サウナは週4回以上で心臓病死が激減する?15年追跡した1688人の研究

サウナ好きの人にとって「整う」はもう説明のいらない言葉ですが、あれが本当に体にとって良いことなのかというと、話は別です。気持ちよさと健康効果はイコールではありません。

そこで本稿では、フィンランドで中高年1,688人を15年追跡した前向きコホート研究から

サウナは週何回・何分入ると、心臓の病気で死ぬリスクが下がるのか?

を見ていきましょう。

どんな研究か

Tanjaniina Laukkanenらフィンランドの研究チームが、2018年に医学誌BMC Medicineで発表した前向きコホート研究です。

  • 対象は1,688人(女性867人=51.4%、男性821人)
  • 平均年齢63歳(53〜74歳)
  • 追跡期間は中央値15.0年
  • この間に心血管疾患による死亡が181件
  • 入り口でサウナの利用頻度と1回の時間を聞き、その後の心血管死と突き合わせた

サウナと健康に関するフィンランドの研究はいくつかありますが、男女を半々で含んでいるのがこの研究の特徴です。

結果:週4回以上で大きく下がる

まず頻度です。週1回の人を基準にした心血管死のハザード比がこちらです。

サウナの頻度心血管死のハザード
週1回(基準)1.00
週2〜3回0.75(0.52–1.08)
週4〜7回0.23(0.08–0.65)

サウナに入る頻度が増えると、心血管死のハザードが低下している事がわかります。

次に1週間あたりの合計時間を見てみましょう。。

週の合計時間心血管死のハザード
15分以下(基準)1.00
45分超0.57(0.35–0.94)

週15分以下の人を基準にすると、週に合計45分以上サウナに入る人は心血管死のハザードが低下しています。

つまり、サウナに入る頻度と合計時間は、増えると致死的な心血管のリスクが低下しているという結果になっています。サウナの健康効果が心血管

この研究の限界

  • 観察研究である。サウナに入る習慣を割り付けた実験ではないので、因果関係を証明したものではない
  • 逆の因果が成り立つ。心臓が弱い人や体調の悪い人はそもそも高温のサウナに週4回も入れない。「健康だから頻繁に入れる」という説明でも同じ結果になる
  • 前提はフィンランドの伝統的なサウナである。日本のサウナ→水風呂→外気浴というセットや、温度・湿度の違いで同じ結果になるとは限らない
  • サウナの頻度は研究の入り口で1回聞いただけ。15年のあいだに習慣が変わった人は捉えられていない
  • 血圧・血管機能・炎症といったメカニズムはこの研究では検証されていない

「サウナに入れば心臓病が防げる」と言い切れる段階ではなく、よくサウナに入る人は心血管死が少ないという関連が、15年という長い追跡でも崩れなかった、という受け取り方が正確だと思います。

まとめ

  • 週1回と比べて週4〜7回で心血管死のハザード比0.23に低下した
  • 1週間の合計時間では45分超でハザード比0.57に低下した
  • ただし観察研究であり、逆の因果を排除できない。効果の大きさの精度も低い

今日からできること

この研究結果を生活に取り入れるなら、サウナに行く回数を増やすと良いでしょう。

週に45分以上を目指せば良いので、1回のサウナで何時間も過ごすよりは、数十分のサウナで行く頻度を増やす方が良いかもしれません。ただし、体調が悪い日に無理をしてサウナに行くのは控えて、行ける日に行く、くらいがちょうどいいと思います。

関連して、トレーニング後の最強の回復方法は何か?有酸素運動と筋トレで効果はどう変わるのかといった記事もあります。トレーニング全般については筋トレの科学のまとめ記事、睡眠については睡眠の科学のまとめ記事もどうぞ。

以上、それでは良い健康ライフを!

参考文献

  • Laukkanen T, Kunutsor SK, Khan H, Willeit P, Zaccardi F, Laukkanen JA. Sauna bathing is associated with reduced cardiovascular mortality and improves risk prediction in men and women: a prospective cohort study. BMC Med. 2018;16(1):219. 原文
ナオト

ナオト

論文とトレーニング好きなエンジニア。IT系のソフトウェア開発の仕事をしながら、心理・運動・健康の研究論文を読んでシェアしています。トレーニング歴8年以上。

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