カフェインとテアニンを組み合わせると脳のパフォーマンスがもっとアップする

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仕事や勉強に集中したいときにコーヒーを飲む人は多いでしょう。これはカフェインに脳のパフォーマンスをブーストさせる効果があるからで、

  • 脳の反応速度が向上する
  • 素早い判断がより正確になる
  • 注意力が高まる
  • 眠気や疲労感が軽減される

といった効果がカフェインから得られるんですね。

しかし、カフェインが含まれる飲み物にも種類があって、コーヒーや紅茶、お茶、コーラなどが挙げられます。実はこれらの飲み物の種類によっても効果に違いが出るもので、

  • カフェインの量が同じなら、コーヒーよりもお茶や紅茶を飲んだときの方が、より大きな効果が得られる

という研究結果もあるんですね。これが何を意味するのかを考えると、紅茶に含まれる何らかの成分がカフェインと相互作用して効果を高めている可能性があるわけです。

そこで本稿では、

  • カフェインとL-テアニンの組み合わせで脳のパフォーマンスの向上効果はアップするのか?

を実験してくれたノーサンブリア大学らの研究(*1)を見ていきましょう。

実験:カフェイン+テアニンの組み合わせ効果

L-テアニンとは、お茶や紅茶に含まれるアミノ酸の一種です。L-テアニンは昔からリラックスのために使わることが多く、心拍数やストレスを低減させる効果があることがわかっています。

お茶や紅茶にはL-テアニンと一緒にカフェインも含まれるので、紅茶がコーヒーよりもパフォーマンスの向上効果が大きいのは、L-テアニンとカフェインの組み合わせ効果が効いていると推測ができるわけです。

そこでノーサンブリア研究では、次の4つのグループ分けで実験を行っています。

  1. カフェインもテアニンも飲まないグループ
  2. カフェインを150mg摂取するグループ
  3. テアニンを250mg摂取するグループ
  4. カフェイン150mg+テアニン250mgを摂取するグループ

これらの4つのグループで、脳のパフォーマンスを様々なタスクで測って、カフェインとテアニンでどんな脳機能が向上するのかを分析しています。

テアニンの相乗効果で上がる脳機能とは?

早速実験の結果を見てみると、

  • 反応速度
    カフェインだけでも効果あり、テアニンと組み合わせで効果アップ
  • 注意・警戒
    カフェインだけでも効果あり、テアニンと組み合わせで少し効果ダウン
  • 視覚情報処理の正確さ
    カフェインだけでも効果あり、テアニンと組み合わせで効果アップ
  • 空間記憶の正確さ
    カフェインもテアニンも効果なし
  • 数字記憶の反応速度
    カフェインだけでも効果あり、テアニンを組み合わせても効果あり
  • 記憶した単語の識別速度:
    カフェインだけでも効果あり、テアニンと組み合わせると特に効果アップ
  • 文章の正誤判断の正確さ:
    カフェインだけでも効果あり、テアニンと組み合わせで効果アップ
  • 数字の計算の正確さ:
    テアニンだけだと90分後にパフォーマンスダウン

ということ。ちなみにテアニン単体ではほとんど向上効果はありませんでしたので、テアニンはカフェインと組み合わせる必要があります。

これらの結果をまとめると

  • テアニンが有効なのは、
    反応速度、視覚情報処理の正確さ、数字記憶の反応速度、記憶の識別速度、文章の正誤判断

で、カフェインとテアニンの組み合わせは確かに脳のパフォーマンスをより大きく向上してくれることが分かります。

テアニンは気分も向上するのか?

カフェインには脳のパフォーマンスアップだけでなく、疲労感を軽減したり、警戒心を高めたりする気分面の効果もあります。これらに対してテアニンを組み合わせるとどうなるのかを見てみると、

  • 注意・警戒
    テアニンの組み合わせでさらに注意・警戒が向上した
    (脳がまったりモードから仕事モードに切り替わっている)
  • 肉体的な疲労感
    テアニンと組み合わせることで、肉体的な疲労感がさらに軽減された
  • 心理的な疲労感
    テアニンと組み合わせることで、心理的な疲労感がさらに軽減された
  • 頭痛
    テアニンと組み合わせることで、さらに頭痛が軽減された

ということ。なので、気分面でもカフェインだけでなくテアニンを一緒に摂取した方が良いんですね。

まとめ

本稿では「カフェインとテアニンの組み合わせ効果」についてお話ししました。

ポイントをまとめると

  • カフェインとテアニンを組み合わせると、反応速度、視覚情報処理の正確さ、数字記憶の反応速度、記憶の識別速度、文章の正誤判断のパフォーマンスがさらに向上する
  • テアニンは気分面でも良い効果があって、注意警戒心を高め、肉体的/心理的疲労感と頭痛を軽減してくれる

ということです。

一つ注意点として、今回の実験で使われたカフェイン150mgとテアニン250mgは普通の紅茶に含まれる量よりだいぶ多くなっているので、1杯のお茶や紅茶を飲むだけではこれらの効果は得られない可能性があります。テアニンはサプリメントとしても売っているので、サプリで補うのもありでしょう。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1 : The Effects of L-theanine, Caffeine and their Combination on Cognition and Mood

Naoto

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