってどんなふうにその思考を身につけたの?」ということが気になります。

そこで本稿では、

  • 社会的な地位の高さが、賢い思考能力を磨くのに関係しているのでは?

ということを調べてくれだ研究を見てみたいと思います。

社会的地位と賢い思考

この研究がいう賢い思考とは、主に次の5つの思考を備えているかどうかになります。

  • 知的謙遜
    自分の知識や能力の限界を知っている
  • 変化への適応
    世の中の不確実な変化を認識して、様々な可能性を考慮することができる
  • 意見の需要
    他者の意見の優位点を認め、受け入れることができる
  • 他者の視点
    他者の視点に立って考えることができる
  • 対立意見との折衷
    対立する意見も認識して、折衷案を考えることができる

これらの5つはどれをとっても賢く生きるためには必要なものですし、単純に勉強をするだけでは身につかないものだと分かりますね。

それでワーテルロー大学の研究では、2145人を対象にして

  • 社会的地位の高さによって、賢い思考能力の身に付き方に違いがあるのか?

を分析しています。ここでいう社会的地位の高さとは、ブルーカラーの肉体労働者やホワイトカラーの知的労働者といった違いや、教育レベルの違いなどの、豊かさの違いを示しています。

結果: 豊かな人と貧しい人はどちらが賢いのか?

早速結果を見てみると、

  • 社会的地位が貧しい人の方が、賢い思考がよく身についていた

ということ。なんと、豊かな人の方が良い教育を受けられるので、賢い思考も身につけやすそうなイメージがありますが、実際にはその逆となっているんですね。実際IQテストのような知能の高さは、教育レベルが高いほど良いことが確認されていますが、賢さとなるとその逆となっています。

これがなぜかというと、貧しい人は余裕がないので、人生で多くの問題にぶつかり解決する必要があるからだと考えられます。少ないお金でやりくりをしたり、過酷な労働環境で職場の人と協力して働いたりと、こうした実生活に直結した問題解決が賢い思考を育てていると考えられるわけですね。今回取り上げた賢さの5つの要素も、変化への適応だったり、他者の視点に立つだったりするので、社会的地位が低い人の方が多く経験しやすいのでしょう。

まとめ

本稿では「社会的地位と思考の賢さ」についてお話ししました。

ポイントをまとめると、

  • 社会的に地位が低くて貧しい人の方が、他者の視点に立ったり、変化に適応する賢さをよく身につけている

ということ。

例えば、安定した大企業に勤めるのでなく、変化の激しいベンチャー企業に勤める方が、様々な問題を経験できて思考力にも磨きがかかるかもしれません。もっと賢くなりたいのであれば、色々なことに挑戦して、頭を使って乗り越える経験を求めていきましょう。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1 : Social class and wise reasoning about interpersonal conflicts across regions, persons and situations

Naoto

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