睡眠の質が悪いとマインドワンダリングが増えてしまうのか?

最終更新日

Comments: 0

マインドワンダリングとは、今行っている活動とは関係ないことを考えてしまって、活動に集中していない状態のこと。

マインドワンダリングが仕事や勉強のパフォーマンスを落とすのはもちろん、幸福感まで低下させるとも言われています。そのため、マインドワンダリングはできるだけ減らしていきたいところなんですね。

そこで本稿では、

  • 睡眠の質が悪い人ほど、マインドワンダリングは増えてしまうのか?

について調べてくれた研究を見てみましょう。

睡眠の質とマインドワンダリング

睡眠不足も日中の集中力を低下させてしまう大きな要因。寝不足になると、ウトウト眠くなってしまったり、頭がうまく回らなかったりで、集中力を維持するのがハードモードになってしまいますよね。

マインドワンダリングも同じように集中力を低下させる要因ですが、この2つはお互いに関係している可能性があって

  • 睡眠不足で頭がぼーっとしていると、他のことを考えてマインドワンダリングが増えてしまう

あるいはその逆も考えられて、

  • 嫌なことを思い出すなど、ネガティブなマインドワンダリングをしてしまうと、不安や悲しみが高まって睡眠の質が低下してしまう

となります。

つまり、マインドワンダリングを睡眠の質はお互いに関係しあって負のループを作っている可能性があるんですね。

本稿で注目するのは、この点について調べてくれた研究で

  • マインドワンダリングと睡眠の質はどっち方向に影響するのか?
  • 睡眠のパターンが朝型・夜型・その中間の違いは、睡眠の質やマインドワンダリングに影響するのか?

を合計で673人を対象にしたデータで調べてくれています。

結果:マインドワンダリングと睡眠の質の方向

早速、研究の結果を見てみると、

  • 睡眠の質が低い人ほど、マインドワンダリングしたり空想にふけることが多くなっていた
  • マインドワンダリングや空想が多い人ほど、睡眠の質も低下していた

ということ。

仮説の通り、睡眠の質とマインドワンダリングは両方向に働いていて、負のループを作っているという結果です。睡眠の質が低下することの具体的な症状としては、「夜になかなか寝付けない」、「夜中に起きて睡眠が途切れてしまう」、「睡眠不足で日中に支障が出る」ことが増えてしまうようです。マインドワンダリングを無理に抑えるのは難しいので、まずは睡眠の質からしっかりと改善していきたいところですね。

結果2:朝型・夜型とマインドワンダリング

続いて、睡眠のパターン(朝型・夜型・中間)によるマインドワンダリングや睡眠の質の違いを見てみると、

  • 夜型の人ほど、睡眠の質は悪い傾向があった
  • 夜型の人ほど、マインドワンダリングが多い傾向があった
  • 夜型の人ほど、空想が多い傾向があった
  • 夜型の人ほど、ネガティブな感情を感じやすかった

ということ。

睡眠の質とマインドワンダリングは睡眠が朝型の人の方が良いという結果になっています。早寝早起きの良い睡眠習慣は、日中のマインドワンダリングも減らしてくれるということですね。

まとめ

本稿では「マインドワンダリングと睡眠の質」についてお話ししました。

ポイントをまとめると、

  • 睡眠の質が低いとマインドワンダリングが増え、マインドワンダリングは睡眠の質を低下させる、双方向の悪影響がある
  • 朝方の人ほど睡眠の質が良く、マインドワンダリングも少ないので、早寝早起きは大切

ということ。

メンタルを整えるためには良い睡眠が欠かせません。なので、マインドワンダリングを減らすためにも、睡眠はしっかりと取るようにしましょう。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1 : Mind Wandering, Sleep Quality, Affect and Chronotype: An Exploratory Study

Naoto

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

コメントする